海外ではショー要素を打ち出す

──最近のMix Speaker's,Inc.はライブのノリが少し変化しつつありますよね。作り込まれたコンセプトを表現するのはもちろんですが、ライブでYUKIさんが感情を前面に押し出していることもあって、ライブ感というところでは昔よりも生っぽくなっているというか。

YUKI　ですね。でもそこは海外ではまだ出せなかったというか。やっぱり言葉が通じないという壁もあるので、MCや生っぽい言葉でぶつかっていくというスタイルは、日本ならではものなのかなって思ったんです。それよりも海外ではMix Speaker's,Inc.の武器としているショー要素の高い作り込んだライブを見せてあげたほうがいいのかなって思ったんですよね。それもあって、今回のアメリカライブはよりコンセプチュアルで作り込んだライブを見せた感じでしたね。

MIKI（Vo）　俺はそんな中でも、なるべくいつもと変わらないライブをしようと思ってましたね。あんまり構えないで、いつもの調子でやったほうがいいのかなって思って。まあ、自分のクールなキャラ的にもそんなに変える必要がないところでもあると思うんだけど、いつもと変わらずみんなが見たいと思うMix Speaker's,Inc.を見せてあげられたんじゃないかなって思ってます。

seek　でも今回のライブでいろんな反省点も出てきましたね。僕たちも海外であることを意識して、アメリカ用のセットリストを考えて行ったけど、もっと別の見せ方もあるんじゃないかとか、もっと違うのせ方があるんじゃないかとか、もっと冒険できることがあるのかもしれないなって。前向きな反省点が出てきましたね。

YUKI　俺は去年との違いも感じましたしね。去年よりはちゃんとMix Speaker's,Inc.を知って来てくれてるなって感じたりもしたんですよ。コスプレももちろんそうなんですけど、振り付けもしてくれてて。多分YouTubeで観て覚えて来てくれたんじゃないかな。結構みんな一緒に踊ってくれたりもしたし。Mix Speaker's,Inc.というバンドを楽しんでくれてるのがわかったというか。だからもっともっと楽しませてあげられたらいいなって思いましたね。もっとできるんじゃないかっていう欲も出てきたし。

AYA　あと絶対に日本ではやらないなっていうスタイルだったのは、アンコールを「ONESTAR」にしたところかな。日本だったら激しい曲で盛り上げて終わるか、歌モノで聴かせて終わるかのどっちかを選んでるんやけど、踊ってライブが終わるってのは新しいなと思いましたね。

S　「ONESTAR」は、全員楽器を持たずに6人全員でダンスして歌う楽曲ですからね（笑）。今回のアルバムにも入ってる曲ですけど、全員でパフォーマンスできるのはMix Speaker's,Inc.の最大の武器でもあるんで、そこで終われたのも良かったのかなと。ただ日本じゃやんないですけどね（笑）。

──いや。でも逆にアンコール感があっていいんじゃない？

AYA　確かに。案外良かったんですよ、これが。すごく盛り上がってたし、日本に逆輸入しようかなって思ってたりもするんですよね。

5年かけてやっと作れるようになった

──ツアーが始まるとアルバムの曲も新たな手応えが得られると思いますが、ひとまず「星降る遊園地」をリリースして自分たちとして何か感じたことはありますか？

MIKI　Mix Speaker's,Inc.っていうバンドが集約された1枚になったんじゃないかなって。僕らがどういうバンドかっていうのを提示するために、わかりやすくMix Speaker's,Inc.らしさを詰め込んだ1枚目のアルバムとはまた違って、5年やってきた今だからこそ見せられるMix Speaker's,Inc.を提示できた作品になったと思う。

seek　確かにそれは感じますね。5年かけてやっとこれが作れるようになったんだなって。僕らはヴィジュアル系にカテゴライズされているんですけど、そこのシーンに属さないスタイルで活動してきてるんで、常にライバルは自分たちやったんですよね。

AYA　そう。はやり廃りが関係ない分、それが長所でもあり短所でもあり。そこをどう見せて闘うかっていう。