ナタリー×WOWOW ミュージックスタイルJAPAN PowerPush - Crystal Kay

ダンスで魅せた「VIVID」ライブ WOWOW連動インタビュー

「本物の音楽との出会い」をコンセプトに、毎月厳選したアーティストを紹介するWOWOWのライブプログラム「ミュージックスタイルJAPAN」。11月は、9月8日に東京・赤坂BLITZで開催されたCrystal Kayのワンマンライブ「CK 2012 LIVE 『VIVID』」の模様をオンエアする。

ナタリーでは「ミュージックスタイルJAPAN」と完全連動の特集コンテンツで彼女のインタビューを掲載。ワンマンライブとしてはデビュー以来初めてサポートバンドを使わず、自身とダンサーで作り上げた挑戦的なステージを振り返ってもらった。

取材・文 / 鳴田麻未 撮影 / 福岡諒祠

今までにない弾けたダンスアルバム「VIVID」

──まず6月にリリースしたアルバム「VIVID」について聞かせてください。昨年10月ごろから作り始めたそうですが、制作を振り返っていかがですか?

インタビュー写真

ユニバーサルに移籍して初めてのアルバムということで、じっくり時間をかけて何もかも慎重に、一生懸命作りました。本当にデモ段階からずっと関わっていたという感じで、ディレクターと800曲くらいある候補の中から1曲1曲何回も聴いて、たくさんミーティングもして、レコーディングに入る前からデモを歌い直したりして、どのステージも満遍なくこだわったというか。何年経って聴いてもずっとフレッシュなアルバムにしたかったので、1つひとつのステージを大切に制作していきました。だから本当に自信作ができたと思ってますね。

──「VIVID」で音楽的にはどんな収穫がありましたか?

今回は全般的にダンスチューンで、これだけ弾けたダンスアルバムを作ったことは今までになかったので、そもそも新しい試みでした。さらにトラックだけじゃなく、歌詞もより自分をさらけ出して、“今私が感じていること”を出し切ったのが今までと違うところです。今回は歌詞にすごく関わっていて、半分以上が共作もしくは自分で書いた詞なんですけど、思いっきり素の自分を出したいなと思って、リアルなことを書きました。あとやっぱりボーカルですね。「どこまでいけるんだろう」と思っていろんな表情の声を出したことで、なんか自分の声がちょっとずつわかってきた気がします。

──非常にエネルギッシュな作品ができたのは、やはりCrystal Kayさん自身が移籍して心機一転を図ったことが関係しているんでしょうか。

そうですね。やっぱりここからどんどん上に行かなきゃ!がんばらなきゃ!というマインドだったので、そういう自分の気持ちも表れていたんだと思います。でもこのアルバムを聴いて、リスナーに何を感じてもらいたいだろうと考えたときに、「もっとがんばろう」とか「まだまだいける」とか、とにかくポジティブな気持ちになってもらいたいなと思ったんですよね。ダンスアルバムでもあるんだけど、みんなを元気にさせられるアルバムにしたいなと。って言うのも、「Crystal Kayの音楽を聴いてすごく元気をもらえました」とか「前向きになれました」という声をよく聞くようになってから、みんなのためにももっともっとがんばっていかなくちゃな、みんなの背中をポンと押してサポートできるようになりたいなと思っていて。なので今回は失恋ソングを書いても、「きっと光はあるよ」「前を向いて歩こう」みたいな前向きなメッセージが自然と出てきました。

ノーバンドでやり遂げよう!

──「VIVID」がダンスアルバムということで、それを引っさげたライブ「CK 2012 LIVE 『VIVID』」も全編ダンスで見せるという点が大きなポイントだったと思います。

はい。バンドを使わないでライブをやったのは、実は初めてなんですよ。

──10年以上ずっと続けてきたバンドセットを変えるというのは、かなり思い切った決断だと感じました。

今までの私は“バラードシンガー”とか、“しっとり歌い上げるシンガー”というイメージが強かったと思うんです。でも今回の移籍とともに“新生Crystal Kay”をどんどん見せていきたくて、「VIVID」を作っているときも歌って踊れる自分をもっともっと出したいなと思っていたので、今回はダンスと歌だけで見せようと決めました。

──不安はありませんでしたか?

初めてだからめちゃくちゃ不安でしたよ。バンドがいなくて、自分とダンサーだけで2時間持つのかなと。きっと私だけじゃなくて、みんな本当にできるのかという気持ちはすごく大きくあったと思います。でもやるしかない!ノーバンドでやり遂げよう!っていう。

──覚悟は決まっていたんですね。

決まってました。

──ダンスと歌のみでライブをやってみて、バンド編成とは違う良さも感じました?

やっぱり今まで以上に自分の身体を使って表現できるという良さがあるなと思いましたね。あと、今回のテーマが「赤坂BLITZをクラブにしちゃおう」だったので、お客さんと一緒に踊って、一緒に盛り上がっている感。そういう一体感があったなと思いました。それがすごく新鮮でした。

MUSIC STYLE JAPAN

ミュージックスタイルJAPAN
Crystal Kay

WOWOWライブ
2012年11月11日(日)22:30~
2012年12月7日(金)22:00~

Crystal Kay(くりすたるけい)

1986年生まれ、神奈川県横浜市出身の女性シンガー。1999年に弱冠13歳にしてシングル「Eternal Memories」でデビューを果たす。2005年4月よりフジテレビ系ドラマ「恋におちたら~僕の成功の秘密~」主題歌となる「恋におちたら」がスマッシュヒットを記録。その後もCrystal Kay×CHEMISTRYのコラボ曲「Two As One」がロングヒットし、2007年6月リリースのアルバム「ALL YOURS」がオリコンウィークリーチャート1位を獲得するなど、確固たる地位を築き上げる。2011年にはユニバーサルインターナショナルに移籍。2012年6月に移籍後初となる通算10枚目のフルアルバム「VIVID」をリリースした。