食べるのも飲むのも大好き
──ここからは、まだメンバーにお聞きしていないアルバムの新曲について紹介してもらえればと思います。リード曲の1つ「ショービズ」の話が出ていないので、ぜひ佐々木さんから話を伺えれば。
佐々木 私はアルバムの中でも特にこの曲が好きなんですよ。女の子っぽい歌詞で、TikTokというワードが入っていたり、恋愛、友情、仕事どれもがんばりたいけどめんどくさいという乙女心の葛藤が描かれていたり。そんな自分を認めてあげて、明日も無理せず自分なりにがんばろうという前向きな気持ちになれる曲ですね。
──今回のアルバムの中で、メロディが特にキャッチーな曲ですよね。
佐々木 聴き心地というか、耳馴染みがよくてかわいい曲です。
──餓鬼レンジャーが提供した「満漢全席」についてはいかがですか? 中華料理をテーマにした曲なので、佐々木さん的に好きな曲なんじゃないかなと。
佐々木 そうですね、私は食べるのも飲むのも好きなので、歌っていても聴いていてもハッピーになれる曲です(笑)。満漢全席というのは「おいしいものをいっぱい食べてお祝いしよう」という中国の儀式らしいんですけど、そんな最高にハッピーな儀式があるんだなって(笑)。これもすごくキャッチーな曲ですよね。振り付けには乾杯をする動きが入っているので、ライブではみんなと一緒に円卓を囲んでいる気分で盛り上がりたいです。コロナ禍でどんちゃん騒ぎがしづらい世の中ですが、この曲を通してそんな気分を味わってもらえたらなと。
──ちなみに余談ですが、佐々木さんが食べるのが大好きなのは昔からよく知られていることだと思うんですけど、大人になった今はお酒を飲むのも好きなんですね。
佐々木 はい! 食べるのも飲むのも大好きです(笑)。「チントンシャン!」(2018年発表の楽曲)にも中華料理の名前が出てくるんですけど、「満漢全席」には乾杯とか素面(シラフ)とか、お酒の場を匂わすワードがあって。そういうところでもももクロの成長を感じられると思います。
──4人の中では佐々木さんが一番お酒を飲むんですか?
佐々木 うーん……4人だけで飲むことがないのでわからないんですけど、私か(高城)れにちゃんかな。どうなんだろう、私が一番飲んでるかもしれない(笑)。みんな普通に嗜む感じで、弱くて飲めないメンバーはいないと思うんですけど、10代の頃から一緒にいてお酒を飲まずにごはんを食べるのが当たり前の環境で育ってきたから、みんなの前でお酒を飲むのも酔っ払うのも恥ずかしいんですよ。お酒を注文したら「こいつイキってんな」と思われそうだし(笑)。ほかのメンバーもごはんのときにはお酒を飲まないんです。
ももクロに入ってなかったら全然違う性格だった
──続いて、アルバムのラストナンバーについて伺いたいと思います。「祝典」を締めくくるのは、尾崎紀世彦さんの代表曲「また逢う日まで」のカバー。ももクロのバックバンド・ダウンタウンももクロバンドの音楽監督としてもお馴染みの宗本康兵さんが編曲を担当しました。
佐々木 アルバムの最後の曲なんですけど、レコーディングしたのは最初なんですよ。ももクロのアルバムにカバー曲が入るのは初めてじゃないので、今回もカバー曲があることには驚かなかったんですけど、まさかの選曲で。誰もが聴いたことがある、いろんなアーティストさんがカバーされている楽曲じゃないですか。
──アルバムを頭から収録順に聴いていったときに、最後に「また逢う日まで」が流れるのはちょっと衝撃というか、面食らったような印象がありました。
佐々木 ですよね。ももクロ流に塗り替えられないほど皆さんの頭に馴染んでる曲だから緊張感がすごくあったし、ほかの新曲をまだレコーディングしていない状態だったのでこれがどういうふうにアルバムに溶け込むのか不安でした。レコーディングが一番大変だったのはリード曲の「MYSTERION」だと思いますが、「また逢う日まで」は原曲へのリスペクトを込めながら、ももクロっぽく、今回のアルバムっぽく歌うのは難しかったですね。
──フジテレビNEXT「坂崎幸之助のももいろフォーク村NEXT」などで歌謡曲を歌ってきた経験があるからか、結果としてしっかりももクロの歌が曲にマッチしているように感じました。
佐々木 アルバムのラストにぴったりな楽曲だと思うので、たくさんの方に聴いていただきたいです。
──最後に、ももクロ流の儀式で自身を確認、肯定するというアルバムのテーマに絡めて、“アイドル佐々木彩夏”の人格形成に何が一番大きく影響しているか、というちょっと難しい話を聞きたいのですが……。
佐々木 えー、自分の性格ってめっちゃ難しいですよね。私もどの自分がホントの自分かわからないんですよ。アイドル的な部分に関しては両親、特にママの影響ですね。小さい頃から人前で歌って踊ることや、アイドルみたいなぶりぶりした衣装が好きなのは完全にそうです。性格というより、趣味や好きなものは同じように両親の影響が大きくて。小さい頃からママとパパがディズニーランドに連れて行ってくれたから、ディズニーが大好きな人間に育ったし。ももクロに入って自分のキャッチフレーズを考えるときに、アイドルっぽい要素を入れたのもママとパパの教えですね。
──あーりんママはソロ曲の中に登場するほどモノノフにとってもお馴染みですが、やっぱり一番影響を受けた存在なんですね。
佐々木 あと、ももクロで活動して今年で14年になりますが、普通に生きてたらこんなに日々集団行動をすることってないと思うんですよ。朝から晩まで常にメンバーやマネージャーさん、ほかのスタッフさんがいる状況で、1人になる瞬間ってトイレに行くときくらいで。なんならトイレもメンバーと一緒に行ったりするし(笑)。私は1人っ子だったので、その環境の変化は自分にいい影響を与えていると思います。考え方や感じ方、物の捉え方が変わりましたね。
──ももクロでの生活が自身の人格に影響していると。
佐々木 だいぶですね。ももクロに入ってなかったら全然こんな性格になってないと思います。「ごきげんよう~」とか言ってる雰囲気で、女子大に行って合コンしてるかもしれないです(笑)。ももクロに入って人との関わり方に関していい影響を受けましたね。ももクロに入ったことが間違いなく人生で一番の転機だし、結成15年目を迎えられたのはモノノフの皆さんのおかげなので感謝しています。人生の半分以上をももクロで過ごしているわけだから。
ももいろクローバーZ「祝典」特集
- ももいろクローバーZ「祝典」特集|百田夏菜子&高城れにが語るお互いの魅力、結婚観、多彩な新曲
ライブ情報
MOMOIRO CLOVER Z 6th ALBUM TOUR “祝典”
- 2022年5月1日(日)静岡県 裾野市民文化センター(~おいでよ50周年 裾野市~)
- 2022年5月7日(土)青森県 南部町立町民ホール 楽楽ホール(~来てけろ南部町~)
- 2022年5月8日(日)岩手県 奥州市文化会館 Zホール 大ホール
- 2022年5月12日(木)大阪府 フェスティバルホール
- 2022年5月13日(金)大阪府 フェスティバルホール
- 2022年5月15日(日)東京都 日本武道館
- 2022年5月21日(土)岡山県 津山文化センター(~きんちゃい津山市~)
- 2022年5月22日(日)愛媛県 今治市公会堂(~おいでや今治市~)
- 2022年5月28日(土)兵庫県 香住区中央公民館(~おいでーや香美町~)
- 2022年5月29日(日)大阪府 守口文化センター(エナジーホール)(~きてや 守口市~)
- 2022年6月1日(水)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
- 2022年6月2日(木)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
- 2022年6月11日(土)愛知県 西尾市文化会館(~いこまい西尾市~)
- 2022年6月17日(金)栃木県 佐野市文化会館 大ホール(~おいでよ佐野市~)
- 2022年6月19日(日)福岡県 福岡サンパレス
- 2022年6月20日(月)福岡県 福岡サンパレス
- 2022年6月25日(土)東京都 武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ
プロフィール
ももいろクローバーZ(モモイロクローバーゼット)
百田夏菜子、佐々木彩夏、玉井詩織、高城れにの4人からなるアイドルグループ。2008年にももいろクローバー名義で結成され、2010年5月にシングル「行くぜっ!怪盗少女」でメジャーデビューを果たした。2011年4月に早見あかりがグループを脱退したあと、グループ名をももいろクローバーZへ改名。2012年にグループ結成当初から目標としていた「NHK紅白歌合戦」に初出場し、2014年3月には女性グループとして初となる東京・国立競技場での単独ライブを成功させた。2016年2月に3rdアルバム「AMARANTHUS」、4thアルバム「白金の夜明け」を同時リリースし、同月より初のドームツアーを開催。2018年5月には結成10周年を記念した初の東京・東京ドーム公演を行ったほか、ベストアルバム「桃も十、番茶も出花」を発表した。結成11周年記念日である2019年5月17日に5thアルバム「MOMOIRO CLOVER Z」をリリース。その3年後の結成14周年記念日である2022年5月17日に6thアルバム「祝典」が発売された。