ナタリー PowerPush - miwa
やりたいことを詰め込んだ 2ndアルバム「guitarium」
アーティストとしてカッコつけなくてもいいのかな
──直感で選ばれた曲たちということですが、前作から1年間を経ての変化が本作には確実に表れているような気がします。アルバムの全体像についてご自身ではどんな印象を持ってますか?
前回は10代に書いた曲もたくさんあったし、学校の風景を歌った曲とか、学生ならではの夢や不安を入れた曲が多かったと思うんです。でも今回は20代になって感じることを歌えたような気がしますね。実際はまだ学生ですけど、学校という場所にとらわれずに今感じていることを素直に入れることができたなって。そういう部分で、少し成長した姿が見せられたらいいなっていう思いはありました。
──今の自分を切り取って表現することがmiwaさんにとっては重要なのかもしれないですね。
そうですね。今しかできないことは今やっといたほうがいいんじゃないかなって。歳を重ねていっても、そのときの自分が自然に出てきたらいいなって思いますし。
──前作と比べると、歌詞がよりストレートな言葉で綴られるようにもなりましたね。
私もそう思います。特に「片想い」という曲からなんですけど、例えをあまり使わないとか、言葉を飾らないとか、そういうことに挑戦するようになりました。今までは「好き」とか「愛してる」ってストレートに書くのも恥ずかしかったし、ちょっと自分の曲としては違うかもなって思ってたところもあったんです。でも、そこを逃げずにやってみようと思って。「またね」の歌詞も、情景描写がよりリアルになってますしね。あまり説明しすぎるのは好きじゃないんですけど、もうちょっと具体的に書いてもいいのかもなって、少し踏み出せたというか。
──そういう変化の理由は?
それはきっと「アーティストとしてカッコつけなくてもいいのかな」って思えるようになったからだと思います。
──今まではカッコつけていたところもあった?
はい。例えばギターを弾いて歌うっていうことをしっかり見せたい、そういうふうに認識されたい、って思っていたんですよ。miwaとしてどう見られたいかをまず考えていたというか。でも2年間活動してきて、そこからだいぶ自由になったんです。
──miwaというアーティストが認知されてきたという実感もあったでしょうし。
そうそう。ギターを弾いて歌う姿を直接届けられる実践の場をたくさんいただけたので、それがひとつの自信にもなったし、それによってある程度miwaという人を知ってもらうことができたから、じゃ今度はもっと違うことをやってもいいのかなって思えるようになったんですよね。もっとエレキギターを使った曲を書いてもいいのかなとか、そういう挑戦が自由にできるようになってきたんです。
──「片想い」では、ギターではなくピアノを弾いてましたしね。そういう気持ちの自由さは、ギターを持たずにナチュラルな姿で写っている本作のジャケット写真からも感じられました。
うん。ギターにすらとらわれていない、みたいなことですよね。自分でもそこは本当に大きいと思っていて。もちろんライブではギターは弾くわけだし、これからもパートナーであることは変わらないんだけど、そこにしがみつかない、そこが全てではないなって思えたから。レコーディングで絶対ギターを弾かなきゃいけないっていう決まりがあるわけじゃないので、今回は「いくつになっても」や「またね」でもギターを弾いてないんです。アイコンとしてギターを持っていたけど、それを持たなくなっても不安じゃなくなったから。そういう変化は歌にも表れてると思うんですよ。曲ごとにテンションを変えて、違った歌い方をしてもちゃんと受け止めてもらえる自信がついたから、どんなことにも挑戦できてほんとに楽しいんですよね。
CD収録曲
- いくつになっても
- 441
- ふたりのサタディ
- 片想い
- again×again
- Jexxxa(ジェシカ)
- またね
- コットンの季節
- Chasing hearts
- メリーゴーランド
- クレアデルネ
- Take@chance
- FRiDAY-MA-MAGiC
- 始まりは終わりじゃない
DVD収録内容
- Chasing hearts
- FRiDAY-MA-MAGiC
- Dear days
- オトシモノ~リトルガール~chAngE~春になったら
- 始まりは終わりじゃない
- ふたりのサタディ
miwa(みわ)
1990年生まれ、東京都出身の女性シンガーソングライター。高校時代から音楽活動を開始し、下北沢、渋谷を中心に弾き語りライブを開始。高校卒業目前に、デビューに向けて本格的な楽曲制作に入る。2010年3月にシングル「don't cry anymore」でメジャーデビュー。伸びやかで透明感のある歌声と、等身大の歌詞で注目を集める。2011年2月にリリースしたシングル「春になったら」はNTTドコモのキャンペーンソングに起用され、スマッシュヒットを記録した。同年4月には1stフルアルバム「guitarissimo」をリリース。6月よりスタートした全国ツアーは全7公演のチケットがソールドアウトした。その後も大学生活と並行しながら音楽活動を継続しており、2012年3月に2枚目のフルアルバム「guitarium」を発表。