M!LKが9月30日に4thアルバム「HOME MADE CHU!?」をリリースする。
3月に発表された前作のアルバム「Juvenilizm-青春主義-」から半年、コロナ禍の中で制作が進められた今作は“DIYアルバム”をコンセプトに、M!LKメンバーのファミリー感が垣間見える作品に。5人はジャケット中面の制作を担当したり、ミュージックビデオの監督を務めたりとアルバム制作に積極的に参加し、手作り感のある1枚を作り上げた。
今のM!LKについて聞くと、メンバーからは「完璧な五角形を描けている」という言葉が返ってきた。心地よい関係性を保ちながら作り上げた“自家製”のアルバムは、いったいどんな作品になっているのか。にぎやかに盛り上がる5人の言葉から、彼らがこのアルバムに込めた思いを感じ取ってほしい。
取材・文 / 三橋あずみ 撮影 / 斎藤大嗣
吉田仁人の絶望期
──前作の3rdアルバム「Juvenilizm-青春主義-」が3月にリリースされた直後、新型コロナウイルスの感染拡大という事態が起きて、M!LKは春ツアーが中止になってしまいましたね。新体制となってから初めてのツアーでしたし、皆さんそれぞれに思い入れもあったのでは?と思いますが……。
佐野勇斗 新体制初のツアーということで、すごく気合いが入っていました。内容もできあがって「さあ、やるぞ!」というところでこうなっちゃったので……致し方ないとはいえ、やっぱり悔しい気持ちはありましたね。1月の(板垣瑞生、宮世琉弥の)卒業ライブで「5人の姿、楽しみにしていてください」と宣言していたし、チーム一丸となってがんばっていたから。
塩﨑太智 ギリギリまで開催すると仮定して、ゲネやリハーサルを進めていたんです。
勇斗 でも、見方を変えればオンラインライブという新しい試みもできたし、M!LKの今後の活動の幅を広げられる機会になったんじゃないかなとポジティブには考えられています。春ツアーでやるはずだった内容をオンラインライブで披露したりもしたので。正直な気持ちを言うなら、ファンのみんなも僕らもショックが大きかったけどね。
山中柔太朗 仁人くん一番つらそうだったけど、どうでした?
太智 最後の最後まで「(ツアー)絶対できるよ!」って言ってたもんね。
吉田仁人 自分はライブやイベントがあることがマジで生きがいなので、絶望というか……“すべてを奪われた男”って感じで。
曽野舜太 熱い。
仁人 3カ月くらい、絶望期を過ごしてましたね。そう、だからYouTube用にパフォーマンス映像を撮るとか、そういうことが決まりだしてから気持ちは立て直しましたけど、それまではもう……。
柔太朗 どういう生活だったんですか?
仁人 昼前くらいに起きて、でも布団の中にずっといて。そこからゲームして、寝て、起きて、ゲームして、寝て……ってしてました。
舜太 仁人くんが? 信じられない……!
勇斗 えっと、ごめんなさいね。柔太朗、なんでインタビュアーやってんの?
一同 あはははは!(笑)
柔太朗 いや、ここまで掘り下げたかったから(笑)。
──助かります(笑)。
仁人 ライブの予定が控えていると「こういうことを試してみよう」とか「楽器を練習しよう」とか意欲が湧くけど、「何もなくなった今、どうすればいいのか」と思って。ギアが止まったままで過ごしていましたね。
──仁人さん以外の皆さんは、自粛期間は……?
太智 有意義な時間を過ごしていました!
仁人以外全員 イエーイ!
仁人 なんだよそれ! めっちゃおもろいな(笑)。
太智 僕は朝ちゃんと起きて、家の中で楽しみを見つけて。
勇斗 太智は時間の使い方がうまいんだよなあ。
柔太朗 新鮮な時間ではあったよね。僕はちょこっとだけギターを練習したり、リフティングの練習をしたり。仕事に役立つかはわからないけど(笑)。あとは無の時間を作りました。僕は考え込むタイプで、嫌なことがあったらすごく落ちこんでしまうから、何も考えない時間を作ってみようと思って。1日5分くらい、瞑想をしていました。
舜太 僕は自粛期間、ずっと勉強してました! 1日12時間の勉強をずっと……毎日同じ日々を繰り返してました。だから今日、こうやってみんなとしゃべれてることが幸せです!
勇斗 やかましいわ(笑)。でも自分もこの時間を今後のために使わないともったいないなと思って、英会話とかギターの練習とか……あと本を読んだり、自炊したりして。あと、あれです。インスタライブ。インスタライブも自粛がなかったらやっていなかったんで。
──勇斗さんがインスタライブをしながら自己流で料理を作る通称「佐野飯」、すっかり恒例の人気企画になっていますよね。
勇斗 今日もやりますので。見てくださいね。あれ、本当に僕がそのとき食べたいものを作っているんですよ。
──勇斗さんが深い時間に泥団子を黙々と磨いている初回のインスタライブを見たときは、こんなに恒例化するとは思わなかったです。
勇斗 泥団子バカにしてるでしょ!(笑) いや、YouTubeの延長みたいな企画ものをやりたかったんですよ。いろいろ試す中で、料理配信が一番評判よくて。
──メンバーの皆さんもたまにゲスト参加されていますけど、「佐野飯」はチェックしているんですか?
仁人 通知が来るので、チェックしてますね。
勇斗 ただ1つ悩みがあって。今は自分ができるタイミングでやってるんですけど、可能ならば毎週金曜日にやりたいんですよ。今日は金曜日だからいいんですけど……。
──今日、木曜日です。
勇斗 え、木曜日? 嘘、間違えた! 告知しちゃった!(笑)
一同 あはははは!(笑)
勇斗 うわー間違えた……まあ、だから毎週金曜日にできれば(笑)。テレビ番組のように定着して、みんなのスケジュールに組み込んでもらえたらいいなって思ってるんです。
柔太朗 この記事、めっちゃ面白いね!
太智 みんなこのインタビュー読んで「勇斗くんあの日、曜日間違えてたんだ」って気付くんだ(笑)。(※勇斗はこの日予定通り「佐野飯」を配信。スイートポテトを調理した)
あふれてきちゃうんだよ、口か指に。フリックするしかねえだろ?
柔太朗 自粛期間中にもちょこちょこと顔を合わせる機会はあったんですけど、会うたびにみんな、めちゃくちゃテンション高かったです。
太智 仁人が特にヤバかった。
柔太朗 ニヤニヤしながら現場入りしてくるんですよ。
一同 あはははは!(笑)
仁人 いや、「俺……メンバーのこと好きだわ!」と思って。
柔太朗 気持ち悪いー(笑)。
仁人 ただ、その頃から俺の“好きアピール”が呆れられてるんです……。
勇斗 心に留めておいてくれたらいいんですけど、直接メッセージを送ってくるんですよ!
柔太朗 「M!LKはマジでいいグループだ!」とかね。
仁人 あふれてきちゃうんだよ、口か指に。そうしたらもう出すしかない。フリックするしかねえだろ?
一同 あはははは!(笑)
仁人 でも本当に、みんなこの期間に改めて、近くにいる人たちのありがたみを再確認したと思うんです。それは今回の「HOME MADE CHU!?」という作品にもつながる話なのかなとは思います。
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完璧な五角形