満足してないからこそM!LKを続けてる

──では、ショートストーリーの進む順番で話を聞いていきます。まずは、勇斗さんが新米美容師を演じた「君がくれた宝物ならココにある」。駆け出しのヘアスタイリストとして奮闘されています。

勇斗　そうですね。このストーリーにはまさに僕ら世代がぶつかる壁が描かれていると思うので、「刺さってくれるといいな」と思いながら演じました。

柔太朗　佐野さんの話の構成が一番わかりやすいかもね。

勇斗　そうだね。作中に僕が先輩から「アシスタントとはいえ、お前はもうプロなんだぞ」と言われるシーンがあるんですけど、ホントにそうだなと思っていて。自分は学生の頃から今の活動をやっていますが、足りない部分は多いと感じていても、プロとしての意識を持ってなきゃいけない。改めてそういったところに気付かされる作品でもあったなと思います。「お前、本気でやってるか？」って。

──役柄と自分自身とでリンクするところはありましたか？

勇斗　なんだろう。現状に納得せず、自分にいらだつところですかね。

柔太朗　うわ、カッコいい。

仁人　なんだよそれ。

勇斗　（笑）。でも、みんなそうでしょ？ 特に僕たちは新体制になったばかりの現状だったりしますが、まだあきらめてない、満足してないからこそM!LKを続けてるのであって。それは役者としてもそうで、目指すところはもっと先にあります。人生一度しかないので妥協せずにがんばりたいし、そのあたりは役柄と似ているかもしれないです。

──先程の話と少し被ってしまうんですが、M!LKの現場でメンバーと演技をするというのは、勇斗さん的にはいかがでした？

勇斗　なんか感覚違いました！ 全然集中できなかったです（笑）。周りのスタッフさんもM!LKのスタッフさんだったからかもしれないですけど、緊張しました。試されてる気がして。

勇斗以外全員　ああー。

勇斗　「ちょっといいところ見せなきゃな」とか思っちゃって、緊張でうまくいかなかったです、正直（笑）。

柔太朗　いや、でもすごかったです。勇斗くんは作品通して表情がすごい。例えばしゃべっていないところの演技ってめちゃくちゃ難しいんですけど、やっぱりうまくて。さすがだなと思っちゃいました。

舜太　“沈黙の職人”だったよね。

柔太朗　何も言わずとも「なんか考えてるんだろうな」と感じ取れるんですよね。

──そして仁人さんのストーリー「晴れのち曇り時々虹」では、仁人さんが就活に悩む学生を演じました。

勇斗　仁人の就活生、よかったですよね。

柔太朗　でも難しかったんでしょ？

仁人　難しかったね。就活ってすごくがんばらなきゃいけないけど、面接官にはがんばってるところを出しちゃダメというか「自分はできるよ」と思わせなきゃいけないじゃないですか。それに、いろんな資料を見て勉強はしましたけど、やっぱり面接されてるシーンは怖かったです。

──そこはリアルに。

仁人　はい。自分の言ったことに対して、すぐにリアクションをくれないんですよ。それがホントに怖く感じて。面接官役の方に感謝してます。

勇斗　ホントに緊張感あったよね。疑似体験できたよ。

太智　仁人の就活生、すごくリアリティがあったと思う。アイドル感がまったくなくて、役者として演じきっていて。観てて入り込めました。

──そう、仁人さんのストーリーには勇斗さんと2人でお酒を飲むシーンもありましたが、これはみ！るきーずにとっては新鮮な光景なのでは？

仁人　2人っきりであんなふうに飲むのは初めてでしたね！

勇斗　撮影が12月で、仁人20歳になりたてだったからね。

仁人　（仁人の出身地の）鹿児島料理のお店で、撮影中「プライベートでも来たいね」って2人で話してました（笑）。でも、まだ2人だけってのが寂しいよね。

勇斗　太智がもう少しで成人か。

太智　あと7カ月くらい。

舜太　僕らもオレンジジュースで付き合うよ！

──仁人さんの中で、特に印象に残っている場面などはありますか？

仁人　勇斗と飲んで、別れる場面ですね。勇斗に「俺に言われなくてもがんばってるよな」と言われるんですけど、実際はお互いに大丈夫じゃない。あのシーンでそれぞれの思いが交錯している感じがすごく好きですね。

舜太　あそこよかった！

柔太朗　佐野さんがすごいよかったよね。

仁人　おい（笑）。

「ヒモっぽいとかあるんだ！」って（笑）

──そして、次が柔太朗さんのストーリー「last moment」。柔太朗さんがいわゆる“ヒモ”を演じていて、衝撃度は一番だと思いました。

太智　これはね!!

勇斗　R指定必要かも（笑）。僕らも「キャー！」って感じです。でも今後のためにね、み！るきーずにはこれくらい受け入れてもらわないと。

仁人　“ヒモ役者”として世に出ていくんだから（笑）。

柔太朗　ヒモ専門として？ いやいや（笑）。でも、楽しかったです。ほぼ2人だけの芝居だったんですけど、相手役の方が芝居をリードしてくれてやりやすかったです。

──自分にこの役が回ってきたことについては、どう思いますか？

勇斗・仁人　正直に、正直に言って。

柔太朗　「マジか……」って（笑）。バックハグがあると聞いて「おお」とは思いました。けど、監督さんに会ったとき「やっぱヒモっぽいね」と言われて、「ヒモっぽいとかあるんだ！」って思った（笑）。金髪だったのも、意外よかったのかもしれないです……。

仁人　どんどん声が小さくなっていく（笑）。

勇斗　柔太朗、特に年上からモテる傾向があると思うんですよ。だから、これから年上キラーとして活躍してほしいですね！

仁人　でもホントに、いい役来たなって思ったよね。

勇斗　ホント、誰かの目に留まってほしい。男の僕らでも悲鳴上がったもんね。

舜太　見ちゃアカンとこ見ちゃった感じ……。

柔太朗　（笑）。ドラマのお仕事ではみんなもそういうシーンやったりするけど、M!LKの中でこれをやるんだっていう衝撃だよね？

太智　確かにね。

柔太朗　あと、細かいセットにもこだわってるんです。女の人が仕事から帰ってきても朝ごはんのお皿がそのままだったり、しかも野菜を残してたり。

仁人　母性本能の極限まで行ったもんだよねえ。

勇斗　わからなくもないけどね、そんな男を好きになっちゃう気持ち。いや、自分だったら絶対イヤだけど、お世話したくなっちゃう気持ちはわからなくもない。

──柔太朗さん的に、演じられた役で理解できる部分はあるんですか？

柔太朗　いや、ないですね。自分はキレイ好きですぐ片付けちゃうし、お仕事もさすがに何かするタイプだと思うので（笑）。

仁人　柔太朗めちゃくちゃ真面目ですよ。楽屋もすぐ片付けるし。

勇斗　ダンスもめちゃくちゃ勉強してくるし、ほかのメンバーの分まで把握してくるしね。中身は真逆です。

柔太朗　だから、体験できてよかったです。いい経験になりました（笑）。

M!LKをやってなかったら、こんな感じで生活してるのかな

──そして、舜太さんのストーリー「DEAR LIFE」では、舜太さんは学生時代のマドンナに偶然出会うデリバリーサービスの配達員を演じています。

柔太朗　これはハマり役！

勇斗　舜ちゃん、自転車が似合うんだよね。

舜太　自分は役柄と似ていました。映像の中の自分は好きな子に思いを伝えられないけど、僕も感情を伝えるのが苦手なんですよ。最近わかったんですけど、感情は出やすいけど、いざ伝えようとなるとうまく伝えられないんです。

──そうなんですね。

舜太　あと僕は太智くんと絡むシーンがあって、そこも試行錯誤したというか。太智くんとはその前に（舞台）「暁のヨナ」で一緒に演技していたけど映像で共演するのは初めてで、いろんな相談をしたんです。セリフも、半分以上台本のものとは変えたりして。

太智　そうだね。

舜太　全部ひっくるめて楽しかったです。太智くんの新しい一面も見れたし、「もしM!LKをやってなかったら、こんな感じで生活してるのかな」とか、いろんな想像ができました。

──太智さんとはどんな相談をしていたんですか？

舜太　お互いのネガティブな会話が続くシーンだったんですけど、そこを暗い感じにするんじゃなくて、無理して笑ってる……明るく振る舞う中でうまく感情を出していこう、みたいな相談をしてましたね。

太智　いやー、彼はやり手ですよ。

太智以外全員　おおー？

太智　本番始まる前に「確認しよう！」って声かけてくれるし、それに舜ちゃんはちょっとキザなセリフも似合うというか。日常の中で聞いたら浮いてしまうようなセリフも普通に言えちゃうような雰囲気があるんですよね。だから俺は舜ちゃんとの演技、やりやすかったです。

──ショートストーリーの最後を飾るのは、太智さんの「Don't think, Jump!」です。

太智　最後、締めくくりましたよ！ 自分の役柄はね、自分とはまったく違います！（笑）

柔太朗　そうだね。

太智　俺は怒るときは怒るし悲しいときは悲しいって言うけど、あの役の自分は隠すんですよ。だから、「こういう人生もあるんだな」なんて思いながら。でも心境に変化があって、それをきっかけにみんなが学生時代ぶりに集まりますから。俺があのとき連絡してなかったら、この作品完成してないからね？

一同　あはははは！（笑）

太智　いわゆるキーパーソンですよ。

仁人　自分で言うな（笑）。

──「暁のヨナ」での舞台経験が演技に還元されている感覚はあったりしましたか？

太智　還元されているというより、舞台が終わってすぐの時期の撮影だったので、「動きがデカい」って指摘されて（笑）。

舜太　言われたねー！

太智　体が舞台慣れしてしまっているのか、俺と舜ちゃんのシーンは特に、2人共舞台の演技をしちゃってたと思うんです。でもその経験があるから「こういう繊細な動きが映像に向いてるのかな」と、違いを出せるようにはなりました。

舜太　ホントに全然違ったよね。

柔太朗　でも逆に、舞台のときは最初「動きが小さい！」って言われたよね（笑）。

太智　そうなんだよ。もう俺、どうしたらいい？

一同　あはははは！（笑）

太智　ホントに大変でした！

柔太朗　（勇斗を指して）使い分けられると、この“神”みたいになるから。

勇斗　うわ、やりづら！

一同　あはははは！（笑）