個性をぶつけ合う「みみめめ会議」

──作品作りは具体的にどう進めているんですか？

曲は私、絵はちゃもーいっていう役割分担はもちろんあるので、そこは各自責任を持ってやっているんですけど、全体的なイメージ作りは2人で話しながらアイデアを出し合って進めます。私たち、週1で“みみめめ会議”っていうのをやってるんですよ。ファミレスに行って、1品しか頼まず5時間くらいいるんでかなり迷惑なんですけど（笑）。そこではもうほんとに自由に、みみめめMIMIとしての曲や絵のことについて、「どんな世界観にしようか？」って話してる感じなんですよね。ユニット名もその会議中に決まりましたし。

──お互いが作ってきたものに対して、意見を言ったりすることもあるんですか？

基本は信頼し合っているので、お互いの感性を尊重してはいます。でも、例えば色を付ける前の段階の絵をちゃもーいに観せてもらったときに、「ここはもうちょっとこうしたほうがいいんじゃない？」みたいなことは言いますね。例えば「ここにハサミの絵を入れてほしいんだけど」って具体的にリクエストすることもあります。

──ちゃもーいさんから曲へのリクエストが来ることもある？

はい。「もうちょっと広がる感じでー」みたいに、めっちゃわかりづらい感じで言ってくるんですけど（笑）、でも彼女の意見もしっかり聞きますね。もうほんとに毎日、飽きるくらいちゃもーいとばっかり話してますから。昨日もファミレスで280円のジャーマンポテトを半分こで食べながら会議してました（笑）。

──お互いの趣味嗜好も似ているんですかね？

あーそれはどうだろう？ けっこう違う部分はあるかもしれないですね。例えば、ちゃもーいはニコニコ動画とかボカロとかに詳しかったりするんですけど、私はあまり知らないとか。音楽にしても、ちゃもーいはエレクトロが好きだけど、私はロックとかがすごく好きとか。日常の会話の中でも、お互いが拾ってくるものが全然違いますからね。「こんな情報どっから拾ってきたの？」みたいなのをポンと出してきたりするんですよ。

──それだけ違う個性をもった2人だと、意見がぶつかってしまうことはないですか？

あります、あります！ お互い自分の絵と音楽には一切妥協したくないので譲れない部分が絶対ありますしね。ただ、私はうまくいきすぎるのってあんまりよくないなって思うんです。ちっちゃなことでぶつかりあえたほうが安心するというか。昨日もいい感じにちゃもーいの描いたスカートの柄の一部について、「ここがさー！」みたいなことになりましたからね（笑）。

──その上で生み出される化学反応を楽しんでいるんでしょうね。

そうだと思います。ほんとにいいパートナーですね、うん。

世界に羽ばたいていきたい

──では、みみめめMIMIとして世に出す作品として、どんなことをもっとも大事にしていますか？

観た瞬間、聴いた瞬間にワクワク、ドキドキすること。単純にそれですね。

──ああ、それはすごくわかりやすい。実際、僕もそういう感情になりました。

うまく言葉にはできないけど、なぜか心に響くものって絶対あると思うんですよ。それを私たちは絵と音楽の両方で届けていきたいんです。そういう気持ちはずっと大事にしたいですね。

──今現在は顔出しをしていないスタイルですけど、作品のビジュアルには“MIMIちゃん”という女性のキャラクターが登場していますよね。そのあたりも、聴き手にいろんな想像をかきたてさせる要素になっている印象を受けました。

彼女の存在は重要ですね。歌に関してはユカとしての気持ちで歌ってはいるんですけど、何せ顔を出してないので（笑）、一応私の姿をモチーフにした“MIMI”に表に立ってもらおうと。“MIMI”が歌っているイメージで曲を楽しんでくれてる人もいるようなので、それはすごくうれしいなって思います。ビデオクリップは“MIMI”を中心に世界が広がっていくイメージで作ってますしね。

──みみめめMIMIの世界観を彼女が演じてくれている、という感じですかね。

あーそうですね。うまく例えてくださってありがとうございます（笑）。あと、私たちはいずれ世界に羽ばたいていきたいなっていう思いも強くあるんですよ。なのでアニメとかボカロとか、そういう日本的な要素を“MIMI”に担ってもらってるところもあるんです。よーく観るとブレスレットが鳥居になってるのもそういう理由ですね。

──なるほど。目標をしっかり定めて、細部までかなりこだわってるんですね。

常に会議してますから（笑）。夢はとにかくバカみたいに大きいほうがいいと思うので。