2021年4月にステージデビューを果たした、相笠萌がプレイングプロデューサーを務める4人組グループ・メタモル!!!。7月にリリースされた1stシングル「リセマラブゲーム!」がオリコンデイリーチャート2位を記録するなど、着実にファン層を広げている。コンセプトを設けない“変幻自在グループ”を謳う彼女たちは、その時々によってクールな風貌にもキュートな姿にも変貌。衣装や楽曲の方向性は、相笠を中心にメンバー自身で舵を取っている。
音楽ナタリーでは、1月9日に東京・渋谷CLUB QUATTROでのワンマンライブ開催を控えるメタモル!!!にインタビュー。撮影中、何気なく4人の足元のソックスの形が大きく異なることに触れると、メンバーは「それぞれ好きなのを自由に用意して履いてます」「かわいければなんでもオッケーです!」と天真爛漫に笑った。何にも縛られず、着たいものを着て、歌いたいことを歌う。その自由な雰囲気、それぞれの意思を大切にする風通しのよさをインタビューからも感じ取れるだろう。
取材・文 / ナカニシキュウ撮影 / 山口真由子
メンバー紹介
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相笠萌(あいがさもえ)
担当カラー:辛辣ブルー
出身:神奈川県
誕生日:4月6日
長所:反骨精神の塊
短所:飽き性気分屋ドライ
趣味:喫煙
特技:なんでもできる
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華嵜ふな(はなさきふな)
担当カラー:マキシマムレッド
出身:埼玉県
誕生日:4月13日
長所:切羽詰まったときのポテンシャルの高さ
短所:マイペースすぎる
趣味:サウナとラーメン
特技:誰とでも話せる
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謝花南(しゃばなみなみ)
担当カラー:虚無パープル
出身:埼玉県
誕生日:1月12日
長所:自分を持っている
短所:気まぐれ
趣味:買い物
特技:ネイル
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愛瀬ひな(あいせひな)
担当カラー:拗らせピンク
出身:栃木県
誕生日:1月9日
長所:ポジティブ、かわいい
短所:ゆったりさん
趣味:お出かけ、アイドル鑑賞
特技:アイドル
顔がかわいい子を集めようと思った
──まずは結成の経緯から教えてください。どういうふうに始まったグループなんですか?
相笠萌 私は以前所属していたアイドルグループを辞めてから3年間くらい、普通にバイトをして生活していまして。その間、アイドルのライブを観ても全然ファンとして楽しめない自分がいて、「本当はまだステージで歌ったりしたいのに、なんでやってないんだろう?」という思いをずっと抱えていたんですね。そう思っていたところに、今の事務所の方から「新しくアイドルグループを作ろうと思うんだけど、プロデューサーをやってみないか」というお話をいただいて。
──急に。
萌 はい。「もう一度アイドルをやりたいけど、もう無理かな」と思っていたら声がかかったので、「やります!」と。そこからメンバーを探し始めました。それが2020年の冬くらいですかね。
──最初から萌さんがメンバー兼プロデューサーを務めるグループ、という前提で始まったんですね。その時点で「こんな活動をしていこう」というビジョンは明確にあったんですか?
萌 ありました。よくある王道系じゃなくて、曲も衣装もそのときによってコロコロ雰囲気が変わるような感じでやりたくて。メンバーの雰囲気も1人ひとり全然違う感じにしたかったので、そういう子たちを集めました。それまでまったくつながりも何もなかったところに、1人ずつ「はじめまして」ってDMを送って。
──自らスカウトしていったと。どういう基準で選ばれた人たちなんでしょうか。
萌 まずは顔ですね。顔がかわいい子を集めようと思って、Instagramで本当に自分の好きな顔の人を探して。でもやっぱり歌とダンスもできないとダメだから、南とひなに関しては前にもアイドルをやっていたということも知ったうえで声をかけました。で、ふなは何もやってなかったんですけど、初めてアイドルをやる人がいるというのも大事かなと思って。
華嵜ふな 私、そのとき間違えてDMを消しちゃったんですよ。だからなんの誘いかはわからなかったんですけど、とりあえず当たり障りのない返事をして。
萌 1回断ってきたよね。「アイドルはやりません」って。
ふな でも、この人まったく引かなくて。
萌 何回も「1回会いませんか? 話だけでも」みたいな感じで。
──それだけ、ふなさんに何か感じるものがあった?
萌 そうですね。あと、私の中でメンバーカラーを決めたうえで誘っていたので「この人は赤だな」って。赤髪だったから(笑)。
ふな もともとアイドルをやりたい気持ちはあったんですけど、そのときすでに社会人として働いていたんですよ。ちょっと仕事を辞めるわけにはいかなかったんで……でも「今の仕事を続けていいか」と交渉したら「いいよ」と言われたんで、「じゃあ、ちょっとやってみようかなあ」と。最初はかなりライトなノリでしたね。
──働きながらのアイドル活動だったんですね。
ふな そうです。今はアイドルだけで食べていけるようになったので、そのときの仕事は無事に辞められました。
愛瀬ひな 私は前のグループを辞めて何カ月か経っていて、ちょうど「また違うアイドル活動をしたいな」と思っていたタイミングで声がかかったんです。前のグループは周りのメンバーと「どこまで行きたいのか」というモチベーションの部分で思いがバラバラで「ちょっと合わないな」と思って辞めたんですけど、萌ちゃんとはそこが合いそうだなと思ったので、「ここでがんばろう」と決めました。
謝花南 萌ちゃんと同じく、私も前のグループを辞めてから3年くらいブランクがあって。声がかかったとき、ちょうどコロナでバイト先の店が暇だったんですよ。出勤もほとんどしない感じで「何か環境を変えたいな」と思ってたタイミングでもあったんで、「まあ、やるかー」みたいな。
一同 (笑)。
南 アイドル活動にちょっと心残りもあったし、年齢的にもやるならこれが最後だろうなと思って。
他己紹介で見える4人の個性
──4人がそれぞれどういう人たちなのか、メンバーのキャラクターについてもぜひ教えてください。まず、萌さんはどんな人ですか?
ふな 萌ちゃんは“ザ・演者”みたいな。あふれ出るお局感がありますね。
萌 あははは。
ひな やっぱりアイドル歴が一番長いから、ダンスの覚えが早いんですよ。「え、もう覚えたの?」みたいな。振り入れの最後に「じゃあ最初から1曲通して踊ってみようか」という話になることがよくあるんですけど、そのときはみんな萌ちゃんをガン見してます(笑)。
ふな 萌が間違えると全員間違える(笑)。
ひな そんなふうにパフォーマンスではみんなを引っ張ってくれる存在なんですけど、普段はすごく気分屋ですね。遠征のとき、朝にホテルのロビーで集合すると「あ、今の萌ちゃんには話しかけないほうがよさそう」と感じたり(笑)。
萌 朝が苦手なんですよ。
南 いや、朝じゃなくても関係ないよ。もうずっとこんなん(と頭を垂れる)。
ふな オンオフが激しめですね。でも、オフの姿もファンの人たちは知ってるんで。
──なるほど。では、ふなさんはどんな存在ですか?
萌 一応自分が最年長で、プロデューサーではある中で、この人のほうがリーダーっぽいというか。
ひな 気遣いができて、頼れるお姉ちゃんって感じです。
萌 自分が感情の起伏の激しいタイプなんで、その真逆って感じですね。常に一定のテンションで気持ちを保って、ドンと構えていてくれます。運営の人みたいなスタイルで。
ふな 運営です。
萌 あはは。あと、アイドル活動が初めてということで最初は「この人は付いてこられるんだろうか?」と思っていたんですけど、最近は普通に堂々とパフォーマンスできていて。
ふな そう、面白コンテンツじゃなくなっちゃって。
萌 前はステージで転んで、本当に尻もちをついてたりしてたんですけど。そういうことが最近はなくて、歌ってる姿を見ても「アイドル!」って感じになってきました。
ふな つまらなくなったよね。
萌 つまらないんですけど(笑)、すごく成長を感じますね。
──では次に、ひなさんは?
ひな (目を輝かせて)どうですかー?
南 萌ちゃんとは違う意味でザ・アイドル。王道っていうか。萌ちゃんはアイドルとしてのスキルが高い感じだけど、ひなはキラーン☆みたいな。
ふな アニメに出てくるアイドルみたい。
南 そうそうそう。
萌 そのへんを歩いてるだけで「あの子、絶対アイドルだろうな」ってわかる感じ。
ふな 電車に乗ってると、かわいすぎて注目を浴びちゃうから、もう電車とか乗らないほうがいいよ。
南 グループでは末っ子って感じ。で、一番ポジティブ。
ふな それは確かにそうだね。
萌 いつも「ひな、かわいい?」「今日かわいいかな?」って聞いてくる(笑)。パフォーマンス面でもかわいい部分を担当してもらっていて、ほかの3人だけだとちょっと圧が強めのグループに見えちゃいそうなところを中和してくれている感じもあります。もともと「こういう王道のかわいい子もいるんだ?」と思ってもらいたくて誘ったところもありますし。かわいい曲では率先して前に出てもらいつつ、ちゃんとカッコいい曲もできるという。
──それによって楽曲の幅が出せるわけですね。では最後、南さん。
ふな この子、ビジュアル的には怖く見えるじゃないですか。
萌 でも実は、中身はかわいらしい系なんですよ。最初は怖いと思われがちなんですけど。
ひな 見た目的に私と仲が悪そうに見られがちなんですけど、全然そんなことなくて(笑)。
南 うん、全然。
ふな この2人の仲がすごくいいの、ギャップじゃないですか?
ひな あと、何よりもスタイルがいい! 脚がキレイ。
萌 南はけっこうモデル活動をやっているので、私たちも撮影のときは勉強させてもらってます。ポーズとか表情の作り方とか、自分の見せ方をわかってるなあって感じ。
ふな しかも、一見“闇属性”っぽく見えますよね。でも実は明るい曲が大好きなんですよ。
南 暗い曲は嫌いなんです。入り込みすぎちゃうんで(笑)。
萌 歌声も、意外と4人の中で一番大きくて。声とか出なさそうに見えると思うんですけど。
ふな こう見えてがんばるタイプなんですよ。熱いんです。
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髪型もネイルも好き勝手にやってます