ナタリー PowerPush - 水樹奈々
シンフォニックロックはこうして生まれた 水樹×上松スペシャル対談
シングル1枚がライブ1本の流れに
──そして3曲目の「ドラマティックラブ」は一転、非常にかわいらしい楽曲で。
上松 この流れで3曲目にこれを持ってくるあたりが水樹奈々ですよ(笑)。
水樹 「しっとりしたままでは終わらないよー! やっぱり笑顔で、元気出していこう!」みたいな(笑)。
上松 元気どころか、だいぶ振り切っとるなー!と思いました。
水樹 思いっきり振り切りたいと思ったんです。3曲目はどうしようかなってデモをいろいろ聴いていたときに、三嶋さんと2人で「これだ!」って。アイドル好きの三嶋さんはすごく反応していて(笑)。
──いや、本当に「アイドルソング」ですよね、これは。
水樹 このシングルだからやりたい!って。これだけ各ジャンルで振り切ったほうが、より楽しんでもらえると思ったんです。
上松 奈々ちゃんらしい1枚になりましたよね。シングル1枚がライブ1本の流れになってるんですよ。ライブ本編の「Vitalization」ですごいバトルを展開して、最後に「愛の星」でしっとり締めくくって、アンコールで「やっぱり私たちはこういうことよ」って明るく「ドラマティックラブ」を歌う(笑)。ライブ丸ごと味わったような気分になりますね。
──確かに。毎回毎回同じことを言いますけど、今回もまた濃い作品に仕上がっていて。さらに濃いもの、さらに濃いものと枚数重ねるごとに濃さのハードルが上がってますけど、きっと次のことは考えてないんでしょうね(笑)。
水樹 そうなんですよねー。いつもトップギア(笑)。
上松 いつも勝負してる感があるんですよ、奈々ちゃんと一緒に作るときは。どっちも負けないよ? みたいな。もう、どこまでも行きましょう。ハハハハ(笑)。
奈々ちゃんは自分だけじゃ見えないものを見せてくれる人
──では最後に、それぞれお互いに言っておきたいこと、望むことなどあれば。
上松 じゃあ僕から。絶対に変わらないでくださいね。遠慮なしにガーッと行く奈々ちゃんのスタイルを、いくつになっても変えずにいてほしいです。例えばもし……まかり間違って僕が総理大臣になったとしても(笑)、遠慮なく奈々ちゃんなりの意見をぶつけてほしいし、僕もいつまでも、それに全力で応える自分でいたいです。
水樹 ありがたきお言葉です……。
──過去最高に大変なレコーディングを終えた直後でもそう言えるんですね。
上松 マゾなんですかね(笑)。いや、これは自分のためなんですよ。奈々ちゃんは自分だけじゃ見えないものを見せてくれる人だから。自分が知らないものを知りたいという気持ちもあって、それを望むんです。
──では水樹さんのほうからも。
水樹 そうですね……40歳ぐらいになったら、ちゃんと素敵な女性を見つけて結婚してほしいです(笑)。それがもう心配! これだけ多忙を極めていると、なかなか息抜きの場所がないだろうなと思って。
上松 妹に何を吹き込まれてるんですか!(笑)
水樹 体が心配なんですよ。徹夜だって多いだろうし、ゲームやアニメで息抜きするのもいいけど、やっぱり大切なパートナーさんに癒してもらってね(笑)。幸せな生活を送っていただきたい!
上松 痛いほど身に沁みます……。
収録曲
- Vitalization
[作詞:水樹奈々 / 作曲:上松範康(Elements Garden)/ 編曲:上松範康 菊田大介(Elements Garden)]
テレビアニメ「戦姫絶唱シンフォギアG」オープニングテーマ - 愛の星
[作詞:水樹奈々・吉木絵里子 / 作曲:吉木絵里子 / 編曲:藤間仁(Elements Garden)]
劇場上映版「宇宙戦艦ヤマト2199」第七章エンディング主題歌 - ドラマティックラブ
[作詞:SAYURI / 作曲:KOUTAPAI / 編曲:齋藤真也]
水樹奈々(みずきなな)
愛媛県出身の声優アーティスト。1997年に声優としてデビューし、「魔法少女リリカルなのは」「ハートキャッチプリキュア!」「NARUTO -ナルト-」といったアニメ作品で人気を集める。2000年にはシングル「想い」で歌手デビュー。2009年6月にリリースされたアルバム「ULTIMATE DIAMOND」で、声優アーティストとして初のオリコン週間ランキング1位を獲得した。同年12月には「NHK紅白歌合戦」に初出場。2011年12月には声優アーティスト初の東京ドームコンサートを2日間にわたって開催し、大成功に収めた。2012年12月に通算9枚目のオリジナルアルバム「ROCKBOUND NEIGHBORS」を発表。同年末には4年連続となる「NHK紅白歌合戦」への出場を果たした。2013年7月31日には通算29枚目となるニューシングル「Vitalization」をリリース。
上松範康(あげまつのりやす)
音楽事務所「アリア・エンターテインメント」および音楽制作ブランド「Elements Garden」代表・プロデューサー。水樹奈々、宮野真守ら声優アーティストを中心に数多くの楽曲を提供し、アニメやゲームのサウンドトラックでも手腕を振るう。2009年1月には水樹奈々のシングル「深愛」でオリコン週間ランキング2位を獲得。水樹の「NHK紅白歌合戦」出場に大きく貢献した。2013年7月31日にリリースされる水樹の最新シングル「Vitalization」では作曲を担当している。