「好き、好き。」と、しおらしくささやいたかと思えば一転。「デストロイ!!」と叫び散らす。そんなミドリの壮絶キュートなロック魂炸裂のニューアルバム「あらためまして、はじめまして、ミドリです。」が到着。まずは岩見のとっつあん(ベース)が加入する前後のいきさつから、小銭喜剛(ドラム)、後藤まりこ(ギターと歌)、ハジメ(鍵盤)の3人に話を訊いた。今作のレコーディング風景からミドリの基本的なスピリッツ、はたまた彼女のセーラー服の秘密まで、シンプルだけど筋の通った彼ららしいインタビューとなりました。
取材・文/上野三樹 撮影/平沼久奈
新メンバーは”人柄重視”で加入決定
——今回はミニアルバム「清水」から約半年という短いスパンで、その間にサポートのベーシスト原田さんの卒業と、岩見のとっつあん正式加入という変動もあった中での制作でしたが。バンドとしてはどんな時間でしたか。
ハジメ「去年の終わりぐらいにサポートベースの原田さんが辞めるということになって。だけど今年の1月にはライブも決まってたので『とりあえずどうしよっか?』と」
後藤「原田さんの方からは、去年の9月ぐらいに『自分のバンドがあるから、ごめんやけど』って言われて。うちらも何回か引き止めたけど、無理は言われへんし。それでみんなで探して今のベースの人と会うたんが11月かな」
ハジメ「大晦日にシークレットライブみたいなのをやったんですけど、それが岩見さんと初めてやったライブで。そっからツアーやって2月にリハーサルして3月にレコーディングしたんです。だから2月の1ヶ月間で今回のアルバムの曲をほとんど作りました」
——ミドリのベーシストにふさわしい人、というのはどんな希望がありましたか。
小銭「うーん、人柄やな。普通なことが普通にできること」
後藤「せやな。一緒にご飯を美味しく食べられるかとかやな。あんま残さへんとか」
ハジメ「僕は岩見さんと最初に電話でコンタクトを取ったんですけど。面白いなと思いました。電話が長すぎるんですよ、同じこと何回も言ってたし(笑)」
——では一緒に音を出したときの感触はどうでしたか。
後藤「何も別にな、普通」
小銭「原田さんとずっと一緒にやっとったから、誰になってもやっぱり違和感はあったな」
後藤「ボクは最初はあんま好きちゃうかって、でもこの2人が入れたいって言うからいいよって言って。やっていったら『あ、いいかも』と思ったから岩見さんに『入る?』って訊いたら『入る』 って。だから入ってん」
2008年5月14日発売 / 2500円(税込)
AICL-1919 / ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ
CD収録曲
- スキ
- ゆきこさん
- かなしい日々。
- お猿
- 根性無しあたし、あほぼけかす
- ちはるの恋
- ひみつの2人
- 5拍子
- ハウリング地獄
- 無欲の無力
プロフィール
ミドリ
2003年7月に後藤まりこ(Vo,G)と小銭喜剛(Dr)を中心に、大阪で結成されたロックバンド。ジャズ的な要素を盛り込んだサウンドと、紅一点の後藤による観る者を釘付けにする強烈なパフォーマンスが、アンダーグラウンドシーンで話題となる。幾度かのメンバーチェンジを経て、2004年にハジメ(Piano)が加入し、2005年に1stアルバム「ミドリ ファースト」をインディーズレーベルからリリース。2007年にはメジャーレーベルに移籍し、ミニアルバム&ライブDVDの2枚組作品「清水」を発表して注目を集める。2008年に新ベーシスト、岩見のとっつぁんが加入し、正式に4人編成となる。なお、後藤まりこのステージ衣装はセーラー服。