祝10周年!ももいろクローバーZ特集 第3回 |4人が歩んだ10年とその向こう側

5月17日に結成10周年を迎えたももいろクローバーZが5月22、23日に東京・東京ドームでワンマンライブ「ももいろクローバーZ 10th Anniversary The Diamond Four -in 桃響導夢-」を開催。また5月23日には初のベストアルバム「桃も十、番茶も出花」をリリースした。

音楽ナタリーでは、ももクロの結成10周年を記念した特集を全3回にわたって展開している。最終回ではメンバー4人へのインタビューを2回に分けて実施。最初の取材では10年間のそれぞれの変化、ベスト盤の収録曲などについて語ってもらった。そして東京ドーム公演2日目の終了直後に楽屋で行った2度目のインタビューでは、ライブを終えた感想と結成11年目以降の活動に対するビジョンを聞いた。東京ドーム公演後の彼女たちのリアルな声を、どこよりも早くお届けする。

題字 / 百田夏菜子 取材 / 近藤隼人、臼杵成晃 文 / 近藤隼人 撮影 / 草場雄介

5人から4人になって

──新体制になって約4カ月が経ちましたが、4人でのステージには慣れてきましたか?

佐々木彩夏 そうですね。でも歌にしてもダンスにしても、パフォーマンス面で変えなきゃいけないことがたくさんあって、今でも間違えないように意識して踊ってます。

──振り付けを新しく覚え直すのは大変でした?

佐々木 はい。1曲ずつ立ち位置から直さなきゃいけなかったし。

玉井詩織 振り付けをそのまま生かす場合でも、もともとメンバーが3対2に分かれてそれぞれ別の振りを踊っていたので、2人のほうに(有安)杏果がいた曲だと、3対1になっちゃうんですよ。そうなると2対2にしてバランスを取るために、1人は長年親しんだ振りを変えなきゃいけないんです。

ももいろクローバーZ

──2011年に早見あかりさんが脱退したときもフォーメーションや振りを変更したわけで、今回と同じような苦労をしたと思うのですが。

玉井 でもそのときと今では曲数が違うし、6人から5人の場合は踊りも3対3を3対2にすることが多かったので、振り付けを大幅に変える必要はなかったんです。

高城れに 奇数の5人になったときはセンターができたから、むしろバランスはよくなったんです。でも今回4人になって真ん中のポジションがなくなっちゃって。ステージに貼る立ち位置の数字も1、2とかじゃなく、0.75や2.25って細かく刻まなきゃいけないので、お互いの距離感をつかむのが難しいですね。

──フォーメーション的にセンターのポジションがなくなったことに対して、百田さんはどう感じているんですか?

百田夏菜子 5人のときは私がセンターのポジションの1対2対2という振りがすごく多かったので、4人になってから私は新しく振りをたくさん覚えなきゃいけなくて大変でしたね。ほかのメンバーならわかっている踊りの中のタイミングがわからないこともあって。

──歌割りとしては、有安さんの歌っていたパートを佐々木さんが多く引き継いだ印象です。

佐々木 私とれにちゃんが多いかな。

高城 私はもともとが少なかったから(笑)。

佐々木 れにちゃんは「怪盗」(「行くぜっ!怪盗少女」)で一気に増えたよね。バラード系の曲でも引き継いでるパートが多いし。私が引き継いだところは印象的なパートが多くて。

──中には歌うのが大変な難易度の高いパートもありますよね。

佐々木 「灰とダイヤモンド」の「砂にまかれても」のところですよね。確かに難しいですけど、ここからどんどん自分なりに成長していければいいかなと考えています。それはモノノフ(ももクロファンの呼称)さんもわかってくれていると思います。

ももクロ七不思議の1つ

──皆さんは結成10周年を迎えたことについて、「あっという間だった」「実感が湧かない」とテレビ番組などでおっしゃっていました。この10年の間に本当にさまざまなことを経験してきたと思いますが、活動初期と今を比べて変わったところ、変わっていないところをそれぞれほかのメンバーから聞かせてください。では、まずは百田さんについて。

高城 変わってないのはアホなところ。アホであっぱれなところ(笑)。

百田 自分もでしょ!

玉井 夏菜子は学力が成長してない(笑)。

高城 変わったのは、頼もしくなったところです。

──どう頼もしくなったんですか?

高城 例えば、ライブのMCで私がとんちんかんなことを言ってもちゃんとまとめてくれたり、最後の挨拶でちゃんと締めてくれたり。

玉井 普段話してるとアホなのに、ライブの挨拶での言葉のチョイスが絶妙で、「この言葉知ってたの!?」と思うこともあります。ももクロ七不思議の1つですね(笑)。「バカなのに、なんで最後の挨拶ではへんてこなことを言わないんだろう」って。

「頼もしくなった」と褒められる百田夏菜子(写真中央)。 「ライブの挨拶での言葉のチョイスが絶妙」な百田夏菜子(写真中央)。

──天賦の才能なんでしょうか?

百田 天賦……?

──生まれもった才能という意味です(笑)。

高城 変わってないのはこういうところです(笑)。

佐々木 昔は「今日は名言、出るかな? 出ないかな?」って不安だったんですけど、いつからか「絶対出る」という確信に変わりました。

高城 感極まって自分では言いたいことを10分の1しか伝えられなくても、最後にはリーダーがちゃんと伝えてくれるっていう安心感があります。

──百田さんとしては思っていることを素直に言葉にしているんですか?

百田 そうですね。私はほかのメンバーの言葉をひと通り聞いてからしゃべるので、みんなとは言うことが違ってくるのかもしれないです。

──ほかのメンバーの話を聞いていて、「言おうとしていたことを言われちゃった」と思うことはない?

百田 それはあまりないですね。前もって話すことを考えているわけではないので、「そうなんだ。そういうふうに思ってるんだ」ってお客さんと同じような気持ちで聞いてます。