音楽ナタリー Power Push - mishmash*Aimee Isobe

テーマは“デヴィッド・ボウイ”と“Instagram” 新たな女性シンガーを迎えて贈る新作「Instagenic」

Instagram×フォトジェニックなAimee Isobe

──アルバム「Instagenic」の内容についても教えてください。このタイトルはInstagramとフォトジェニックを合体させた造語とのことですが。

マスヤマ AimeeもInstagramをやっていて、1万人以上のフォロワーがいるんですよ。本当はいろいろあることも知ってますが(笑)、Instagramの写真を見ると楽しそうな生活をしてるんですよね。

美島 リア充だよね(笑)。

Aimee そういう写真しか載せないですから(笑)。

マスヤマコム

マスヤマ あと「なぜ平成生まれはInstagramを使うのか」という記事をWebで読んだことがあって。これはAimeeのことではないですが、Instagramに写真をアップすることにプライオリティを置いて生活している人がかなりいるっていう。自分のタイムラインを“きれいにする”というか、一緒に行動する人も行く場所も「自分をきれいに見せる」ためだったりするんですよね。リアルよりInstagramが優先されている風潮もある。それは極端な例だし、メディア中毒みたいなところもあるけど、1つの考え方だと思うんですよ。Twitterは言葉中心のSNSだから、揚げ足の取り合い、なすり合いみたいになるところもあるけど、Instagramはあまりない気がして。Aimeeの生活から「Instagenic」という言葉が浮かんで。2015年11月だったらギリギリOKかなと。来年はどうなってるかわからないですからね。

美島 オワコンだって言われてるかもしれないし。

マスヤマ そうそう(笑)。あと「Instagenic」を作ってみて、mishmash*って無意識に言葉を使わずに伝えられるコンテンツ、表現を選んでるんじゃないかなって思ったんですよね。Julieさんは写真家だし、折原さんはダンサー。それは“デヴィッド・ボウイ的”でもある気がするんですよね。彼はメディアをだまし絵的に使ってきた人なので。

Aimee そうですね。

マスヤマ アルバムのビジュアルでも「Instagenic」を意識して、Aimeeのライフスタイルを演出して見せてるんですよ。また豪華なブックレットを作ってるんですけどね(笑)。

──今回のフィジカルなアイテムは「ブックレット+CD」ですか?

マスヤマ そうです。さらにもう1つ、アナログを出そうと思ってます。1枚目のアルバム「mishmash*Julie Watai」はCDでリリースして、パッケージにこだわって。2枚目「セカンド・アルバム / The Second Album」はCDではなくてダウンロード作品にして、mishmash*Miki Oriharaのときはミュージックビデオとブックレットにして……。いろいろ試行錯誤してきましたが、人に渡すときはCDがあったほうがいいなと思ったんですよ。「音楽を聴いてください」と言ってるのに、パッケージの中に音楽がどこにもないということになってしまうので。CDに対してメディアとしての魅力は感じてないんだけど、作った音楽作品が「これ本じゃないんですか? パンフレット?」って言われるのもどうかなって。

美島 音楽を作ってるわけだからね。

マスヤマ もちろんデザインにもこだわってますけどね。今回はでんぱ組.inc、tofubeatsなどのアートワークを手がける若いデザイナーのスケブリこと杉山峻輔さんにやってもらって。

──結果的には各世代の優れたクリエイターが集結したプロジェクトになりましたね。

マスヤマ ええ。プロデューサーの仕事は人を選ぶことでもありますからね。そこもうまくいったかなと。

──さて、11月21日には初ライブが行われますが、どんな内容になりそうですか?

Aimee アルバムのタイトルが「Instagenic」ですからね。ライブに来てくれた方に「写真を撮って、Instagramにアップしたい」とか「会場でアルバムのブックレットと一緒に写真を撮りたい」と思ってもらえるような、華やかなライブにしたいなって思ってます。それは自分次第なんですけどね。

マスヤマ そうか、Instagramに載せやすい演出にすればいいのか……。最初に言ったようにAimeeは踊って歌える人だし、演技もできるので、それを生かしたステージにしたいですね。

左からマスヤマコム、Aimee Isobe、美島豊明。
mishmash*Aimee Isobe ニューアルバム「Instagenic」 / 2015年11月20日発売 / 3500円 / mmp-052 / music is music
mishmash*Aimee Isobe ニューアルバム「Instagenic」
収録曲
  1. Magenta-hued, by the river.
  2. Running on empathy.
  3. Speed your light.
  4. Fifteen seconds of fame.
  5. Albero della vita.
  6. One dream. Snow Flakes.
  7. How much longer will I have you with me?
  8. マジェンタ色の川辺で
  9. ランニング・オン・エンパシー
  10. スピード・ユア・ライト
  11. 15秒間の名声
  12. トゥリー・オブ・ライフ
  13. ひとひらの夢
  14. これから先、何度あなたと。
mishmash*(ミシュマシュ)
mishmash*

Corneliusのサウンドプログラマーを務める美島豊明と、ゲームや出版、映像などさまざまなカルチャーコンテンツを手がけてきたマスヤマコムによる音楽ユニット。作品ごとに異なるクリエイターをフィーチャーすることをコンセプトに掲げている。2012年12月リリースの1stアルバム「mishmash*Julie Watai」および2013年12月リリースの2ndアルバム「セカンド・アルバム / The Second Album」では、写真家として活躍する元アイドル / モデルのJulie Wataiをフィーチャーした。2014年6月にはダンサーの折原美樹をフィーチャーしたmishmash*Miki Oriharaを始動し、配信シングル「Ding Dawn / ディン・ドーン」「Reach Out until you can feel me. Hold tight. / 手を伸ばして、私にふれるまで、ぎゅっと。」を発表。2015年11月にAimee Isobeを迎えたmishmash*Aimee Isobe名義で、アルバム「Instagenic」をリリースする。また11月21日に東京・北参道ストロボカフェにて同名義にてライブを行う。

Aimee Isobe(エイミーイソベ)
Aimee Isobe

1990年生まれ。幼い頃から国内外のミュージカルに出演し。アメリカ・ニューヨークの芸術大学でBFA(学士)を取得し、卒業後は大学院でMBA(経営学修士)取得のため勉強を続けながら、ニューヨークと東京を拠点にアートバイヤーとして世界を回る。またアートフィルムを制作したり、キャストとして出演したり多角的に活躍している。