ナタリー PowerPush - miwa
やりたいことを詰め込んだ 2ndアルバム「guitarium」
デビューから丸2年を迎えたmiwaが、アーティストとしてのさらなる飛躍を感じさせる2ndアルバム「guitarium」をリリースする。さまざまな魚が泳ぐ水族館(=アクアリウム)から連想して名付けられたというアルバムタイトルが示すとおり、そこには彼女の幅広い魅力を感じさせるカラフルな楽曲たちが詰まっている。
ナタリー初登場となる今回は、アルバムの話題はもちろん、これまでの活動の中で手にしてきた成長や大きな変化など、彼女のアーティスト性にグッと迫った話を訊かせてもらった。
取材・文 / もりひでゆき
もっと私のことを伝えたい
──昨年の4月にリリースした1stアルバム「guitarissimo」がオリコンウィークリーチャート1位を獲得したことで、ご自身の中で何か気持ちの変化は起こりましたか?
全然予期せぬことだったのでビックリしたというのが一番大きかったんですけど、それだけ私の曲を聴きたいと思ってくれる人がいるのはほんとにありがたいことだなって思いました。と同時に、まだまだ私のことを知らない人がいっぱいいるから、音源やライブでもっと私のことを伝えたいなって思うようにもなって。そういう気持ちが大きくなってきたことが変化と言えば変化だったかもしれないですね。
──その気持ちを具体的に示すように、昨年はコンスタントに音源をリリースしながら、本当にたくさんのライブを行っていましたね。
はい。アルバムを出した後に全国ツアーを回って、夏は夏フェス、秋は大学の学園祭、11月からは弾き語りツアーと、年間通してずっとライブをやらせてもらえて。実践での経験がたくさんできた年になりました。
──新たなファンとの出会いもたくさんあったでしょうし、アーティストとしても大きく成長できたのでは?
成長っていう部分は自分ではわからないんですよ。デビューしてからずっとコンスタントに活動を続けているから、 それを実感する瞬間がないっていうか。でも、12月24日のクリスマスイブに初めてZepp Tokyoでやったワンマンライブを観てくれた関係者の方たちからは「すごく成長したね」って言ってもらえて。やっぱりちゃんと成果はあったんだなって思いましたね。
──ライブでの経験は曲作りにも影響するものですか?
そうですね。夏以降はほぼ毎週末ライブをやっていたので、ずっと頭がライブモードになっていたんですよ。だから割と明るいアップテンポの曲が自然と出てきました。で、弾き語りツアーが終わってからはバラードや、アコギを使ったシンプルな曲を書くようになったり。かなりライブに影響されてたなとは思います。
気分に合わせていろいろな曲を聴いてもらえるアルバム
──そんな中、2ndアルバムの制作に入ったのはいつ頃ですか?
去年は1年間通して曲作りをしてたんですけど、アルバムというものを意識し始めたのは秋ぐらいでしたね。どの曲を入れるか、何曲入れるかっていうところから考え始めて。ただ、その間にも曲作りをしていたので、全体の収録曲が決まったのはギリギリだったんですけど(笑)。
──選曲の基準は?
基準は……これ入れたいなっていう直感ですね(笑)。もちろんバランス的なことは考えましたけど、ジャンル問わずやりたいことをやって、それを入れようっていう気持ちでした。前回のアルバムでも結構いろんな曲調を詰め込んだんですけど、それぞれの曲に対してちゃんと好きって言ってくれる人がいたので、自分がやりたいものをやる方向でいいんだなって気付けたんですよ。だから、気分に合わせていろいろな曲を聴いてもらえるような、1枚通して飽きないアルバムになればなって。
──やってみたいことはどんどんあふれてくるんですか?
そうですね。やってみたいことっていうのは常に出てきますね。で、私に合うかどうかはあんまり考えないでとにかくやってみて、最終的に「miwa流になったな」って実感するんですけど。とりあえず作ってみるっていうことが大事ですね。
──作ってみたけどボツになることもあります?
ありますあります。ふざけすぎて怒られたりとか(笑)。プロデューサーさんは「いいね」ってノってきてくれて一緒に作ったんですけど、ディレクターさんにダメって言われて。説教されるみたいな(笑)。
──どんな曲だったかが気になりますね。
ギター星人の歌を作ったんです(笑)。見事にボツになりました。
──アハハハ(笑)。まだ時期が早かったのかもしれないですね。
そうかも。3枚目のアルバムだったらOKだったのかな(笑)。
CD収録曲
- いくつになっても
- 441
- ふたりのサタディ
- 片想い
- again×again
- Jexxxa(ジェシカ)
- またね
- コットンの季節
- Chasing hearts
- メリーゴーランド
- クレアデルネ
- Take@chance
- FRiDAY-MA-MAGiC
- 始まりは終わりじゃない
DVD収録内容
- Chasing hearts
- FRiDAY-MA-MAGiC
- Dear days
- オトシモノ~リトルガール~chAngE~春になったら
- 始まりは終わりじゃない
- ふたりのサタディ
miwa(みわ)
1990年生まれ、東京都出身の女性シンガーソングライター。高校時代から音楽活動を開始し、下北沢、渋谷を中心に弾き語りライブを開始。高校卒業目前に、デビューに向けて本格的な楽曲制作に入る。2010年3月にシングル「don't cry anymore」でメジャーデビュー。伸びやかで透明感のある歌声と、等身大の歌詞で注目を集める。2011年2月にリリースしたシングル「春になったら」はNTTドコモのキャンペーンソングに起用され、スマッシュヒットを記録した。同年4月には1stフルアルバム「guitarissimo」をリリース。6月よりスタートした全国ツアーは全7公演のチケットがソールドアウトした。その後も大学生活と並行しながら音楽活動を継続しており、2012年3月に2枚目のフルアルバム「guitarium」を発表。