先月ニューアルバム「アンサンブル」をリリースした高田漣。アルバムには小山田圭吾、岸田繁（くるり）、権藤知彦、斉藤和義、坂本龍一、鈴木茂、高桑圭、高橋幸宏、原田知世、細野晴臣、堀江博久といったアーティストたちが参加しており、贅沢なアンサンブルを奏でている。今回は高田に制作裏話を聞くとともに、“夏”にちなんだ質問に答えてもらった。

Q1. 最新作「アンサンブル」は多彩なゲストが参加した、非常に味わいのある作品に仕上がっています。聴いてほしいポイントや魅力はどんなところでしょうか？

音楽的には参加していただいた世代を超えた名プレイヤーの皆様の一糸乱れぬアンサンブルですかね。全員に共通するのは歌心と楽曲本意のストイックな姿勢でしょうか。僕自身、今回の録音でそんな皆様の姿勢にあらためて影響を受けました。
そしてもう一点、時空を超えた日本語現代詩の響きの心地よさも聴いて頂けたら嬉しいです。

Q2. 「アンサンブル」レコーディング中に印象的だったことはありますか？

出来上がったオーガニックな音像とは裏腹に録音中スタジオでは店屋物のカツカレーばかりの高カロリーな食生活でした（笑）。食べ終わるとスタジオの全員の活動が一時休止。腹が減っては何ぞやと言いますが、満腹もまた同じでした。

Q3. 今年はすでに「箱入り息子の恋」「横道世之介」という2作の映画サントラも手がけられている高田さん。劇伴作りと、歌モノを作るときの違いはありますか？

劇伴はあくまでその作品の一つの装置として存在するものなので、あらゆる場面で優先される事が歌ものに限らず音楽単体のものとは異なる気がします。ただ僕の作曲の基本はいつも同じで、楽器を弾いて想いを馳せる。そんな昔ながらのやり方です。

Q4. この季節に観たい、オススメの映画は？ その理由も教えてください。

これから夏本番なので「アメリカン・グラフィティ」とかでしょうか。学生の夏が終わるというドラマだけでない示唆が各所に感じられる大好きな作品です。劇中にながれる沢山の音楽も最高ですね！

Q5. 高田さん流の夏バテ対策はありますか？

ビヤガーデンなどに行ってキンキンに冷えたビールを飲む事です。ちなみに冬場の対策は熱燗に限ります。

Q6. ナタリー読者にメッセージをお願いします。

およそ21世紀の音楽とは思えないような古めかしい作品のようですが、長い間みなさまのそばにいて、いつでもいつまでも聴いて頂けるような、そんな作品が出来たと自負しております。ぜひそんな「アンサンブル」を楽しんで下さい。