ナタリー PowerPush - ももいろクローバーZ
愛を届ける大航海へ ももクロ2012年の船出
ももいろクローバーZの2012年第1弾シングル「猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』」がリリースされた。この曲は宇宙をテーマにしたスケールの大きいラブソングで、ライブではすでに定番曲のひとつとして大きな盛り上がりを見せている。ナタリーではメンバー5人に今作の魅力を語ってもらうとともに、さらなる飛躍を目指す彼女たちに現在の心境を訊いた。
また今回の特集では、ももクロが着用している新衣装の原案ラフデザインを初公開。これはアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」「フリクリ」などのキャラクターデザインで知られるアニメーター貞本義行が手がけたものだ。さらに、「猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』」にギタリストとして参加しているマーティ・フリードマンへのメールインタビュー、シングル発売と前後して行われているライブツアー「モーレツ☆大航海ツアー2012」のフォトギャラリーも掲載している。
【目次】ももいろクローバーZ メンバーインタビュー | マーティ・フリードマン メールインタビュー | 貞本義行原案 ラフデッサン初公開 | フォトギャラリー
取材・文 / 臼杵成晃 撮影 / 中西求、笹森健一 企画 / 富樫奈緒子
ひとつひとつのライブをクリアすることで付いた自信
──ももクロが最初にナタリーに登場したのがシングル「ミライボウル」の発売時なので、今回でちょうど1年になります。まさに激動の1年だったと思うのですが、自分自身でこの1年の間に大きくスキルアップした部分、成長した部分はどういうところだと思いますか?
玉井詩織 なんだろう。個人個人の成長したところですか?
──グループ全体でも構いません。
百田夏菜子 あ! グループ全体で言うと、移動が新幹線になりました。
──それは成長というよりも、ただのグレードアップですね。
百田 あ、そうか(笑)。
有安杏果 うーん……自分じゃわかんないですよ、全然。
佐々木彩夏 トークは成長したかなあ?
高城れに あと体力がついた。
──自覚はあまりないですか? でも、去年のクリスマスライブ「ももいろクリスマス さいたまスーパーアリーナ大会」(2011年12月25日開催)では、あの大きな会場で堂々としたパフォーマンスを見せたわけですよね。その1年前の日本青年館公演では舞台裏でも本番中でもワンワン泣いていた人たちが、あれだけのステージ度胸を見せることができたというのは、確実に成長の証じゃないでしょうか。
佐々木 それはきっと、ひとつひとつのライブをクリアすることで付いた自信ですね。あかりん(早見あかり)が抜けて5人になったことで、みんなそれぞれ「しっかりしなきゃ」って意識も高まったと思う。前と比べたらライブの本数は少なくなったけど、その分1回1回のライブに対する気持ちも強くなってると思うし、その積み重ねが本番での強さにつながってるのかもしれません。
百田 この間「ももクロ試練の七番勝負 episode.2」というトークバトルイベントを7日間連続でやらせていただいたんですけど(参照:ナタリー - ももクロ、爆笑あり涙あり「試練の七番勝負」で完全勝利)、ちょうどその前に去年の「七番勝負」のDVDが発売されたんですよ。それを観てみると、完全に助っ人の山ちゃん(南海キャンディーズ山里亮太)に任せっきりな私たちがいて。前回は山ちゃんを挟んでゲストの方とお話してたような感じだったんですけど、今回は私たちのほうから進んで訊きたいことを質問したりできるようになりました。
玉井 うん。そういうところは気付かないうちに成長しているのかも。
追われる立場
──5人はずっと「天下を穫る!」という勢いでがんばってきて、今もなお変わらず大きな目標に向かってがむしゃらに走り続けている最中だとは思いますが、少し前とは違うところもあって。これまではひたすら前を走る人たちの背中を追い越すことを考えていればよかったけど、今では逆に追われる立場でもありますよね。
全員 ええーっ!!
高城 考えたこともなかった。
──でも、きっと1年前と比べても格段に忙しくなったでしょうし、露出も多くなった。雑誌の表紙を飾ったり、テレビに出演したりといった段階に突入していないグループから、憧れられたりライバル視されることはもちろんあると思うんです。
百田 言われてみれば確かにそうかもしれないけど……。
──皆さんと同じスターダストから、私立恵比寿中学が5月にメジャーデビューすることが先日発表されました。ナタリーでも特集を組んでメンバーにインタビューしましたけど、彼女たちも「ももクロちゃんを目指してがんばってきた」と話しています。それに「今年の目標は、アイドルのトップは『ももクロ with エビ中』って言われるようになること。来年には『with』から『and』にして行きたい」とももクロを例に挙げて目標を語ってくれました。
玉井 うおー、ヤバい!!
有安 びっくり!
百田 ウッソでしょ!?
──同じ事務所の中にすら、追ってくるライバルがいるんですよ。
佐々木 でも、私たちは変わらず突っ走っていくしかないよね。
百田 よく「ライバルはどのグループですか?」って訊かれるんですけど、私たちには誰がライバルとかあまりなくって。純粋にほかのアイドルさんのファンだったりするし(笑)。
玉井 でもちょっとうれしくない? 追われる立場って(笑)。今はAKB48さんがアイドル界で一番だし、私たちだって同じぐらい全国民に知られる存在になりたいって思うから。私たちがAKB48さんに対してそう思うように、エビ中ちゃんが私たちをそうやって見てくれてるんだったらうれしいよね。
──皆さんが現状をどのぐらい把握してるんだろうなと思ったら……全然自覚はなかったんですね(笑)。
玉井 すみません、ノー自覚でした(笑)。
有安 自分たちが追いかけてたことしかなかったから。ずっと底辺だし。
百田 そうなんですよ。マネージャーさんからはどこの現場に行っても「お前たちは一番下、底辺なんだからしっかりしろよ!」って言われるんです。
佐々木 もし上に行っても、さらに上がいると思うし、まだまだ満足できる立場じゃないです。
高城 とにかくもっと上を目指していきます。
初回限定盤CD収録曲
- 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」
- LOST CHILD
- 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」 (off vocal ver.)
- LOST CHILD (off vocal ver.)
初回限定盤DVD収録内容
- 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」MUSIC VIDEO
通常盤CD収録曲
- 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」
- LOST CHILD
- DNA狂詩曲(ラプソディ)
- 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」 (off vocal ver.)
- LOST CHILD (off vocal ver.)
- DNA狂詩曲(ラプソディ) (off vocal ver.)
ももいろクローバーZ
(ももいろくろーばーぜっと)
百田夏菜子、佐々木彩夏、玉井詩織、有安杏果、高城れにの5人からなるアイドルグループ。2008年に「ももいろクローバー」として結成。「週末ヒロイン」「いま、会えるアイドル」というキャッチフレーズのもと全国津々浦々でライブ活動を行い、2009年7月には1stシングル「ももいろパンチ」をリリース。2010年5月にはシングル「行くぜっ!怪盗少女」でメジャーデビューを果たした。
2011年4月に行われた中野サンプラザ公演を最後に、メンバーの早見あかりがグループを脱退。このライブ終了直後に「ももいろクローバーZ」へ改名し、5人編成での活動をスタートさせた。
2011年7月にはももいろクローバーZ改名後初のシングル「Z伝説 ~終わりなき革命~」「D'の純情」を発表。同年7月に発売された1stアルバム「バトル アンド ロマンス」は、全日本CDショップ店員組合が選出する「第4回CDショップ大賞」で大賞を受賞した。2012年3月7日にはメジャー通算7枚目となるニューシングル「猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』」をリリース。