音楽ナタリー Power Push - MIYAVI
気鋭クリエイターと作り上げた新たなビジョン
ファンタジスタ歌磨呂 インタビュー
今の僕とMIYAVIの感覚でしかできないこと
──歌磨呂さんがMIYAVIさんと一緒に仕事をするのは、今回が初めてのことではないんですよね?
去年の夏に初めて映像の仕事でご一緒をさせていただきました。MIYAVIはロサンゼルス、僕はニューヨークに住んでいることもあって、MIYAVIの家まで遊びに行ったりしたんです。そのとき「また何か一緒にやりたいね」って話をしていて。今回はそれが叶った形ですね。
──実際に会う以前、アーティストとしてのMIYAVIさんにどういった印象を持っていましたか?
“別の次元にいる”っていうか……いわゆるJ-POPのアーティストとはちょっと違う印象がありました。アメリカで活動している点で僕と共通していたので、勝手にシンパシーを感じていて、実際に会ってみたらすごく柔らかい人間性でした。僕もそうなんですけど(笑)。フィーリングが合うと感じているし、本当に長い付き合いにしたいと思っています。
──アメリカでの創作活動はいかがですか?
ニューヨークへ行って2年ぐらい経って、痛感したことがあって。僕、“自分が堂々と世界に対してガツンといえるもの”ということで、マンガやアニメをフィーチャーした作品を作っているんですね。とにかく自分の作品を客観視しながら制作に取り組んでいて。でもアメリカにはアメリカの文脈や文化があるからか、何度も何度も手直ししながら「これはイケる」っていう作品を作っても、それほど理解されなかったりして。
──そうだったんですね。
そういうことが重なって、自分の中で「これは絶対だろう」と考えていたものが崩れたんですね。今は「どこがアメリカの人の感性とリンクするかな?」という視点で物を見るようになりました。それできっとMIYAVIもアメリカでいろんなことを感じてるんだろうなと思っていて。だから、今の僕とMIYAVIの感覚でしかできないことって、あると思うんです。そういう部分で化学変化を起こせたらすごくいい。僕的には、今回のティザー映像とかでそれがすごくできていると思う。
──ティザー映像を作るにあたって、最初に具体的なイメージは持っていましたか?
MIYAVIからは“ネオ東京”というか、アニメの「AKIRA」のような近未来的なイメージを伝えられました。SFでいうサイバーパンクみたいな世界観……なんだけど、それからちょっとアップデートさせたような感じ。「知ってるんだけど、あれ、ちょっと違うな」みたいな雰囲気を作れるようにトライしていきました。
──そういった雰囲気は、具体的にはどのように作っていくものなのですか?
アニメーションの色味だったり、質感だったりを調整していきました。ネオンっぽい質感を出したりして。イラストは全部手描きなんだけど、いろんなスタイルを混ぜたりしているから、「あれ、これどうやって作っているんだろう?」みたいな感じが出せたと思います。
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- デジタル両A面シングル「Afraid To Be Cool / Raise Me Up」 / 2016年4月26日発売 / Virgin Music
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収録曲
- Afraid To Be Cool
- Raise Me Up
- Afraid To Be Cool(Seiho Remix)
- Raise Me Up(Jonny Dope Remix)
- MIYAVI Japan Tour 2016 "NEW BEAT, NEW FUTURE"
- 2016年9月19日(月・祝)北海道 札幌PENNY LANE24
- 2016年9月21日(水)宮城県 Rensa
- 2016年9月22日(木・祝)石川県 金沢EIGHT HALL
- 2016年9月24日(土)愛媛県 WStudioRED
- 2016年9月25日(日)広島県 広島CLUB QUATTRO
- 2016年9月27日(火)熊本県 熊本B.9 V1
- 2016年9月29日(木)福岡県 DRUM LOGOS
- 2016年10月1日(土)大阪府 なんばHatch
- 2016年10月2日(日)愛知県 DIAMOND HALL
- 2016年10月10日(月・祝)千葉県 幕張メッセイベントホール
MIYAVI(ミヤヴィ)
1981年大阪府出身のソロアーティスト / ギタリスト。ピックを使わず指でエレクトリックギターを弾く、独自のスラップ奏法で注目を集めている。2010年10月リリースのアルバム「WHAT'S MY NAME?」では、ギターとドラムのみの編成でオリジナルのサウンドを確立。2012年11月にさまざまなジャンルの“サムライアーティスト”とのコラボレーションアルバム「SAMURAI SESSIONS vol.1」を発表し話題を呼んだ。ほかにも布袋寅泰、野宮真貴、Good Charlotteらの作品への参加など精力的な活動を続け、2013年6月には自身の名を冠した海外デビューアルバム「MIYAVI」をリリース。さらに2014年にはSMAPのシングル「Top Of The World」を作曲し話題を集めた。また同年の12月には俳優として出演したアンジェリーナ・ジョリー監督によるハリウッド映画「UNBROKEN」が全米で公開された。2015年4月にDrew & Shannonをプロデューサーに据えロサンゼルス、ナッシュビルにて制作されたフルアルバム「The Others」を発表。2016年4月には前作から約1年ぶりとなる音源「Afraid To Be Cool / Raise Me Up」を両A面シングルとして配信でリリースした。
ファンタジスタ歌磨呂(ファンタジスタウタマロ)
1979年生まれ。イラストレーション、テキスタイルデザイン、グラフィックデザイン、アニメーションなど多彩なフィールドで活躍するクリエイター。持ち前のポップでカラフルな世界観で日本のみならず海外でも注目を集めている。フリーランスで活動したのち2012年7月に株式会社コトブキサンを設立。近年は、ゆず、livetune、でんぱ組.inc、LM.C、東京カランコロン、AMIAYAなど、さまざまなアーティストのCDジャケットやミュージックビデオのアートディレクションを手がけている。