音楽ナタリー Power Push - ももいろクローバーZ
ももクロの夏祭り「桃神祭」とはなんだったのか
鬼は自分自身
──去年の「桃神祭」は高城さんにとってどんなライブでしたか?
一昨年の夏は骨を折ったので(「ももいろクローバーZ 桃神祭2015 エコパスタジアム大会」のリハーサル中に転倒し、左手の橈骨遠位端を骨折。病院での診察の結果、全治4カ月の診断が下された)、レッスン期間は「とにかくケガをしませんように」と祈ってました。当日は、会場が地元の横浜だったので余計にテンションが上がってました。あと、新しいアルバム2枚は夏っぽいわちゃわちゃした感じじゃないから、どの曲が入ってくるのかなと思ったら、初日の1曲目からまさかの「Guns N' Diamond」で。
──クールに始まりましたね。
これまでの「バカ騒ぎ」や「桃神祭」はガンガン盛り上げる系が中心だったけど、去年はもっと幅広い一面を見せられたかなと思います。
──「鬼ヶ島」というサブタイトルで鬼をモチーフにした演出もありました。2日目最後のMCで高城さんは「鬼は周りの大人たち。鬼は自分をいい方向に導いてくれる存在」と総括していましたね。
今はちょっと考えていることが違うんですよ。鬼は自分自身かなと思います。それはなんでかと言うと、勝つも負けるも自分次第なんです。心の中の葛藤は自分が鬼となって打ち勝つものだという考え方に変わりました。
──なるほど。ものすごく立派な考え方ですね。
大人なので(笑)。思ってるだけで、できてないんですけどね。
バカやってただけじゃなかった
──では去年の「桃神祭」で一番印象に残っている場面は?
やっぱりお祭りの方とコラボする場面ですね。私は牛鬼とコラボするので、宇和島に挨拶に行ったんですよ。実際にその土地に足を運んだからこそ、牛鬼と共演する場面は忘れられないです。神様と自分のコラボみたいな。獅子舞みたいに顔を噛まれると縁起がいいと聞いたので、本番前に牛鬼に噛んでもらいました(笑)。
──そういえば、初日は鬼だけじゃなく雷様もいましたよね(ドリフターズの高木ブーが「ドリフ大爆笑」でおなじみの雷様となってゲスト出演した)。
あの雷様は家族です(笑)。苗字も同じタカギだし。ブーさんは「桃神祭」がきっかけでお世話になっていて、すごく優しくしてくれるんです。冬の「ももクリ」にも来てくださって。
──「桃神祭」では、雷様コントのあとにバラードの「桃色空」という流れがちょっと謎でした(笑)。
そうそう! しかもジャンボ有安が出てくるし(笑)。あれは夏だから許されるものですよ。そこが夏のいいところ。噴水の水がステージにこぼれてビシャビシャになっても、みんなパシャパシャして遊んだりして。あとで写真を見たとき、自分たちでも「楽しそうだな」って思いました(笑)。
──3年にわたって繰り広げられてきた「桃神祭」とは、つまるところなんだったのでしょうか。
神様の存在って普段はそんなに深く考えないし、お祭りの歴史や伝統について考える機会ってあまりないと思うんですよ。いろんなことを考えたし、日本人として充実した3年間だったなと思います。ライブはただ楽しんでたけど、バカやってただけじゃなかったんだなって(笑)。
24歳は勝負時
──そんな3年間を経て、今年の夏は再び「バカ騒ぎ」に戻るわけですが。
はい。私たちの夏のライブは「バカ騒ぎ」が出発点なので、初心に戻るような気持ちでやろうと思います。4年経って大人になった私たちの、大人のバカを見せてやりますよ! 4年前と同じことはできないし、私たちも成長しましたから。
──高城さんも大人になりました?
なりましたよ。色気が出ちゃって大変。
──「バカ騒ぎ」の頃には24歳になってますね。
私、24歳は勝負時だと思ってるんです。「25歳を機に体がガタッと崩れるよ。今まで普通にしていたことが、25を過ぎるとできなくなってくるから」って言われるので、24歳からしっかりケアしていれば大丈夫かなって。だから今年は健康オタクになる!
──今年何かやってみたいこと、挑戦してみたいことはありますか?
子供番組をやる機会があって、いろいろ考えさせられたんです。小さい子は未来を創っていく存在だから大事にしなくちゃいけないけど、高齢の方ががんばってきたからこそ今があるんですよ。ももクロも「子供祭り」はやってるけど、高齢者の方と関わる機会はなかなかなくて。ライブに来たくても来られない方がたくさんいるだろうし、もっと接する機会が欲しいなと思ってるんです。
──本当に大人になりましたよね。何かきっかけがあったんですか?
いい歳だからですよ(笑)。今年は本気の1年にしたいと思ってます。具体的に何かを充実させたいわけじゃなくて、気持ち的な問題で。充実した1年にします。
- ライブBlu-ray / DVD「桃神祭 2016 ~鬼ヶ島~」 / 2017年2月8日発売 / EVIL LINE RECORDS
- Blu-ray Disc 4枚組 / 12744円 / KIXM-265~8
- DVD 6枚組 / 10584円 / KIBM-628~33
収録内容(Blu-ray / DVD共通)
Day1
- Guns N' Diamond
- ゴリラパンチ
- マホロバケーション
- ワニとシャンプー
- 仮想ディストピア
- 希望の向こうへ
- 武陵桃源なかよし物語
- WE ARE BORN
- カントリーローズ -時の旅人-
- イマジネーション
- Chai Maxx
- 行くぜっ!怪盗少女
- JUMP!!!!!
- 桃色空
- デモンストレーション
- コノウタ
- Hanabi
- 愛を継ぐもの
- 黒い週末
<アンコール>
- ザ・ゴールデン・ヒストリー
- ニッポン笑顔百景
- 青春賦
- 走れ!-Z ver.-
- 灰とダイヤモンド
Day2
- マホロバケーション
- 勝手に君に
- 武陵桃源なかよし物語
- ワニとシャンプー
- DNA狂詩曲
- サボテンとリボン
- カントリーローズ -時の旅人-
- ゴリラパンチ
- WE ARE BORN
- イマジネーション
- 労働讃歌
- ROCK THE BOAT
- JUMP!!!!!
- モノクロデッサン
- デモンストレーション
- ココ☆ナツ
- Hanabi
- Guns N' Diamond
- サラバ、愛しき悲しみたちよ
<アンコール>
- ザ・ゴールデン・ヒストリー
- ニッポン笑顔百景
- 仏桑花
- 行くぜっ!怪盗少女
- キミノアト
特典映像
Blu-ray:桃神祭2016~鬼ヶ島~ 鬼が来るぞ!
DVD:桃神祭2016~鬼ヶ島~ 鬼が来たぞ!
ももいろクローバーZ ジャパンツアー「青春」第1弾
- 2017年4月22日(土)
- 滋賀県 ひこね市文化プラザ
- 2017年4月23日(日)
- 兵庫県 加古川市民会館
- 2017年4月29日(土・祝)
- 北海道 千歳市民文化センター
- 2017年5月3日(水・祝)
- 広島県 ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ
- 2017年5月4日(木・祝)
- 福岡県 アルモニーサンク 北九州ソレイユホール
- 2017年5月6日(土)
- 岡山県 岡山市民会館
- 2017年5月7日(日)
- 香川県 レクザムホール
- 2017年5月20日(土)
- 島根県 島根県民会館
- 2017年5月21日(日)
- 鳥取県 とりぎん文化会館
- 2017年5月27日(土)
- 新潟県 新潟テルサ
- 2017年5月28日(日)
- 石川県 金沢歌劇座
- 2017年6月3日(土)
- 大阪府 岸和田市立浪切ホール
- 2017年6月4日(日)
- 奈良県 なら100年会館
ももいろクローバーZ(モモイロクローバーゼット)
百田夏菜子、佐々木彩夏、玉井詩織、有安杏果、高城れにの5人からなるアイドルグループ。2008年に「週末ヒロイン」「今会えるアイドル」というキャッチフレーズを掲げ、ももいろクローバーとして結成。2009年7月に1stシングル「ももいろパンチ」をリリースし、2010年5月にはシングル「行くぜっ!怪盗少女」でメジャーデビューを果たした。 2011年4月に行われた東京・中野サンプラザホール公演を最後に、メンバーの早見あかりがグループを脱退。このライブ終了直後、ももいろクローバーZへと改名し、5人編成での活動をスタートさせた。2011年7月にももいろクローバーZ改名後初のシングル「Z伝説 ~終わりなき革命~」「D'の純情」を発表。2012年にはグループ結成当初から目標としていた「NHK紅白歌合戦」への初出場を果たした。2013年4月に2ndアルバム「5TH DIMENSION」をリリースし、2014年3月には女性グループとして初となる東京・国立競技場での単独ライブを成功させた。2015年1月、「ももいろクローバーZ vs KISS」名義でKissとのコラボシングル「夢の浮世に咲いてみな」を発表。また女優としての活動も行い、青春群像小説「幕が上がる」の映画版および舞台版では主演を務めた。2016年2月には3rdアルバム「AMARANTHUS」、4thアルバム「白金の夜明け」を同時リリースし、同月より初のドームツアーを開催。さらに8月には神奈川・日産スタジアムでワンマンライブ「桃神祭 2016 ~鬼ヶ島~」、12月には千葉・幕張メッセでクリスマス公演「ももいろクリスマス 2016 ~真冬のサンサンサマータイム~」、大晦日には神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールで年越しライブ「第二回 ゆく桃くる桃 ~年またぎ笑顔三昧~」を行った。2017年2月にはライブBlu-ray / DVD「桃神祭 2016 ~鬼ヶ島~」をリリース。4月に初の47都道府県ツアーをスタートさせる。