息ぴったりでした
──ミュージックビデオはすごく幻想的な映像になっていますね。
霧島 “海”からの連想で、樹海が舞台になっていて。「海の底に沈んでいるけど、月明かりで一筋の光を見つけて気持ちを浮上させていく」みたいなイメージを映像で表現していただきました。樹海の中で1人ずつ迷子になって、道を探してたら1人ずつ出会っていき、3人で月を見つけるというストーリーです。最後は水の底から這い上がってきて湖の上に立つ、みたいな。
リス子 湖面に立つシーンは意外と足は冷たくなかったんですけど、森の中は寒かったですね。土が冷たくて。
上花 最初の森のシーンはあんまり表情を作らずに無表情に近い感じで撮ってたんですけど、最後あたりのシーンは「笑っていいよ」と言われて「やったー!」って(笑)。だんだんみんな表情が明るくなっていく感じになってます。
霧島 撮影中の面白エピソードとしては、私が湖に落ちました。
リス子 あれを“面白”と言っていいんだ?(笑)
霧島 湖の中に作っていただいた土台の上に立ってたんですけど、風が意外と強くて。煽られてグラッときたときに、ちょうど楓裏さんの肩がいい位置にあったのでつかみそうになったものの、「このままでは楓裏さんも落としてしまう」と瞬時に思ってやめて。楓裏さんも楓裏さんで一瞬支えようとしてくれたんですけど、「無理だ」と思ったのかすぐ諦めて。
上花 (笑)。
──お互いに一瞬の判断で。
霧島 息ぴったりでした。なので被害が私だけで済んでよかったです。遠浅だったのでさほど深くもなかったですし、衣装もちょっと焚火で乾かすくらいで大丈夫でした。
「後輩です」っていう
──アニメ「白い砂のアクアトープ」は、オープニングがARCANA PROJECT、エンディングがMia REGINAということで、ディアステージ×ランティス組のタッグになっていますよね。ARCANA PROJECTって、皆さんにとってはどういう存在ですか?
リス子 (桜野)羽咲とは秋葉原ディアステージでずっと一緒にやってきたんですけど、あとの子はアルカナとして入ってきてから初めて会ったんですよね。でも、みんな羽咲っぽい(笑)。人なつっこくて仲間思いで、頼れる存在でもあって。もともと羽咲は頼りになる子なんですけど、それが5人いるような感じです。
霧島 キャッキャしているのがアルカナで、落ち着いているのがミアレジみたいな(笑)。まさに今回の曲がそれぞれ陰と陽になっていますけど、それがすごくしっくりくるイメージですね。
──対外的な説明としては2組とも“ディアステージ×ランティスの女性アニソンユニット”という、まったく同じ括りになりますよね。そういう意味でのライバル意識などは特にない感じですか?
リス子 そういえば、あんまり誰かをライバル視することがないかもしれません。
霧島 お互い何か決まったら「おめでとう!」って言い合えるし、いい関係を築けているのではないかと我々は勝手に思っています。……とか言ってて、向こうがめちゃめちゃライバル視してたらどうしよう(笑)。
──それもなさそうですが(笑)。ちなみに楓裏さんはアルカナをどう見てます?
上花 なんか「後輩です」っていう。それだけですかね。
リス子 そこで楓裏さんだけ「めちゃめちゃライバルです」って言ったらすごく面白いけど(笑)。
大人への応援歌・第2弾
──リス子さんが作詞を手がけたカップリング曲「Dear!!!」は、そんなディアステージの仲間へ向けた歌になっていますよね。
リス子 そうですね。ただ、ディアステージの人だけに限定しているわけでもなくて。ずっと見てくれた人、離れちゃった人、昔の友達とかも含めた、一度でも会ったことのあるすべての人に向けて「最近どう?」と歌っているイメージです。
──なぜこういう内容の歌詞にしようと思ったんですか?
リス子 私たちだからこそ歌える“大人への応援歌”として「Yes or Yes」を作ったときに、一定の層にすごく響いた手ごたえがあったんです。なのでその第2弾として作りました。表題の「月海の揺り籠」にもちょっと通じる部分がありますし、夢を追う / 追わない、大人になる / ならない、がんばる / がんばらないとかのテーマは引き続き素直に伝えたいなと思って。今後もシリーズものとして、また同じテーマで書くこともあるかもしれないです。
──それがどういう表現に変わっていくかを追っていくのも、ファンとしては楽しめそうですね。
リス子 そうですね。歌う私たちの状況によっても、視点や乗せる言葉は変わっていくだろうし。
──楽曲的にはストレートなポップロックで、ボーカルに関してはさほど苦労してそうな印象を受けなかったんですけど、実際のところはどうですか?
リス子 表題曲の年齢感に合わせた感じでやりたかったので、“大人感”は維持しようと思って歌いました。私の場合は高音がキーンとしちゃうので、なるべくファルセットを使ったりとか。
上花 録る前に「大人の切ない系で」って言われたんですけど、「月海の揺り籠」とは対照的に「Dear!!!」は覚えやすくて歌いやすくて。
リス子 楓裏さんはさわやか路線が得意な人なので。口角を上げて歌ってもいい曲だったしね。
上花 うん。いい感じでした。
霧島 私は「月海の揺り籠」を経てこれを歌えたのがよかったなと思いました。それ以前だったら、もっと一生懸命気持ちをぶつけるような、ガチガチに力を入れた歌い方になっちゃってたかもしれないなって。「月海の揺り籠」でいったん肩の力をめちゃくちゃストンと落とされたことで、程よく力を抜いて歌えたと思います。
言い続ければ叶うんですよ
──では今後のお話も少し聞かせてください。まずは9月に長野県で行われるアニソンフェス「ナガノアニエラフェスタ」への出演が決定していますね。
霧島 フェスが大好きなので、「アニエラ」のこともずっと前から気になっていたんです。アニソンアーティストの方が集まるアニソンイベントには常に憧れと出たい気持ちを持ち続けているので、3月の「ANIMAX MUSIX」もすごくうれしかったですし。去年か一昨年くらいから、事あるごとに「アニエラさん、機会があったら出られないですかね? 出たいなー出たいなー」みたいなアピールをチラチラしていたんですけど(笑)、そしたら今年見事に呼んでいただけて。
──以前も、Q-MHzさんに曲を書いてもらうために「書いてほしいなー」と言い続けたエピソードを伺いましたけど、その戦法はミアレジの常套手段なんですね?
霧島 言い続ければ叶うんですよ(笑)。
上花 2人がすごい「出たい出たい」言ってたので、楽しいイベントなんだろうなと思って私も気になってました。
リス子 毎年出演者さんが豪華で、好きなアーティストさんがいっぱい出てたのですごく気になっていて。今年も観たい人たちばっかりですし、私たちの出番は日曜日なんですけど、もう土曜日から行きたいよね。
霧島 1日目からね。泊まり込みしたい。
──アニソンイベントといえば、やはり誰もが真っ先にアニサマ(「Animelo Summer Live」)を思い浮かべるところだと思いますが……。
霧島 もちろん出たいです!
リス子 STAR☆ANISで一度出させていただいて、それ以来出ていないので……。
──じゃあ、それも事あるごとに関係者に言っていきましょう。
霧島 実際、「出たい」と言ったライブには今までけっこう出られているんですよ。「ランティス祭り」にしても「ANIMAX MUSIX」にしても。今年のANIMAXは無観客だったので、有観客ライブも経験したいですし。
リス子 アニメのイベントで、作品ゆかりの土地に行くとかもやってみたいですね。例えば、それこそアルカナと一緒に沖縄とか(笑)。
──楓裏さんは何かありますか? 「2人には言ってないけど、実はここでやってみたい」みたいな。
上花 うーん……。
リス子 競馬場とか?
上花 ああ、確かに(笑)。一度ゲストとして出てみたいですね。
ライブ情報
- ナガノアニエラフェスタ 2020 to 2021
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2021年9月18日(土)
長野県 駒場公園
<出演者>
AKINO with bless4 / 飯田里穂 / 伊藤美来 / 今井麻美 / GARNiDELiA / sajou no hana / 茅原実里 / ナノ / ニノミヤユイ/ 牧野由依 / やなぎなぎ / Lia -
2021年9月19日(日)
長野県 駒場公園
OPEN 12:45 / START 13:15
<出演者>
KATARI(神尾晋一郎、間宮丈裕) / ZAQ / JUNNA / 鈴木このみ / 寺島拓篤 / 土岐隼一 / 畠中祐 / halca / Machico / MADKID / Mia REGINA / MYTH & ROID
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2021年9月18日(土)
長野県 駒場公園
<出演者>