音楽ナタリー Power Push - みみめめMIMI×fhána
シンクロする2組の両思いコラボ
タカオユキ(みみめめMIMI)、佐藤純一(fhána)、kevin mitsunaga(fhána)、yuxuki waga(fhána)
みみめめMIMIが2ndアルバム「きみのヒロインになりたくて」をリリースした。
1stアルバム「迷宮センチメンタル」から約2年ぶりとなる本作には、アニメ「甘々と稲妻」オープニングテーマの「晴レ晴レファンファーレ」、アニメ「山田くんと7人の魔女」エンディングテーマの「CANDY MAGIC」、アニメ「アニサン劇場」オープニングテーマの「天手古舞」など多数のタイアップ曲を含む全12曲を収録。カラフルでポップなサウンドはより鮮やかさを増し、歌詞は聴き手の感情に寄り添うメッセージ性に磨きがかけられた充実作となっている。
今回、音楽ナタリーではみみめめMIMIのタカオユキ(Vo)と、アルバムに収録される「白い鳥」「青い鳥」のアレンジを手がけたfhánaの佐藤純一、kevin mitsunaga、yuxuki wagaにインタビュー実施。お互いの音楽性に共鳴し合い、さまざまなシンクロを見せたという初コラボについて話してもらった。
取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 塚原孝顕
みみめめMIMIは新しい見せ方をしている面白いアーティスト
──デビューがほぼ同時期となるみみめめMIMIとfhánaですが、2組の交流はどのように始まったんでしょう?
タカオユキ(みみめめMIMI) そもそもは私がfhánaさんの音楽が大好きだったんですよ。fhánaさんが手がけたアニメ「ウィッチクラフトワークス」のオープニング曲(「divine intervention」)を聴いて「これ絶対観よう!」って思ったクチなんで(笑)。相方のちゃもーいは以前からTwitterでkevinさんと絡んだりもしていたんですよね。
kevin mitsunaga(fhána) そうそう。もともと僕は、ちゃもーいさんのpixivアカウントをチェックしてたくらいのファンだったんですよ。で、お互いTwitterでフォローするようになって。だから、みみめめさんがデビューしたときには、わりと僕らに近いところで活動されてる人たちなんだなっていう認識を持っていたんですよね。
佐藤純一(fhána) fhánaがメジャーデビュー前に出した「kotonoha breakdown」のミュージックビデオには、僕らをキャラ化したイラストが出てくるんですけど、そのイラストレーターを決めるときにも監督からちゃもーいさんの名前が挙がったりもしてましたからね。
タカオ ええっ、そうなんですか!? それは初耳かも。
佐藤 そんなちゃもーいさんと、当時はまだ正体が謎だったシンガーソングライターがみみめめMIMIとしてデビューしたので、すごく興味を持っていたんです。新しい見せ方をしている面白いアーティストが出てきたなあと思って。
yuxuki waga(fhána) しばらくしてからイベントでご一緒する機会もありましたよね。
タカオ あー、そうですそうです。2015年の音霊(「音霊 OTODAMA SEA STUDIO」)ですね。あのときは三言くらいしかお話しなかったんですけど(笑)。
kevin そこでやっと初めてお会いできたものの、そのときは軽く挨拶した程度でしたもんね。それを考えると、まさかここまでガッツリ絡むことになるとは(笑)。
タカオ いや私はずっと何かご一緒したいなって思ってたんですよ! だから今年の4月にやった自主企画イベント「視聴覚アカデミーvol.4」への出演をオファーさせていただいたんです。さらに楽曲でもご一緒できたらいいなとずっと思っていたので、今回それが叶ってホントにうれしいんです。
みみめめMIMIとfhánaの共通点は?
──お互いの音楽性については、どんなところに魅力を感じますか?
タカオ fhánaさんの音楽はエレクトロっぽさやポップさ、あとはすごくエモーショナルな部分とか、本当にいろんな要素が入っているんだけど、それらが繊細に絡まり合っててまっすぐストレートに届いてくるんですよ。そこに私は感動するんですよね。それは音源でももちろんそうなんですけど、ライブだとより立体的になって響いてくる感じもあって。
佐藤 みみめめさんの曲もそういうところはありますよね。カラフルにいろんな要素が入っているけど、決してごちゃごちゃはしてないじゃないですか。しかもその根底には切なさがあるようにも僕はすごく感じていて。
タカオ ありがとうございます! 私自身みみめめMIMIのサウンドはカラフルでありつつ、切ない部分を入れたいなってずっと思っているので、そこをくみ取っていただけているのはすごくうれしいですね。
佐藤 しかも今回のアルバムは、その切なさが前面に出てる感じもするし。
タカオ そうですね。今回はタイトルからして、そういうところは出しております、はい(笑)。
yuxuki あとライブの編成が独特なのも面白いですよね。「視聴覚アカデミー」のときに観てビックリしたんですけど(笑)。
タカオ ああ、確かにそうですね。ドラムと私とDJの3人ですからね。けっこう珍しいかも。
yuxuki そういう編成だからこそ、生演奏の躍動感もありますし、お客さんも一緒になって楽しめるエンタテインメントな空間が作れるんだなって思いました。音楽性も含めて、そこが大きな魅力だなって思いますね。
佐藤 あと、ライブを観て思ったのは、ユキさんがけっこう熱い人なんだなっていうことで。本気の人なんだなっていう。
タカオ あははは(笑)。けっこう言われますね。
佐藤 もはや声優さんのライブではなく、バンドの人のライブっていう感じがしたんですよ。ものすごくエモーショナルにピアノを弾きながら歌ったりもしていたので。いい意味での泥臭さや、アーティストとしての貪欲さを感じられるところが僕はすごく好きなところですね。
──熱くてエモいライブをする点もまたfhánaと共通しているところのような気もしますが。
佐藤 ああ確かに。fhánaも一見、ふわふわしたかわいいイメージを持たれがちですけど、ライブを観た人には「あ、ロックバンドなんですね」って言われることが多いですからね。
タカオ fhánaはホントにエモーショナルだと思います!
佐藤 そういう意味では、お互い近い部分があるのかもしれないですね。
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- みみめめMIMI 2ndアルバム「きみのヒロインになりたくて」2016年10月12日発売 / Astro Voice
- 初回限定盤 [CD+DVD] 3780円 / AZZS-51
- 通常盤 [CD] 3024円 / AZCS-1059
CD収録曲
- 白い鳥
[作曲:ユカ / 編曲:fhána] - 晴レ晴レファンファーレ
[作詞・作曲:ユカ / 編曲:CHRYSANTHEMUM BRIDGE] - 1/2ぶんこ
[作詞・作曲:ユカ / 編曲:kz] - 1,2,少女
[作詞・作曲:ユカ / 編曲:やしきん] - 相対性レプリカ(Album Version)
[作詞:ユカ、まふまふ / 作曲・編曲:まふまふ] - チャチャチャ
[作詞・作曲:ユカ / 編曲:CHRYSANTHEMUM BRIDGE] - CANDY MAGIC
[作詞・作曲:ユカ / 編曲:ARCHITECT] - 1メートル
[作詞・作曲:ユカ / 編曲:柳野裕孝] - 天手古舞
[作詞・作曲:ユカ / 編曲:野間康介] - チョコレート革命
[作詞・作曲:ユカ / 編曲:大石昌良] - たからもの
[作詞・作曲:ユカ / 編曲:PRIMAGIC] - 青い鳥
[作詞・作曲:ユカ / 編曲:fhána]
初回限定盤DVD収録内容
- オリジナルボイスドラマ「きみのヒロインになりたくて」
<出演者>
MIMI(CV:タカオユキ) / シロちゃん(CV:悠木碧) / あまなつ(CV:茜屋日海夏) - 「CANDY MAGIC」Music Video
- 「天手古舞」Music Video
- 「晴レ晴レファンファーレ」Music Video
- fhána シングル「calling」2016年8月3日発売 / Lantis
- アーティスト盤 [CD] 1296円 / LACM-14509
- アニメ盤 [CD] 1296円 / LACM-14510
みみめめMIMI(ミミメメミミ)
シンガーソングライターのユキことタカオユキとイラストレーターのちゃもーいからなる女性ユニット。タカオとちゃもーいが大学で出会ったことから活動をスタートし、2013年にアニメ「君のいる町」の主題歌「センチメンタルラブ」の制作をきっかけにみみめめMIMIとして始動する。2014年1月にでんぱ組.incが主演する映画「白魔女学園」の主題歌「瞬間リアリティ」を2ndシングルとしてリリースした。その後、アニメ「山田くんと7人の魔女」のエンディングテーマやアニメ「甘々と稲妻」のオープニングテーマを担当する中でアニメファンを中心に知名度を獲得。2016年10月に2ndアルバム「きみのヒロインになりたくて」を発表した。タカオのポップでチャーミングな歌と、ちゃもーいの描く繊細かつカラフルなイラストのコラボレーションが魅力。なおタカオは声優としても活躍している。
fhána(ファナ)
佐藤純一(FLEET)、yuxuki waga(s10rw)、kevin mitsunaga (Leggysalad)という3人のプロデューサーと、女性ボーカリストtowanaによる4人組ユニット。それぞれ個別に活動していた佐藤純一、yuxuki waga、kevin mitsunagaの3人が2009年に出会い、ボーカリストを固定しないユニットとして始動した。2012年秋にはゲストボーカルの1人だったtowanaが正式加入。「僕らはみんな河合荘」「ウィッチクラフトワークス」「ぎんぎつね」「有頂天家族」「天体のメソッド」といったアニメ作品でテーマソングを担当して高い評価を集めた。さらにChouChoや相沢舞のプロデュース、さよならポニーテールやDECO*27の楽曲のリミックスなども行っている。2016年4月には2ndフルアルバム「What a Wonderful World Line」をリリース。アルバム発売後には東名阪3都市を回るライブツアー「What a Wonderful World Line Tour 2016」を開催した。