ずっとやるんです

──そして一方、北海道からは先日対バンツアーをやった爆弾ジョニーのような若いバンドも出てきている。まだデビューしてないにしても、MONOBRIGHTを聴いてバンドを始めたような10代もいるかもしれない。そう考えると、自分が音楽を続けていくというのは、世代をつないでいくことでもあるわけで。

お客さんとかでも「今バンドをやってる」っていう子もいますしね。もちろん爆弾ジョニーとかもそうですし。そんなに意識はしていないですけど、自分らが思っているようなことを思う人は、きっとどの世代にもいると思いますしね。

──MONOBRIGHTが上の世代から受け継いだバトン、下の世代につないでいくバトンっていうのは、いわゆるストレートなカッコよさを目指さない人たちのバトンだと思うんですよ。

まさにそうですね。ひねくれているというか。

──XTCだってそうだし、怒髪天だってそうだし。

ですよね。トータルの生き様で一貫性はもちろんありますけど、一筋縄ではいかないポップミュージックをやっていて。そういうのが自分なんでしょうね。あまのじゃくな感じ、常に納得していない感じというか。そういう「納得のいかなさ」をこの先に解決することになるかどうかはわかんないですけど……。

──いや、解決しないと思います。

そうなんですよね。しないんですよ。

──もはや解決するタイミングは過ぎた（笑）。

そう（笑）。これはもうずっと一緒なんですよ。ずっとやるんですよ。いまだにメンバーにダメ出しもするし、誰かの新作聴いて「最高だな」って言うし。環境は年齢によって変わってくるかもしれないですけれども、でも、やりたいことは変わらないから。その上で、これから先は自分で刺激を作っていかなくちゃいけないっていうのもあるし。そこを楽しみたいっていう覚悟ができましたね。

永遠に迷走してるバンド

──これ、改めて聞きたいんですけど、そもそも白ポロと眼鏡を始めたきっかけって、どんな感じだったんですか？

もともとMONOBRIGHTって、小山田圭吾さんがCorneliusを名乗ってるのを意識して、ああいう1人ユニットをやりたくて始まったんですよ。でも1人で弾き語りしてもあんまりやりたいことを表現できてなくて。それで同級生の今のメンバーを集めたら、松下が「桃野は白いポロシャツとか着ているイメージあるから」っていうことでみんなおそろいにしたっていうのがきっかけで。

──さすがにいろんな紆余曲折あって戻ってきたから、もう脱げないでしょ？

でも、脱ぎそうですよね、僕らって（笑）。

──ははははは！（笑）

もちろん脱がないつもりでやってるし、基本はもう脱がないんですけど、どっかで脱いだら面白いんじゃないかとか思っちゃうかもしれない。

──結局、そこも蛇行するんですね。

もう、永遠に迷走しているバンドっていうね。

──ははは！ それは、今までにない肝の据わり方ですよ。「俺らは一生迷走していく」って。そんな宣言、聞いたことない（笑）。

はははは！（笑） もうね、人生そんなに簡単なものじゃないので、そこはありつつ迷っていることをどう楽しく思えるかってことのほうが重要な気がするというか。バンド名の通り、物事の楽しみ方っていうことなんですよ。MONOBRIGHTだから。モノをどう光らせるかっていうのがテーマなんでしょうね。

──わかりました。では最後にこれを読んでいる方へのメッセージがあれば。

Zepp Tokyo、来てください！ それだけですね（笑）。忘れられないライブをやろうと思ってるんでね。