ナタリー PowerPush - the mornings

ヒャッハー! 狂ったオルタナシンデレラ 1stアルバム「SAVE THE MORNINGS!」

the morningsが初のフルアルバム「SAVE THE MORNINGS!」をついにリリース。ライブハウスシーンで話題を集める彼らは、ポンタ(Vo, G, Syn)、キシノジュンヤ(Vo, G)、ラリー(B)、けものけいか(Dr)から成る4人組バンドだ。

2003年、大学在学中に活動を開始したバンドは、メンバーの就職後さらに活動のペースを上げ、現在結成8年目。フロアを熱狂の渦にたたき込む激しいライブパフォーマンスと変拍子を多用したハイテンションな楽曲が話題を呼び、いまや全国各地のライブに引っ張りだこの人気を誇っている。

難解なのにアッパーで、叫んでいるのにエモくなく、汗だくなのにどこかクール。そんなバンドの目指す地平はいったいどこに? 初のアルバムを完成させ、勢いに乗るメンバー4人に話を訊いた。

取材・文/大山卓也 撮影/中西求

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俺らも勝手にやるから、お客さんも勝手にやればいい

──the morningsのライブはお客さんがものすごく楽しそうですよね。

ポンタ(Vo, G, Syn)

ポンタ(Vo, G, Syn) そうすね、なんかいい意味で飲み会の延長みたいなノリでライブしてるというか。

──たぶんお客さんだと思うんですけど、平気でステージに上がって踊ってる人もいるし。

ジュンヤ(Vo, G) あれ、なんかのライブのときにその人がいきなりステージに上がってきて踊り出して。俺らすごいつかまれたり、機材とか倒されたりしつつ。それで「マッドダンサー」っていう曲を作ったんです。彼がすごい変な踊りをするから。

けいか(Dr) 動きがあまりにも異常すぎて、そこからインスパイアされて曲を作ったという。ふふ。

ジュンヤ そんときあたりから楽しくなってきて、俺らも勝手にやるから、お客さんも勝手にやればいいって。だからおかしい人がいたら曲にします。「マッドチアガール」っていうのも、ライブに来てる面白い女の子のことだし(笑)。

──自由なバンドですね(笑)。

ジュンヤ だからなんでバンドやってるかっていうと楽しいからなんです。ライブになると曲も原型とどめないくらいぐしゃってなっちゃうし。the morningsが多くの人にドカンと売れるなんてことはないだろうっていうのは、最初からわかってるし。

──じゃあ楽しさ重視で。

ジュンヤ 一番最初の頃は、誰もやってない、超カッコいいことやったら売れちゃうんじゃないの? って思ってたんですけど、途中で「それはないな」と(笑)。どんどんわけわかんないほうにいっちゃったので、もういいや、だったら楽しいことしようって。

ポンタ そうやって自由にやりたいから働きながらやってるっていうのもあるんですよね。

「あー、社会人バンドね」みたいに見られるのはムカつく

──そうか、the morningsはメンバー全員社会人なんですよね。

ポンタ 全員社会人です。

──社会人っていうのはバイトしながらバンドやってますっていうんじゃなくて、フルタイムで、会社員として働いてるということ?

ジュンヤ そうすね。

──バンドと仕事の両立は難しくないですか?

ラリー(B)

ポンタ 社会人になったら土日しか活動できないからライブの本数減るって思ってたんですけど、それが逆に増えたんですよね。学生の頃の3倍くらいバンドやってる。

ラリー(B) 最初に俺たちが「土日しかできなくなります」って言ったとき、ライブハウスの人に「じゃあお前らどうせすぐ辞めちゃうんだろ?」って言われて、そうはなりたくないなって思って。

ジュンヤ 「あー、社会人バンドね」みたいに見られるのムカつくんすよ。バイトしながらやってるやつらより俺らのほうがカッコいいし、って思ってる。

ポンタ そうそう、そういう自負はある。

──フルタイムで会社員をやってることによるデメリットは何かあります?

ラリー 平日でいいブッキングがあるとき出られないのは残念ですけどね。

ジュンヤ あと、土日がマジでしんどい。

ポンタ 土日っていうか月曜日がマジでキツいね。

ジュンヤ うん、平日わりと忙しく働いて土日にライブ。最近だと遠征とかもあるから、日曜の夜中にクルマで帰ってきて、月曜の朝に仕事に行く。そういうのはマジでしんどい。

けいか なんでこんなことやってんだ?って思うもんね(笑)。

1stフルアルバム「SAVE THE MORNINGS!」 / 2011年1月19日発売 / 1890円(税込) / TAKE A SHOWER RECORDS / TASR-01

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CD収録曲
  1. opening act
  2. 冤罪テンプテーション
  3. amazon surf
  4. マッドチアガール
  5. 悪いお兄さん
  6. 秋芳洞
  7. マッドダンサー
  8. drug me
  9. chief
  10. 冤罪マッドサーフ remixed by Fragment(術ノ穴)
the mornings(もーにんぐす)

アーティスト写真

2003年結成。ワタナベシンペイ a.k.a. ポンタ(Vo, G, Syn)、キシノジュンヤ(Vo, G)、ナカガワ“ラリー”シンゴ(B)、けものけいか(Dr)から成る4人組。全国狭しとところかまわずライブを行い、自主企画を連発している東京オルタナティヴ界期待の若手。2008年にARTLESS NOTEとのスプリット「ARTLESS NOTE×the mornings」、2009年には「earth.ep」を自主制作音源としてリリース。VOID COMMUNITYからリリースされたDEAD KENNEDYS公認トリビュートアルバム「GET DRUNK MORE FUCK」、SEBASTIAN X、SuiseiNoboAzら東京の若手新世代バンドが集結した「Tokyo New Wave 2010」などのコンピレーションにも参加している。2011年1月、待望の1stアルバム「SAVE THE MORNINGS!」をリリース。