ナタリー PowerPush - 雅-MIYAVI-×BOBO×笑い飯

異種格闘技座談会

長ズボンだと翌日までに乾かない

──PVの撮影はどうでした?

雅-MIYAVI- とにかくすごい雪だったからね。ウチのスタッフから、笑い飯さんのマネージャーさんには「日付が変わらないうちに撮り終えます」って言ってたんだけど、そもそも西田さんが現場に来た時点で深夜1時(笑)。

西田 車で移動してたんだけど、1時間に100mくらいしか進まなかったんですよ。

雅-MIYAVI- 6時間くらい待機してもらって。しかも着いてからはTシャツ、ブリーフ、裸足ですからね。

西田 寒かったです。

BOBO

BOBO 俺も寒かった。

西田 いやいや、BOBOさんがあんな格好でドラムを叩いてるのがいけないんじゃないですか! なんであんな格好してはるんですか?

BOBO 毎日のようにライブがあるから、長ズボンだと翌日までに乾かないんだよね。

哲夫 汗ですか?

BOBO そう。海パンだったら、すぐ乾くから。

西田 そういう場合、普通はズボンを何枚か用意すると思うんですけど。

雅-MIYAVI- 海パン1枚で、かれこれ3年やってますからね(笑)。だんだん黒だった部分がセピア色に変わってきてる。

──(笑)。西田さんの熱演もあり、すごく派手なPVに仕上がってますよね。

雅-MIYAVI- そうですね。”ネオトーキョー”っていうイメージにしたくて、バイクのパフォーマーとか、「歌麿会」っていうデコトラのチームにも参加してもらったんですけど、雪だったり、地面が濡れてる感じだったり、吐く息が白いことも含めて、すごく必然的なものだったと思います。楽曲のテーマが“光の先へ”で、夜から朝に向かっていくイメージだったから、朝までに全部撮り切らなくちゃいけなかった。でもあきらめず監督やスタッフ、出演してくれた人たちもすごい熱量で臨んでくれたし。実際あの撮影をやり遂げたこと自体すごく意味があったんじゃないかなって。西田さんも1曲丸ごとドラムを叩いてくれて。

左から西田幸治、BOBO

BOBO ちょっとしか映ってないから、もったいなかったよね。でも、現場は大爆笑でした。

雅-MIYAVI- 参加してくれた人たちにも大人気だったし。何をやっても、いちいち面白いんだよね。やっぱりプロだなって。

西田 ドラムはむちゃくちゃですけどね。叩いてるフリをしてるだけなんですけど、ドラムのことなんかまったく知らないし、どうしたらいいかわからなくて。めっちゃしんどいのに、雅-MIYAVI-さんが横に来て「もっともっと!」って言うもんだから……。

漫才とセッションしてみたい

──西田さんは楽器に興味を持ったことはないんですか?

西田 若いときに「ギター弾けたらカッコええやろうな」って思った時期はありましたけどね。

左からBOBO、雅-MIYAVI-

雅-MIYAVI- メタルっぽいですよね、雰囲気が。ちなみにどうして髪を伸ばしてるんですか?

西田 いや、ホンマにメタル系が好きやったんですよ(笑)。イングヴェイ・マルムスティーンのバンドスコアを買ってきて弾いてみようと思ったことがあるんですけど、1ミリも弾けなくて。男の子はみんなあるんじゃないですかね、そういうこと。

BOBO にっしゃん(西田)とは年齢が一緒だから、聴いてた音楽も近いかも。お互いにいつまでも長髪を貫いてるし(笑)。

──長髪の芸人さんも少ないですよね。

西田 そうですね。ハイキングウォーキングのQ太郎くらいかな。

雅-MIYAVI- あ、「かしこかしこまりましたー」の人?

哲夫 そうです。けっこうコアなこと知ってますねえ。Q太郎やったら、「かしこまりました」よりも「卑弥呼様!」じゃないですか?(笑)

──(笑)。ちなみに哲夫さんは音楽に興味は?

哲夫

哲夫 めちゃくちゃ好きなんですよ。ロックも好きですし、メタル系、ポップス、ジャズ、なんならクラシックも聴くので。

雅-MIYAVI- え、そうなんですか?

哲夫 オカンのレコードが家にたくさんあったんですよね。レコードをかけて「うわ、針が飛んだ!」とかって遊んでただけなんですけど、その中にショパンとかもあって。別にええ家ってわけじゃないんですけど。

西田 そんな話、初めて聞いたわ。この前、「最初に好きになった歌はかぐや姫さんの『うちのお父さん』です」って言ってたのに。

──ミュージシャンの道に進みそうな環境ですよね。

哲夫 いやいや、そんなことないですよ。シコシコばっかりしてたんで。

BOBO それはミュージシャンも同じですね(笑)。

哲夫 でもね、お笑いって音楽にインスパイアされてるところもあると思うんですよ。しゃべりってリズムが大事やし、心地いいしゃべり方をしたいなと思うんで。あと、子供の頃からずっと作曲をやってみたかったんですよね。曲が作れたらカッコええやろうなって。

雅-MIYAVI- ぜひ! 漫才とセッションしてみたいですね。

──新しいですね!

雅-MIYAVI- 新しいかどうかはわからないけど(笑)、これまでもいろんなジャンルの人たちのセッションしてきたからね。ピアニスト、ラッパー、DJ、あとは和太鼓や三味線の人とか。漫才も時間芸術だし、テンポやリズムが大事じゃないですか。そこに音楽を乗せたらどうなるんだろう?っていう興味はありますね。ツッコミに合わせてキメのフレーズを入れたり(笑)。

西田 落語家さんとか、しゃべってる途中に音を入れたりしますからね。漫才とも合わないことはないと思いますわ。

雅-MIYAVI- あとはその場でアドリブしたり……。漫才にもアドリブってありますよね?

西田 ありますね。ネタを作る段階から「とりあえずしゃべってみるか」っていう感じなんで。

雅-MIYAVI- 俺らもジャムりながら、いらないところを削ったり、新しいフレーズを足したりしながら曲を作ってるんですよ。

西田 あ、ちょっと似てますね。いらんところを削った結果、ぜんぜん面白くなくなったり(笑)。「おかしいな。さっき、どうやってた?」っていう。

雅-MIYAVI- それは俺らもあります(笑)。

雅-MIYAVI- ニューシングル「Ahead Of The Light」 / 2013年2月20日発売 / EMI Music Japan
「Ahead Of The Light」
初回限定盤 [CD+DVD] / 2100円 / TOCT-40465
通常盤 [CD+DVD] / 120円 / TOCT-40466
CD収録曲
  1. Ahead Of The Light
  2. Ahead Of The Light(Instrumental)
初回限定盤 DVD収録内容
  1. GANRYU
  2. STRONG
  3. DAY 1
  4. SILENT ANGER
  5. PLEASURE!(w/H ZETT M)
  6. HA NA BI(w/JIN OKI)
  7. 祈りを(w/SEIJI KAMEDA & MIU SAKAMOTO)
通常盤 DVD収録内容
  • Ahead Of The Light(Music Video)
雅-MIYAVI- (みやう゛ぃ)

1981年大阪府出身のソロアーティスト / ギタリスト。エレクトリックギターをピックを使わずにすべて指で弾くという、独自のスラップ奏法でギタリストとして世界中から注目を集めている。これまでに北米、南米、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアなど約30カ国で200公演以上のライブを行い、3度のワールドツアーを成功させている。2010年10月リリースの最新アルバム「WHAT'S MY NAME?」では、ギターとドラムのみの編成でロック、ファンク、ヒップホップ、ダンスなどジャンルを超越したオリジナルなサウンドを確立。2012年11月にさまざまなジャンルの“サムライアーティスト”とのコラボレーションアルバム「SAMURAI SESSIONS vol.1」を発表した。アーティストやクリエイターからも高い評価を受けており、UNIQLO、東芝、日産自動車、ロッテ、大塚製薬のCMへの楽曲提供や、布袋寅泰、野宮真貴、GOOD CHARLOTTEらの作品への参加など、精力的な活動を続けている。

BOBO (ぼぼ)

1974年生まれのドラマー。1997年に54-71に加入し、同バンドで活躍。現在は雅-MIYAVI-、くるり、フジファブリックらのサポートを務める。コンパクトなドラムセットと、競泳用水着とTシャツという出で立ちでパフォーマンスを行っている。

笑い飯 (わらいめし)

西田幸治と哲夫の2人からなる漫才コンビ。2000年に結成され、ボケとツッコミが入れ替わる独自のスタイルの漫才で注目を集める。2010年に「M-1グランプリ」でグランプリを獲り、一般層にもその名を広めた。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。