音楽ナタリー Power Push - 三戸なつめ
目指すはカッコよくて“めでたい”アーティスト
三戸なつめの2ndシングル「8ビットボーイ」が9月16日にリリースされた。
青文字系雑誌の人気モデルである三戸は2014年8月にファッション誌「mer」の主催イベント「mer fes.2014」でアーティストとして初めてステージに立ち、今年4月に中田ヤスタカ(CAPSULE)プロデュースによるシングル「前髪切りすぎた」でメジャーデビューを果たした。耳に残るサウンドと“眉よりずいぶん上”の短い前髪で世間の注目を集め、映画主題歌を担当したり、数々の夏フェスに出演したりとアグレッシブに活躍する彼女。アーティスト活動の近況とともに「8ビットボーイ」に込めた思いを聞いた。
取材・文 / 石橋果奈 撮影 / 上山陽介
カッコいい人に見られたい
──青文字系モデルとして人気を集め、今回アーティストとしても2作目をリリースされた三戸さんですが、モデルのお仕事とアーティストのお仕事で異なる点はありますか?
全然違いますね。一番はやっぱりしゃべらないとダメっていうところ。テレビはMCの方がいてくれるからなんとか成り立ってると思うんですけど、ライブだと1人でしゃべらないといけないので(笑)。
──雑誌の撮影だと無理にしゃべる必要はないですもんね。トークのお手本にしているアーティストはいますか?
aikoさんです。ライブにも行きますし、ライブDVDも持っていて。aikoさんのMCって面白くて本気で笑っちゃうんですよね。しかもファンの方々もaikoさんが会話してくれるのをわかってるから、ライブ中に客席から「aikoー、今日私なー」みたいに普通にしゃべりかけるっていう(笑)。ファンの方とのそういう関係性が素敵ですよね。
──aikoさんのほかに好きなアーティストはいますか?
あべま(阿部真央)さん、銀杏BOYZさん、爆弾ジョニーさんとかも好きですね。あと昔からずっと聴いてるのはアイドル。今はJuice=Juice、℃-uteとか……ハロー!プロジェクトが大好きで。ちっちゃい頃はモーニング娘。になりたくて家で振り付けを全部覚えて真似したり、めっちゃ踊ってました(笑)。
──ライブでアイドルの方のMCを真似てみようとは?
アイドル大好きなんですけど、自分がアイドルっぽくするのは違うかなあと思うので、そこは意識しないようにしてます。ライブではかわいい人よりカッコいい人に見られたいんです。
──それはなぜですか?
見た目がけっこうキャラクターっぽいなっていうことは自分で自覚してるんですけど(笑)、だからこそカッコよさっていうギャップをライブで見せたいなって思っていて。
──カッコよさを出すためにしていることはありますか?
ライブではボーイッシュな衣装を選んでます。あと振り付けとかも女の子っぽくないものにしたり、ギターを弾く曲では頭を振ったりとか激しめにパフォーマンスすることを意識してますね。
「8ビットボーイ」になって戦う
──ニューシングルの表題曲「8ビットボーイ」は現在公開中の映画「ピクセル」日本語吹き替え版の主題歌です。最初に聴いたときの楽曲の印象は?
もともと「『ピクセル』の日本語吹き替え版の主題歌を歌うよ」っていうのを聞いていて、それから「8ビットボーイ」のデモを(中田)ヤスタカさんから渡していただいたんですけど、まずは「すごいゲームっぽいなあ」って。
──ゲーム音楽の要素がふんだんに盛り込まれてますよね。
前作まではヤスタカさんが私をイメージしてくださったサウンドや、バンドっぽい音を取り入れていただいていたので「8ビットボーイ」を聴いたときは「あ! ヤスタカさんっぽいなー」って(笑)。
──1980年代のゲームキャラが登場する「ピクセル」にぴったりなテクノポップですよね。この曲をどのように聴いてもらいたいですか?
「ピクセル」は敵として登場するゲームキャラにゲームオタクが立ち向かうストーリーなんですけど、私も自分が「8ビットボーイ」になって戦いに行く!っていう強い気持ちで歌っていて。この曲を聴いた人に「今日も1日がんばるぞ! やってやるぞ!」みたいな闘志が芽生えたり、前向きな気持ちになったりしてもらえたらいいなって思います。
──映画を観た感想は?
劇中には「パックマン」や「スペースインベーダー」など80年代のゲームキャラがたくさん出てくるんですけど、この2つのゲームは昔やったことがあるので観ていてテンションが上がりました。日本で生まれたゲームや“オタク”がハリウッド映画に登場するのがすごいなあって。
──「パックマン」も「スペースインベーダー」も三戸さんの世代ではないですよね?
そうですね。「スペースインベーダー」はいとこの兄ちゃんに連れて行ってもらった地元のゲームセンターにあって。その兄ちゃんとはファミコンで一緒に遊んだ思い出もあるので、映画を観たときにそれが蘇って懐かしい気持ちになりました。80年代が青春だった世代の方は特に、昔を思い出して楽しめる映画なんじゃないかなあって思います。
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- 2ndシングル「8ビットボーイ」2015年9月16日発売 / Sony Music Associated Records
- 初回限定盤[CD+フォトブックレット+ポスター]1799円 / AICL2956~7
- 通常盤 [CD]999円 / AICL2958
収録曲
- 8ビットボーイ
- わたしをフェスに連れてって
- 前髪切りすぎた remix
- 8ビットボーイ inst
- わたしをフェスに連れてって inst
「8ビットボーイ」リリース記念イベント
- 2015年9月16日(水)東京都 ヴィレッジヴァンガード下北沢店
START18:30 - 2015年9月20日(日)広島県 イオンモール広島祇園 1Fスマイルコート
START 12:00 - 2015年9月20日(日)福岡県 キャナルシティ博多 B1Fサンプラザステージ
START 16:30 - 2015年9月22日(火・祝)宮城県 タワーレコード仙台パルコ店
START 14:00 - 2015年9月27日(日)大阪府 あべのキューズモール 3Fスカイコート
START 13:00
三戸なつめ(ミトナツメ)
1990年生まれ、奈良県出身の女性アーティスト。2010年に関西で雑誌の読者モデルとして活動を開始。2013年に上京し、多数の青文字系ファッション誌でレギュラーモデルとして活躍する。同年には自身初のセルフプロデュース本「なつめさん」を発売し、累計10万部に迫る売り上げを記録する。2014年8月にファッション誌「mer」が主催するイベント「mer fes.2014」で歌手として初めてステージに立ち、2015年4月に中田ヤスタカ(CAPSULE)プロデュースのシングル「前髪切りすぎた」でメジャーデビュー。9月に2ndシングル「8ビットボーイ」を発表した。