ナタリー PowerPush - ももいろクローバー
アイドル戦国時代を駆ける全力少女 ももクロに今何が起きているのか!?
「アイドル戦国時代の天下統一」を目標に掲げ、めざましい活躍を続ける“週末ヒロイン”ももいろクローバー。アイドルの既成概念をも壊す勢いで走り続ける彼女たちに、今多くの注目が集まっている。
ナタリーではももクロの魅力をさまざまな角度から検証すべく、メンバー6人のインタビューを実施。さらに彼女たちの楽曲を手がける前山田健一とNARASAKI(COALTAR OF THE DEEPERS、特撮)からも話を訊いた。
インタビューはこちらから:ももいろクローバー | 前山田健一 | NARASAKI
取材・文/臼杵成晃・橋本尚平 インタビュー撮影/臼杵成晃
ももいろクローバー インタビュー
モッシュが起こるアイドル
──ももいろクローバーは、これまでにもいくつも型破りなイベントをやってきましたけど、昨日のHMV主催ライブ「HMV THE 2MAN ~みんな仲良くできるかな?編~『ももクロとかまってちゃん』」は飛び抜けて型破りでしたね。いつもと比べてどうでしたか?
百田夏菜子 ももクロと神聖かまってちゃんではファンの方もまったく違うと思うんですけど、「SHIBUYA-AXが満員だよ」って聞いたときは、私たち自身もどんな感じになるか想像も付かなくて。控え室のモニターにどんどんお客さんが入ってくる様子が映されてるのを見て「私たちを知らない人がいるからこそ、いつもどおり、ももクロらしさ全開でやろう!」ってみんなで話しました。
──ももクロTシャツを着ている人もいれば、ヘルメットをかぶっている人もいて。
玉井詩織 びっくりしました(笑)。
──いわゆる「モッシュ」「クラウドサーフ」と呼ばれる状態ですけど……お客さんがもみくちゃになって暴れているところはステージから見えましたか?
百田 見えました! ライブの前に「かまってちゃんのライブは盛り上がるとそういうことが起こる」って聞いてたので、「だったら私たちのライブでもそうなるぐらい盛り上げよう!」って話してたんですよ。
──結果、かなり序盤からモッシュ状態でしたよね。
佐々木彩夏 うん。盛り上がってるのがすごく伝わって、ね。
百田 ビックリってよりは「この一体感!」って感じでした。
──手応えはかなりあったのでは?
百田 ステージからお客さんの顔を見てたら、最初は「わかんないな」みたいな顔だった人も、曲が進むにつれてどんどんノッてくれて。最後は後ろのほうまでみんな手を上げてイェイイェイ! ってなってるのが見えて、ホッとしました。
──確かに一見意外な組み合わせですけど、ファンの熱気や思い入れの強さは、案外共通する部分があると思ってたんですよ。100%かまってちゃん目当てで来てた人も、あのパフォーマンスを見たら心奪われたんじゃないかと。かまってちゃんのメンバーとはお話ししましたか?
百田 楽屋で挨拶させていただいて、絡ませていただいたんですけど……。
──絡ませて(笑)。不思議な人たちだったでしょう。
百田 私たちも変なアイドルグループなんで(笑)、気が合うというか。めっちゃ面白かったですね。
みんなが国語や数学を勉強してるところで体育をやってる
──「アイドル戦国時代」と言われる今、いろんな種類のアイドルがいる中で、ももクロはどんな存在だと思いますか?
早見あかり ちょっと浮いてるよね。
有安杏果 アイドルっていう枠からちょっと外れてる。
高城れに 違うものが紛れ込んでる感じだよね。
早見 みんなが国語や数学を勉強してるところで体育をやってるみたいな。
──それは非常にわかりやすい例えですね!
早見 「アイドルの定義ってなんだろう?」って思うんですけど、ももクロをやってるとわからなくなるんです(笑)。ほかのアイドルさんたちと一緒にステージに立つと「ももクロってやっぱり異質だな」って思いますね。でもそれがすごく楽しい。
高城 最初は「かわいく踊って歌うアイドル」になりたかったんですけど、今となっては、こうやってがむしゃらに歌ったり、倒れそうな勢いで踊らないと、達成感が得られないと思う。
有安 ももクロだからできること、ってたくさんあるなって。
──今、急にほかのグループに入っても、物足りないかもしれないですね。
早見 今回のライブ(「ももクロとかまってちゃん」)もビックリしました。途中で私死ぬんじゃないかと思って(笑)。ホントに「倒れる!」と思いながら。人間、アドレナリンが出てるときってすごいなと。ライブ中は全然がんばれるんですよ。
──短い時間の中に曲を詰め込む、あのノンストップのスタイルは何がきっかけで生まれたんですか?
高城 「やっちゃおうよ」みたいな。
早見 「ももいろパンチ」(2009年8月にリリースされたインディーズ1stシングル)のときは、2曲やってMCを入れてもう1曲、ぐらいで「もうダメかも……」って感じでしたけど、今考えると「何甘ったれたこと言ってんだ」と(笑)。
高城 今や1回のステージで9曲、それを1日3公演とかやってますから。
早見 ノンストップでやるのは、最初連続5曲だったかな? やってみたら「案外イケんじゃね?」ってなって。今回の7曲+5曲は初めてだよね。
有安 今までの最高は5曲+3曲+3曲だったのかな? トータルはそんなに変わんないけど、7曲一気に行くのは初めてでした。
──しかも途中にバラードを挟むわけでもなく、もう走りっぱなしですからね。もはやアスリートの領域ですよ。でも、みんな初めは「こんなはずじゃなかった」って思ってたわけですもんね。
玉井 「ももいろパンチ」のPVを今観ると、この頃はまだ清純派の道を歩もうとしてたのかなーと思いますね。和をモチーフにしたアイドルというのは珍しかったかもしれないけど、でもあれはまだアイドルだった(笑)。
早見 徐々にズレてったよね(笑)。ズッ、ズッ、ズルッ、ズルーッ……って。どこで間違ったんだろう。
CD収録曲
- ミライボウル
TVアニメ「ドラゴンクライシス!」ED主題歌 - Chai Maxx
テレビ朝日「お願い!ランキング」3月度エンディングテーマソング - ミライボウル (Instrumental)
- Chai Maxx (Instrumental)
初回限定盤A DVD収録内容
- 「ミライボウル」PV
- FLASHアニメ「週末お届け!ももクロ便」Aタイプ
初回限定盤B DVD収録内容
- 「ミライボウル」PV
- FLASHアニメ「週末お届け!ももクロ便」Bタイプ
CD収録曲
- ミライボウル
TVアニメ「ドラゴンクライシス!」ED主題歌 - Chai Maxx
テレビ朝日「お願い!ランキング」3月度エンディングテーマソング - 全力少女
- ミライボウル (Instrumental)
- Chai Maxx (Instrumental)
- 全力少女 (Instrumental)
ももいろクローバー
スターダストプロモーションの次世代新人プロジェクトとして2008年に結成。数回のメンバーチェンジを経て、現在は高城れに、百田夏菜子、早見あかり、玉井詩織、佐々木彩夏、有安杏果の6人で活動している。「週末ヒロイン」「いま、会えるアイドル」というキャッチフレーズのもと全国津々浦々でライブ活動を行い、2009年7月には1stシングル「ももいろパンチ」をリリース。翌2010年5月にはシングル「行くぜっ!怪盗少女」でメジャーデビューを果たした。その後スターチャイルドレーベルに移籍し、2010年11月にシングル「ピンキージョーンズ」、2011年3月9日に最新シングル「ミライボウル」を発表。なお、早見あかりは2011年4月10日に行われる中野サンプラザ公演を最後にグループを脱退する。