M!LKが8月10日にニューシングル「奇跡が空に恋を響かせた」をリリースした。
昨年11月のメジャーデビュー以降、2枚目のシングルとなる今作の表題曲は、百田夏菜子(ももいろクローバーZ)が主演したドラマ「僕の大好きな妻!」のオープニングテーマとしてオンエアされていた楽曲。夏らしいさわやかなサウンドに乗せ、M!LKの5人は“大切な人と出会う夏の奇跡”を温かく歌い上げる。
ニューシングルのリリースを記念して、音楽ナタリーでは5人にインタビュー。リーダーの吉田仁人曰く「今が最高の状態」だという5人が届ける真夏のラブソングは、どのような仕上がりになっているのか? じっくりと話を聞いた。
取材・文 / 三橋あずみ撮影 / 笹原清明
今がベストだって言える状態が続いている
──1年前の今頃は、ツアー「M!LK BEST L!VE TOUR ~Thank you for your smile~」の真っ最中でしたね。最終公演でメジャーデビューの発表をするという、M!LKにとって節目のタイミングだったかと思います。その当時と1年経った今では周囲の環境も変わったかと思いますが、変化の実感などはありますか?
吉田仁人 そうか、もう1年なんですね。今日に至るまで本当にいろんなことをやってきて、ものすごく中身の詰まった1年という感じで。もう無我夢中でここまで来たという実感なんですけど、自分がずっと感じているのは「今のM!LKが最高の状態だな」という感覚ですね。「あのときのほうがよかった」という気持ちがまったくなく、今がベストだって言える状態が続いているのがすごくいいなって。
曽野舜太 そうやって言えるのはさ、一瞬一瞬をがんばっている結果だと思う。
佐野勇斗 “ベストな今”の積み重ねだよね。
曽野 そうそう。みんなで自分たちのこれからについてたくさん話して、「Instagramを活性化させよう」とか「TikTokの更新をがんばろう」とか、決めた目標に向けての行動を積み重ねてきた結果だと思うから。だから、これからも“今”を大事にしていけたらなと思います。
──柔太朗さんはいかがですか?
山中柔太朗 1年前はメジャーデビューに向けて動き始めたばかりの頃だったので、不安こそなかったけれど「これからどうなるんだろう?」と思っていたかもしれないです。その頃と今を比べると、より自分たちに自信が付いたのかなと思いますね。これからどうやって進んでいくべきなのかも見えてきている感覚があって。だから楽しいです。
──その自信の理由について、具体的に聞いてもいいですか?
山中 メンバーみんなで話す時間も長くなったと思うし、スタッフさんとの関係性も築けているし、チーム間の信頼がより強くなっているからかな。あとはもう、み!るきーず(M!LKファンの呼称)の声ですね。みんなが「今のM!LKが好き」と言ってくれることが、一番うれしいです。そういう出来事の1つひとつが自信につながっているのかなと思います。
佐野 僕の中では、1年前と今とで大きく変化したなと感じることは正直ないんです。だけど、実際この間のツアー(「CIRCUS」)が周囲の皆さんから「すごくよかった」と言われたりしていて、そういう部分で進化を感じられるのは、メジャーデビューという1つのきっかけによってみんなの意識が高まって、組織力が強まったからなのかなと思うんですよね。
──なるほど。太智さんはどうでしょう?
塩﨑太智 新しい場所で動き出すとき、みんなで「アリーナワンマンが見える1年になるように、とにかく突っ走ろう」という目標を決めたんですけど、そうやって決めた通りに突っ走ったなという感覚はありますね。ライブだけを見ても、2月の「M!LK LIVE 2022 NEXT WINNER」(パシフィコ横浜 国立大ホール)と「CIRCUS」ツアーをやって、9月からは今までで一番大きい規模の東名阪ツアー(「M!LK HALL TOUR 2022 満月の夜 君と逢う」)もありますし。ただ、なんというか……今、ちょっとずつ上を目指せている実感があるからこそ、気を引き締めていかないと、という思いが自分の中にあるんですよ。僕たち自身“足踏み”を感じるような時期も経験してきているから、着実に前進したいよなって。
──すごく冷静に現状を見ている部分もある。
塩﨑 そうですね。だから、次の東名阪ツアーは僕らのこれからに向けての肝になると思って、今準備をがんばっています。本当に、上を見続けるためにがんばらなきゃいけないなという気持ちですね。
イントロからしっかりと聴かせて“ラブ”を伝えるサマーソング
──そんな中、メジャーデビュー後2枚目のシングルとなる「奇跡が空に恋を響かせた」がリリースされました。表題曲は、7月までオンエアされていたドラマ「僕の大好きな妻!」のオープニングテーマに使用されていた楽曲です。まずは、この曲についての皆さんそれぞれの印象について伺ってもいいですか?
塩﨑 最初に聴いたとき「めっちゃ夏だなあ!」と思いました。僕ね、この曲のイントロと歌い出しを聴いただけで匂いを感じるんですよ。これ、マジで!
吉田 どんな?
塩﨑 シトラス系? いや、ブルーオーシャン……?
一同 ブルーオーシャン……?
塩﨑 さわやかな夏の香りなんだけど……俺、変なのかなあ?(笑) とにかく、暑苦しさを吹き飛ばしてくれるような素敵な気持ちになれる曲なんです。
曽野 この曲のテーマが「大切な人と出会う恋の奇跡を歌った夏のラブソング」なんですけど、イントロが印象的っていうのはすごいわかる。ピアノの音色とかが、すごくきれいなんですよ。今って前奏をカットしていきなりサビから入る曲も多いと思うんですけど、この曲はイントロからしっかりと聴かせて“ラブ”を伝えるサマーソングだなという印象を僕は持ってます。もう、前奏が一番好き。先に進めない!
吉田 そこは進もうか?(笑)
塩﨑 マジで、前奏めっちゃいいよね。
山中 前奏好き多いね。僕はポイントで言うと、2サビ前のドラムの音が好き。
塩﨑 この曲にハマる大きなポイント、そこだと思うんだよね。開始3秒でみんな好きになると思う。
吉田 僕は色の印象なんだけど、この曲は、衣装のイメージを早めにもらっていたんですよ。衣装の色が黄色だと知って……。
塩﨑 吉田さんカラーだから。
吉田 「やったー俺のイメージカラーだ!」……じゃなくて(笑)、なんで黄色なのかな?と思っていたんです。そうしたら、完成した曲には本当に黄色のキラキラっとした輝きがあって。水色と白で表されるような夏のイメージに、弾ける思いがビタミンカラーで表現されている感じ。さわやかさと、その中にある思いの強さが程よくて「いい曲!」となりました。M!LKの夏曲、またいい曲ができたなあって。「Ribbon」(2021年11月リリース)、「HIKARI」(2月配信リリース)と来て、これまでとはまた違う系統の“王子様感”というか、アイドルの王道を行っている曲だなとも思ったし、ドラマを通してこの曲がM!LKのことを知ってもらえるきっかけになることがうれしかったです。
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歌詞が気になる佐野勇斗