髪型もネイルも好き勝手にやってます
──そんな4人で活動しているメタモル!!!ですが、今年7月リリースの1stシングル「リセマラブゲーム!」がオリコンデイリーチャート2位を記録するなど、着実にファン層を拡大してきています。皆さん的に「ファンが付いてきてるな」という実感はありますか?
ふな まあ、初期の頃よりは。
南 最初の頃は本当に人気がなくて。もちろん現状にも全然満足はしてないんですけど、対バンライブで集客が1桁だった頃と比べたら、ちょっとずつだけど来てくれる人が増えてきている実感はあります。
ふな 前は対バンライブに出ても「知らないグループだし、別に観なくてもいいや」と思われてる感じだったのが、最近は「メタモル!!!目当てで来たわけじゃないけど、まあ出るなら観ていこうかな」くらいの、ライトな層がちょっと増えてきた感覚もありますね。
萌 アイドル界隈でじわじわと名前が浸透してきているのかな、とは思います。
──メタモル!!!のファン層の特徴として、女性ファンが多いそうですね。
萌 そうなんです。ほかの現場に比べたら、めちゃめちゃ多いんじゃないかなと思います。
ひな それがすごくうれしいんです! みんなかわいいし。
──なぜ女性ファンに支持されるんだと思いますか?
萌 たぶん、4人全員が違う系統なんですけど、女の子から憧れられたり好きになってもらえる要素がそれぞれにあるんじゃないかなと思っていて。最初にメンバーを集めるときから、それは目指していたことなんですよ。同性もそうですし、今までアイドルに興味なかった人に好いてもらえるグループにできたらいいなと考えていたので、実際にそうなってきてよかったなって思ってます。
──つまり一般的なアイドルグループのあり方に疑問があって、違う形を提示したい気持ちが萌さんの中にあったわけですか?
萌 ……というのは?
──例えばですけど、「与えられた環境で与えられた楽曲と振付を言われた通りにやる」みたいなことに疑問があったのかなと。
萌 ああ……たぶん、自分は上から言われたりするのが本当に嫌いで。
ふな クククク(笑)。
萌 「私はこうやりたいのに、なんで強制されなきゃいけないの?」みたいな。それが嫌で前のグループを辞めたというのもあるんですけど、メタモル!!!では自分たちのやりたいことを言ったらちゃんと伝わるので、それが楽しいです。
──その充実感がファンに伝わってるんじゃないかという気がします。“やらされていない感”が強いというか。
ふな それは大いにあると思いますね。
ひな 萌ちゃんが主に作詞をしている中で、私も何曲か作詞をさせてもらってるんですけど、そうやって新しいことに挑戦できるのが楽しいです。「やってみたら?」と言われて始めたことではあるんですけど、実際に挑戦してみたらすごく楽しくて。
萌 ひなは最近グラビアもやってるしね。ずっとやりたかったんでしょ?
ひな そう! グラビアもずっとやりたくて、事務所の方に「やりたいです」と言ってたら、実現することになって。雑誌に掲載される際にはぜひチェックお願いします!
南 私が前にいたグループでは「絶対に黒髪! ピアスもダメ!」みたいな縛りがけっこう多くて。ツイートの内容とかも全部決められていて、それに反抗しようとしてすごく怒られてたんですよ。ここに入ってからは「ご自由にどうぞー」って感じなので、髪型もネイルも好き勝手にやってます。
萌 誰だって、着たくない衣装は着たくないじゃないですか。用意された衣装に対して「ここは出したくないのになあ」とか、女の子だったらいろいろと感じることがあると思うし、そういう部分で嫌な思いをしてほしくないんです。
ふな 私がずっとアイドルをやってこなかったのは、そういう縛りが多いイメージがあって、事務所というものに入りたくなかったからなんですよ。だから、ここはすごく自由でありがたいです。3人が過去に経験してきたような嫌な思いは、私は何も味わったことがない(笑)。
──その自由な感じが、女性ファンの共感や憧れを呼んでいるんでしょうね。あとは、やはり歌詞が響いているんじゃないかと思います。
萌 うれしい。
──「言いたくても言えないことを代わりに言ってくれている」と感じているファンは少なくないんじゃないでしょうか。
萌 そうですね、「共感しました」と言ってもらえることもけっこう多いですし。“がんばるぞ系”の歌も……私、めちゃめちゃ“背中押す系”の曲が嫌いなんですよ。だからひねくれた視点の“がんばる曲”が多いんですけど(笑)、たぶんそれが、普段みんなが会社や学校で言えずにいることを代弁できてるのかなって思ってます。
思ってもない夢を言うのが嫌
──今後どういうふうになっていきたいか、というお話も少し伺えたらと思うんですが……。
萌 それで言うと、よく「どこのステージに立ちたいですか?」というテンプレ質問があるじゃないですか。あれがすごく苦手なんですよ。例えば「武道館に立ちたいです!」とか言えればキレイに収まるんでしょうけど、そういう思ってもいない大きな夢を言うのが恥ずかしくて……。
──まあ、“がんばれソング”が嫌いなくらいですしね。
萌 あはは。だからグループの目標と言っても「着実にやっていけたらな」というくらいなんですけど。
ひな まずは1月9日の、渋谷CLUB QUATTROでのツアーファイナルを絶対にお客さんでパンパンにしたいです! それが第一ですね。
萌 そうだね。今までで一番キャパの大きな会場でワンマンなので、すごく心配なんですけど(笑)。それまでにちょっとでも気になってもらって、「行ってみようかな」と思ってくれる人が増えたらなって思います。
──では具体的な目標ではなく、「こんな存在になっていきたい」という思いは何かありますか?
萌 知名度は上げたいですね。アイドルファンの間で名前は知ってて当然くらいの存在になりたいし、アイドルファンじゃない人にも、街を歩いてたら「あれメタモル!!!じゃない?」って気付かれるくらいになりたいです。
ふな いろんな層の人に知ってほしいですね。アイドルオタクの方だけじゃなくて、もっと幅広く。
萌 今も「どこで知って来てくれたんだろう?」と思うお客さんがときどきいるんですけど、聞いてみるとだいたい「インスタのおすすめに出てきて、気になって来ました」と言われることが多いので、SNSには今後も力を入れていきたいです。
──そういう意味では、ひなさんのグラビア活動や南さんのモデル活動などは、外の世界に知ってもらうためにはかなり有効でしょうね。
ひな そうですね。グラビアに限らず、私は「メディアに出たい」という気持ちが強いので、もっと新しいことに挑戦していきたいです。CMにも出たいですし、テレビとかそっち方面にも行きたいなとずっと思っていて。そこで自分をきっかけにメタモル!!!を知ってもらって、また新しいファンの人が会いに来てくれる、というのが理想です。
南 南は夢とかないんですよね、特にこれといって。ずっと前からふわーんと生きていて、やりたいと思ったことは全部叶えてて。だからこれからも、やりたいと思ったらとりあえず行動する、みたいな感じです。
ふな 私は、そうだな……一般人だったんですよ、昔から。
萌 「昔から一般人だった」(笑)。
ふな だから「普通の人でもこんなふうになれるんだよ」みたいな、親しみやすい人気者になれたらいいですね。明確な夢とかではないんですけど。
──なんとなく「夢は持っていなければいけないものだ」という風潮もありますけど、そんなふうに「明確な夢はないです」とはっきり言ってもらえるのは気持ちがいいです。
南 そうそう、それが嫌なんですよ。思ってない夢をインタビューで言うみたいな。みんなにはそういうアイドルになってほしくない。
──今後メタモル!!!が大きくなっていくことで、みんなが「それでいいんだ」と思える世の中になっていくといいですよね。
萌 そうですね。よくファンの方から人生相談みたいな話をされるんですけど、「嫌なことまでやらされていて、大変なんだ」とか言う人が多くて。「え、なんでやるの? 嫌なことはやらなくていいんだよ?」と答えたりしています。
ふな 宗教に近いです。
──宗教というか、それはカウンセリングと言うのでは?
萌 そうですね(笑)。
ふな 確かに。みんなカウンセラーですね。
──人生相談に乗ってくれるアイドルグループというのも、なかなか珍しい気がします。
ふな そういうところにもにじみ出る、決して王道アイドルではない感(笑)。
萌 人間味のある感じでやらせてもらっています。
ツアー情報
我武者羅ツアー
【出身地編】
- 2022年10月9日(日)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
- 2022年10月29日(土)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya 2/3(VJ-4)
- 2022年11月12日(土)神奈川県 横浜MMブロンテ
【武者修行編】
- 2022年12月3日(土)愛知県 名古屋ReNY limited
- 2022年12月18日(日)大阪府 BananaHall
- 2023年1月9日(月)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
プロフィール
メタモル!!!
相笠萌がプロデュースする、コンセプトを設けない“変幻自在グループ”として2021年4月にステージデビューを果たした。2022年7月に1stシングル「リセマラブゲーム!」をリリース。10月より2023年1月にかけてライブツアー「我武者羅ツアー」で全国を回っている。