今年デビュー20周年のアニバーサリーイヤーを迎え、精力的な活動を続けているMISIAから約3年ぶりのオリジナルアルバム「Life is going on and on」が届けられた。本作にはドラマ「義母と娘のブルース」の主題歌「アイノカタチ(feat.HIDE GReeeeN)」や映画「鋼の錬金術師」の主題歌「君のそばにいるよ」のほか、すでにライブで披露されているファンクナンバー「LADY FUNKY」、米倉利紀とのコラボ曲「恋人失格(feat.米倉利紀)」など全12曲を収録。「人生の中に音楽があり、音楽の中に人生があると実感するようになりました」と語るMISIAが20年間培ってきた音楽が濃密に反映されていると同時に、この先のビジョンを提示する作品に仕上がっている。
音楽ナタリーではMISIAにインタビューを実施。「Life is going on and on」の収録曲のほか、20周年イヤーを通して感じたことについてたっぷり語ってもらった。
取材・文 / 森朋之
これまでの出会いが今につながっている
──今年はデビュー20周年イヤーで、4月に大阪・大阪城ホール、神奈川・横浜アリーナで行われた単独公演「20th Anniversary THE SUPER TOUR OF MISIA Girls just wanna have fun」をはじめ、アニバーサリー的な活動が続いています。手応えはどうですか?
今もツアー中(「20th Anniversary MISIA 星空のライヴX Life is going on and on」)ですし、今年はたくさんライブをやらせてもらっていて。調べてみたら、20年のうちライブをやっていない年はないんですよ。20年間いろいろな形でライブを続けてきたこと、歌を歌い続けてきたことが今年の活動につながっているんだと思います。
──これまで積み重ねてきたものが、アニバーサリーイヤーを彩っていると。
そうですね。しかも、これまでの出会いが全部今につながっているんですよね。20年近く一緒にやっている方もいれば、ここ数年の間に出会ったミュージシャンもいて。点ではなく、線になっていくことでいろいろな活動ができているというのかな。「THE SUPER TOUR OF MISIA」もそうなんですよね。私のライブの3本柱である「THE TOUR OF MISIA」「MISIA星空のライヴ」「MISIA Candle Night」をすべて詰め込んだライブにしたいとプロデューサーとも話していました。大編成のストリングス隊やダンサーを含めて総勢50名ほどのメンバーが参加したので、ライブ前の円陣がすごく大きかったんですが(笑)、いろいろなジャンルの楽曲をフルスペックで楽しめるライブになったんじゃないかなって。私も楽しかったし、観てくださった方にも楽しんでいただけたと思います。あと、念願だったツインバンドに近い形でやれたのもうれしかったですね。スティーヴィー・ワンダーやジェームス・ブラウンがタイプの違う2つのバンドをステージに並べて楽曲によって使い分けるというスタイルでライブをしていて、憧れのやり方で……。私の音楽のジャンルはR&B、ヒップホップ、ソウル、ハウス、ジャズ、EDM、バラードと多岐にわたっているので、各参加ミュージシャンの得意な分野を引き出しながら幅広い曲を演奏してもらって歌ってみたいと思っていたんです。
過去を振り返り、今を見つめ、未来へのベクトルを決める1年
──そして12月26日にはニューアルバム「Life is going on and on」がリリースされます。オリジナルアルバムの発売は前作「LOVE BEBOP」以来、約3年ぶりですね。
「そんなに空いた?」という感じですね(笑)。まあ昨年にはミニアルバムの「MISIA SOUL JAZZ SESSION」をリリースしたので、そういう感覚がないのかもしれません。
──「MISIA SOUL JAZZ SESSION」で始まったジャズへのアプローチは、今回のアルバムでも続いていますね。今作にはシングル曲の「アイノカタチ(feat.HIDE GReeeeN)」「君のそばにいるよ」も収録されますが、アルバムの制作に入ったときはどんなビジョンを持っていたんですか?
まず20周年を迎えるにあたって、「この周年をどう捉えたらいいだろう?」と考えていた時期があって。過去を振り返るだけではつまらないし、そんな1年にはしたくないと思ったんですね。そんな中、「周年というのは、過去を振り返り、今を見つめ、未来へのベクトルを決める1年」と言ってくれた方がいて、とてもいいテーマだなと感じたんです。なので、ライブの制作のときもアルバムを作るときも、そのテーマを常に念頭に置いていました。今まで一緒に楽曲を作ってきたミュージシャンとスタジオに入ったり、初めてお会いする方と曲を制作したり、そういうことを繰り返す中でだんだんとアルバムの全体像が見えてきたんです。私としては“過去を振り返る”こともやったつもりなんですけど、アルバムができあがってみると新しく出会った人たちと一緒に作った曲が多くなって、私は今感じていることを形にしたいんだなと改めて思いました。あとデビューしてしばらくは歳上のミュージシャンにいろいろと教えてもらうことがほとんどだったんですが、同世代や歳下のミュージシャンと一緒に仕事することもどんどん多くなって。アルバムを作り終えたときに、そこも変わってきた部分だなと感じました。
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「歌手とはなんぞや?」と自問自答してきた
- MISIA「Life is going on and on」
- 2018年12月26日発売 / アリオラジャパン
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初回限定盤
[CD+フォトブック]
4536円 / BVCL-945~6 -
通常盤 [CD]
3240円 / BVCL-947
- 収録曲
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- アイノカタチ(feat.HIDE GReeeeN)
- 君のそばにいるよ
- Interlude
- Sparks!!
- 来るぞスリリング(Album Version)
- LADY FUNKY
- 恋人失格(feat.米倉利紀)
- 変わりゆく この街で
- LOVED
- SERENDIPITY
- AMAZING LIFE
- SUPER RAINBOW
ライブ情報
- 20th Anniversary MISIA 星空のライヴXLife is going on and on(※終了分は割愛)
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- 2019年1月12日(土) 愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
- 2019年1月13日(日) 愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
- 2019年1月19日(土) 宮城県 仙台サンプラザホール
- 2019年1月20日(日) 山形県 シェルターなんようホール(南陽市文化会館)
- 2019年2月11日(月・祝) 千葉県 千葉県文化会館
- 2019年2月14日(木) 北海道 旭川市民文化会館 大ホール
- 2019年2月16日(土) 北海道 札幌文化芸術劇場hitaru
- 2019年2月20日(水) 東京都 NHKホール
- 2019年3月1日(金) 高知県 県民文化ホール オレンジホール
- 2019年3月3日(日) 徳島県 鳴門市文化会館
- 2019年3月8日(金) 石川県 本多の森ホール
- 2019年3月9日(土) 長野県 まつもと市民芸術館 主ホール
- 2019年3月22日(金) 福岡県 アルモニーサンク北九州ソレイユホール
- 2019年3月23日(土) 福岡県 福岡サンパレス
- MISIA 平成武道館 LIFE IS GOING ON AND ON
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- 2019年4月26日(金) 東京都 日本武道館
- 2019年4月27日(土) 東京都 日本武道館
- MISIA(ミーシャ)
- 長崎県生まれの女性シンガー。1998年2月にシングル「つつみ込むように…」でデビューした。同年6月に発表した1stアルバム「Mother Father Brother Sister」は200万枚以上を売り上げ、R&Bブームの火付け役となる。2000年発表のシングル「Everything」はドラマ主題歌に使用され、200万枚を超えるセールスを達成した。2013年2月にはデビュー15周年記念ベストアルバム「MISIA SUPER BEST RECORDS -15th Celebration-」、2017年7月にはジャズアルバム「MISIA SOUL JAZZ SESSION」を発売。同年11月に映画「鋼の錬金術師」の主題歌であるニューシングル「君のそばにいるよ」、ライブBlu-ray / DVD「MISIA SOUL JAZZ SESSION」を同時リリースした。2018年6月からは全国ホールツアー「20th Anniversary MISIA 星空のライヴ X Life is going on and on」を行っており、8月に表題曲がテレビドラマ「義母と娘のブルース」の主題歌に使用されたシングル「アイノカタチ(feat.HIDE GReeeeN)」、10月にデビュー20周年記念ライブの模様を収めたBlu-ray / DVD「20th Anniversary THE SUPER TOUR OF MISIA Girls just wanna have fun」を発表。同年12月に約3年ぶりのオリジナルアルバム「Life is going on and on」をリリースし、2019年4月には東京・日本武道館で2DAYSワンマンライブを行う。