音楽ナタリー PowerPush - MISIA
雪から桜へ ドラマ彩る渾身のシングルに込めた思い
メンタルの強さの秘訣
──4月から「星空のライヴVIII」が始まります。ライブ活動というのはMISIAさんのライフワークであると思うんですけど、ステージで長く歌い続けるために努力していることはありますか?
努力していること……やっぱり心が一番大きいような気がします。体力はもちろん大事なんですけど、体を支えるメンタルってすごく大事なんです。じゃあメンタルを強く保つために何をしてるかっていう話になるんですけど。
──はい。
「ポジティブ」って言ってしまうとちょっと軽いんですけれども、どんなつらい問題があっても、どんな困難なことがあっても、“イン”のほうに向かないというか、内向的にならないようにしてます。常に外に向かうようなマインドを持つという、それは心がけてますね。そもそも「私この先歌っていけるのかしら」とか、思い悩むものではないんですよね。当然歌い続けていきたいし、音楽好きっていうのは絶対に歌っちゃう生き物だと思うので。そういうものには絶対とらわれないようにしています。
──そういう心がけは、デビューのときから持っていたんですか?
まあ行ったり来たりして見つけた道だと思います。デビューしてしばらくはインに向かってしまった時期もあって。そうなるとやっぱり出る答えって少ないんですよね。もうこれ以上インに向かっても答えはないから、外を向くしかないっていう経験をして。それに、音楽は1人で作っていくものではないですしね。
──積極的に周囲とコミュニケーションを取っていくべきだと。
もちろん1人で戦わなきゃいけない部分はあるんですよ。でもそれは決して、1人で閉じこもって戦えっていう意味ではないと思っています。だから新しいバンドメンバーともどんどん会っていきたいです。若い世代にも面白いミュージシャンがいっぱい出てきてますし、大御所の方々ともご一緒したいですし。ちょうど今30代っていう面白い世代にいて、たくさん面白い後輩もいるし、同じ年代も頼もしいし、先輩もいるので、そんな環境を楽しみながらいろいろ作りたいなと思ってます。
自分では今の声のほうが大好き
──今「ちょうど30代っていう面白い世代にいる」という発言がありましたけれども、MISIAさんは年を重ねることって怖くはないですか? 女性シンガーにとって30代って心身ともに揺れ動いて成熟していく、それが時として歌にも表れる、非常にナイーブな時期ではないかと思っていて。
そうですね……、うーん。日本って、世界と比べてちょっと考えすぎますよね。その部分を。
──というと?
アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、いろんなところに行っていろんな価値観にも触れてきましたけど、日本人が突出して年齢っていうものにものすごくこだわりますね。あと見た目。若く見られるほうがいい、若い声のほうがいいという風潮があって。私はもともとアレサ・フランクリンのような声もすごく好きですし、あの歳(72歳)になっても(アデルの)「Rolling In The Deep」を自分なりに歌っちゃう彼女はすごくカッコいいと思います。
──うんうん。
ただ、それを表現する上で、1年1年違う自分を楽しんでもらう技術は必要なんだろうなって。それにはやっぱり、歳を重ねることに対して臆病になって、昔の自分ばかり追い求めていたら無理ですよね。実際に10年前の私とは確実に違う。それでも私、自分では今の声のほうが大好きなんです。低い声もよく出るようになってきたなって自分で思ったりするので。そのときにしか出せない声を自分で見つけていく。それが表現することだと思うんです。役者さんでも、アンチエイジングのために若く整形をしていくと60代、70代、80代の役がやれなくなるというじゃないですか。音楽もそれと同じで、その年代その年代の音楽のやり方があると思っていて、それにぶつかり合うほうが絶対カッコいいし楽しいと思っていて。
──おばあちゃんになってから新たなよさを発揮するシンガーもいますもんね。
ですよね。だからアフリカのおばあちゃんが歌ってる声とか大好きです。途中かすれてフッと消えるんだけど、構わず歌い続ける感じも好き。
──長い人生を経たからこそのグルーヴがありますよね。確かに、70代になったときのMISIAさんの歌って面白そう。
あと、歌い続けないとダメなんですよ。歌を途中でやめると自分の望む声が出なくなるんですよね、きっと。だから、今の自分はこういう表現法で、これが今もっともベストな形で、これが今一番伝えたいメッセージだっていうものを見つめて、それを出せるよう努力してます。皆さんには常に今の音を聴いてもらえたらうれしいですね。シングルもリリースしますし、4月からはツアーもスタートします。ぜひ、皆さん、遊びに来てください。
収録曲
- 白い季節
- 桜ひとひら
- 真夜中のHIDE-AND-SEEK
- Candle Of Life
- Candle Of Life(Make a Wish Remix)
- MISIA星空のライヴVIII
- 2015年4月11日(土)愛知県 愛知県芸術劇場大ホール
- 2015年4月12日(日)愛知県 愛知県芸術劇場大ホール
- 2015年4月17日(金)福岡県 福岡サンパレス
- 2015年4月18日(土)福岡県 福岡サンパレス
- 2015年4月24日(金)北海道 ニトリ文化ホール
- 2015年4月25日(土)北海道 ニトリ文化ホール
- 2015年5月5日(火・祝)東京都 東京国際フォーラムホールA
- 2015年5月6日(水・祝)東京都 東京国際フォーラムホールA
- 2015年5月8日(金)東京都 東京国際フォーラムホールA
- 2015年5月15日(金)岡山県 倉敷市民会館
- 2015年5月16日(土)広島県 広島文化学園HBGホール
- 2015年5月20日(水)静岡県 アクトシティ浜松大ホール
- 2015年6月5日(金)宮崎県 宮崎市民文化ホール
- 2015年6月7日(日)鹿児島県 鹿児島市民文化ホール・第一
- 2015年6月11日(木)宮城県 仙台サンプラザホール
- 2015年6月12日(金)宮城県 仙台サンプラザホール
- 2015年6月17日(水)新潟県 長岡市立劇場
- 2015年6月18日(木)新潟県 新潟県民会館
- 2015年6月24日(水)広島県 ふくやま芸術文化ホール・リーデンローズ
- 2015年6月26日(金)鳥取県 米子コンベンションセンター
- 2015年6月30日(火)大阪府 大阪フェスティバルホール
- 2015年7月1日(水)大阪府 大阪フェスティバルホール
- 2015年7月7日(火)東京都 東京国際フォーラムホールA
- 2015年7月8日(水)東京都 東京国際フォーラムホールA
- 2015年7月11日(土)大阪府 大阪フェスティバルホール
- 2015年7月12日(日)大阪府 大阪フェスティバルホール
- 2015年7月17日(金)石川県 本多の森ホール
- 2015年7月18日(土)長野県 上田市交流芸術文化センター
- 2015年8月13日(木)福岡県 福岡サンパレス
- 2015年8月15日(土)大阪府 大阪フェスティバルホール
- 2015年8月16日(日)大阪府 大阪フェスティバルホール
- 2015年8月29日(土)沖縄県 沖縄コンベンションセンター劇場棟
- 2015年8月30日(日)沖縄県 沖縄コンベンションセンター劇場棟
MISIA(ミーシャ)
長崎県生まれの女性シンガー。1998年2月にシングル「つつみ込むように…」でデビュー。同年6月に発表した1stアルバム「Mother Father Brother Sister」は200万枚以上を売り上げ、R&Bブームの火付け役存在となる。2000年に発表したシングル「Everything」はドラマ主題歌に採用され、200万枚を超えるセールスを達成した。2013年2月にはデビュー15周年記念ベストアルバム「MISIA SUPER BEST RECORDS -15th Celebration-」を発表。その直後にスタートした全国ツアー「MISIA 星空のライヴVII -15th Celebration- Schedule」は2014年4月まで合計77公演におよんだ。2015年2月に最新シングル「白い季節 / 桜ひとひら」をリリース。