ナタリー PowerPush - モテキ
恋が攻めてきたッ!! 映画公開記念スペシャル
みゆきは愛着あるキャラクター
──長澤さんが演じる“みゆき”はポップカルチャーに詳しくて、フェスとかにも行ってっていうキャラですけど、そのあたり長澤さんと共通する部分ってあります?
共通するっていうか、大根さんがアテ書きをしてくれたんですよね。脚本の決定稿を作る前に、私の考え方みたいなものを入れて最終的なみゆきを作りたいっていうことで。そこで初めて大根さんと会って、いろいろ話していく中で「私は自分に自信がない人間です」って話をして。それがみゆきに生かされることになったんです。
──自信がないっていうのは?
最初の台本のみゆきって、男の子を手玉にとる嫌な女みたいなイメージが強かったんですけど、決定稿ができたときに、みゆきのそういう要素、人間味みたいなものが加わって。今まで嫌な女だと思っていたみゆきの、悩みや葛藤が見えてきた。そういう部分がすごくみゆきにとって深みというか厚みになったんです。だから共感というか、みゆき=私自身ではないですけど、そういう意味での愛着はありますね。
──みゆきが幸世と一緒にいて楽しいと感じるのは、サブカル的な趣味が合うからっていう部分も大きいんですかね。
だと思いますね。やっぱりなにかひとつでも2人で盛り上がれることがあるって、仲の良さの秘訣なのかなって思うから。恋人関係でもそうだし、夫婦関係でもそうだし、そういうものはひとつはないとダメなのかなって思いましたね。
好きなバンドはくるり、銀杏BOYZ、RADWIMPSとか
──長澤さん自身は音楽はよく聴くんですか?
邦楽が好きですね。だから今回いろんな音楽を知ることができて良かったです。好きなのもいっぱいあったし。
──今回劇中で出てきた音楽で気に入ったものは?
ACOさんかな。あとはフィッシュマンズとか。でもなんかどこかで聴いたことがあるけど、世代じゃないしあんまりよく知らないとか、そういうのが多くて。
──90年代の音楽が多かったりしますしね。
ACOさんは聴いたことがあって「ああ、この曲懐かしい」ってなっちゃったりとか。女性にすごくウケそうな曲ですよね。すごくきれいなシーンで使われてるし。
──劇中では女王蜂のライブを観るシーンもありますね。
観ました。超カッコよかったです(笑)。音楽に詳しいスタイリストさんとかメイクさんとかもみんな「すごいよね!」って言ってて、みんなもう知ってるんだなあって思ってちょっとびっくりしました。インパクトがすごいですよね。
──長澤さんは普段はどんな音楽を聴いてるんですか?
バンドものが好きです。くるり、銀杏BOYZ、RADWIMPSとか。あ、ソウルセットも好きですね。
──ロックバンド系もアリなんですね。
くるりは特に、邦画観ててこの音楽いいなあ、と思ったのが「ジョゼ(と虎と魚たち)」だったんですよ。映画音楽を作ってる人たちじゃないのに、映画音楽を作れちゃうのがすごいと思って。ミュージシャンが作る映画音楽ってすごくキャッチーな感じがするから、聴きやすいし、入り込みやすいし、初心者にもやさしい感じがして好きなんですよね。
──ライブやフェスには行くんですか?
去年初めてサマソニに行ったくらいです。
──それはお仕事で?
いえ、遊びで(笑)。今回の撮影でフェス2つくらい行きましたけど、こんなのもあるんだ!ってびっくりしましたね。友達でフェスいろいろ行ってる人も多いから、みんなアクティブだなあ、と思いながら。
劇中で自分のジーパンを履いたりしてます
──フェスのシーンの服装が「実際にこういう子いるなあ」という感じですごく良かったです。
そうですよね。やっぱり伊賀(大介 / スタイリスト)さん、すごいなと思いましたね。伊賀さんのスタイリングって本当にそこにいそうな人にしてくれるから。着回しとか。すごくいいなと思いました。伊賀さんってすごく男子なんだなって思った。
──男子っていうのは?
男性のツボをちゃんとつかむ衣装を着せてくれるから。男の人に必ず「かわいいね」って言ってもらえるんですよ(笑)。
──スタイリングには長澤さんの好みも入ってるんですか?
今回衣装合わせのとき、大根さんに「まさみちゃんが普段使ってるものを持ってきて」って言われて。生っぽさを出したいんだろうなって思って、ジーパンとか自分のを履いたりしてますね。銀杏BOYZのTシャツとか着てます。
──銀杏BOYZのTシャツ着てるシーンありましたっけ?
幸世が部屋に押しかけてくるところは、峯田くんの写真のTシャツなんですよ。風とロックのサイトかなんかで売ってるやつで、箭内さんからもらったんですけど。
──それは私物?
そう、私物です。そのとき履いてたズボンとかも、本当に家にいるときの格好みたいな。
──そう聞くとなんだか身近に感じますね。
そう思ってもらえたらうれしいです(笑)。
- 監督・脚本
- 大根仁
- 原作
- 久保ミツロウ
「モテキ」(講談社イブニングKC) - キャスト
- 森山未來、長澤まさみ、麻生久美子、仲里依紗、真木よう子、新井浩文、金子ノブアキ、リリー・フランキー
- オープニングテーマ
- フジファブリック「夜明けのBEAT」
- メインテーマ
- 女王蜂「デスコ」
© 2011映画「モテキ」製作委員会
2011年9月26日更新