歌詞を見て感極まるものを感じた

──アルバムのラストを飾るタイトル曲の「BLUE COMPASS」もバラードナンバーですね。

収録曲を決める作業が終盤に差しかかってから、アルバムタイトルに合う曲を探したんです。最初は羅針盤を意味する「COMPASS」という言葉に合わせて、“出発”をイメージさせるような明るい曲がいいかなと考えていたのですが、アルバムの最後にバラードをタイトル曲として置きたいなと思って。それで、Elements Gardenの上松（範康）さんに書いていただいた曲に「BLUE COMPASS」というタイトルを付けて、岩里祐穂さんにタイトルに合わせる形で歌詞を書いていただきました。

──この曲、1コーラス目はピアノの音色とボーカルのみの構成ですが、2コーラス目から音数が増えてだんだんと壮大になっていきますね。レコーディングで何か苦労したところはありましたか？

プリプロの段階で曲の完成形のイメージがスタッフさんと一致していたので、すんなりとまではいかないですが、レコーディングは順調に進みました。ライブで披露することで曲に対する印象が変わっていくと思うのですが、プリプロのときからこの曲に対する思いはアルバムの中で特に強いですね。

──岩里さんが手がけた歌詞に共感する部分があるからでしょうか？

直接お話できる機会はなかったのですが、プロデューサーさんが岩里さんと打ち合わせをして私のイメージを伝えてくださって。ほかの曲にも共感できるところはたくさんあるんですけど、「BLUE COMPASS」の歌詞を最初に見たときにはより自分と重なるものを感じて、感極まりました。

──「BLUE COMPASS」以外の収録曲順はどのようにして決めたんですか？

私らしく始まって、私らしく終わりたいという思いがあったので、序盤と終盤には私のイメージが反映された曲を置いて。その間に今回初挑戦した曲や、皆さんが思っている水瀬いのりとはまた違ったイメージの曲を並べました。

──オープニングナンバーの「ハートノイロ」も自分らしさを感じる曲なんですね。

私の曲はファンの方に気持ちを伝えるような曲が多くて。「ハートノイロ」もファンの皆さんへの感謝の気持ちを歌った曲なので、そういったところが私らしいなと思います。

一緒に船に乗るような気持ちで

──アルバムの発売を経て、6月にスタートする初のライブツアー「Inori Minase LIVE TOUR 2018 BLUE COMPASS」に対しては、どのような思いを抱いていますか？

1日だけのステージだった1stワンマンライブでも、ファンの方から愛や応援をたくさんいただいて。今回は約1カ月かけて4つの会場でその体験をできることがうれしいですし、より進化した姿を見せなきゃいけないとも感じています。楽しみな気持ちもありつつ、皆さんに満足してもらうにはどうしたらいいんだろうと考えているところです。

──「こういうツアーにしたい」といった水瀬さんの中で思い描いているイメージはありますか？

会場ごとの皆さんの応援によって私自身の表情や色も変わってくると思いますので、各公演で型にはまらないライブを見せられたらと思っています。それと、ステージと客席の境界線がないようなライブにできればベストなので、ファンの方には一緒に船に乗って旅に出るような気持ちで観に来てもらいたいです。羅針盤、「BLUE COMPASS」を持った私に付いて行きたいと思ってもらえるようなステージにしたいですし、ライブが終わった頃に幸せだなと感じてもらえたらうれしいです。

──前回のインタビューで具体的な目標はないとおっしゃっていましたが、今思い描いている目標などはありますか？

具体的な目標ではないんですが、今年で23歳になるので、背伸びはしすぎないまでも、これからは大人っぽい一面も楽曲で見せていけたらいいなと思っています。今回、レコーディングのスタッフさんから「歌い方が大人っぽくなったね」と言われることがあって、自分では気付かないところで成長できているのかなと感じているんです。今までの私のイメージはどちらかと言うとフレッシュで初々しいものだったのかなと思うので、「気付いたら大人っぽくなっていた」と皆さんから感じてもらえるのが理想ですね。