全部が悪ノリでここまで来たようなもん
──MeseMoa.の歴史を振り返るうえで、印象的だった出来事やターニングポイントを教えてください。
白服 ダンスカバーから初めてオリジナル曲を出した当時は、そういうことをやってる人が全然いなくて。今でこそ動画投稿サイトからオリジナルの音楽活動を始める人っていっぱいいると思うんですけど……。
あおい 当時は数えるほどしかいなかった。
にーちゃん うん。そこから単独イベントを打つことになったときの話し合いもすごく印象に残ってるな。
とみたけ 「えー? 人集まるの!?」みたいな。
にーちゃん ダンスの大きいイベントとかにはわりと出させてもらうメンバーだったけど、単独となるとまた話が違って。
フォーゲル 動画投稿サイトからできたグループがイベントを自主開催、という話は聞いたことなかった。
白服 そうだね。でも周りが誰もやってなかったからこその挑戦というか。今となってはあのとき決断してよかったなと思います。その後は47都道府県ツアーなどライブ活動をひたすら積み重ねて、大きなフェスとかのオーディションを受けたのも思い出深かったな。「SUMMER SONIC」への出演権を賭けたオーディション「出れんの!? サマソニ!? 2013」に出場したときは賛否両論あったんですけど……。
──サマソニといえばバンドのイメージが強いですもんね。
白服 そうなんですよ。でもそこで自分たちは思いきりアイドル色を出して踊って、「2013年枠」という特別枠でステージを踏ませていただいて。そもそもカバーダンスグループが出場するということに対してもさまざまな意見があったんですけど、これをきっかけにいろんな人に名前を知ってもらうことができたのかな。
気まぐれプリンス 2017年に参加した「Mステへの階段 ウルトラオーディション」も印象に残ってますね。普段、僕らはネットを中心に活動しているけど、「テレビにも出たい!」という気持ちも強くて。
野崎弁当 結果は惨敗だったんですけど、なんとか最終選考まで残ることができて。ファンの皆さんがすごく応援してくれたのはとても励みになりました。
とみたけ あとターニングポイントと言えば、やっぱり中野サンプラザホール公演かな。2015年に初めてライブをやらせてもらったときは、誰も立てると思ってなかったステージでライブできたことがみんなの自信になったし、それが満席というのも誇らしかった。
あおい 中野サンプラザとか、最初は悪ノリで言ってるようなもんだったからね。ハロプロの聖地ってことで。
とみたけ 「(ノリノリで)やっぱ行きたいよねー」みたいな。
にーちゃん でもそんなこと言い出したら、僕ら全部が悪ノリでここまで来たようなもんじゃない? 「シングル出しちゃう?」「ライブとかチェキ会もやっちゃう?」みたいな(笑)。
野崎弁当 最初はね。
にーちゃん やるってなったら真面目に話し合いをしてきたけど、初めの一歩はいつも冗談みたいなところからだった。
──でも、それをちゃんと実現してきているわけですよね?
にーちゃん (目を見開いて)そう……ですねえ!!
一同 わはははは(笑)。
あおい 結果、そうなっちゃいますよね(笑)。
にーちゃん いやー、ありがたい限りです。
いい意味で凸凹のある人たちが集まってる
──2015年の中野サンプラザホール公演では、会社員や保育士など、それまでグループ活動と並行して個々に続けていた仕事を辞め、アイドルに専念することを宣言したそうですね。覚悟のいる決断ですが、これはどういった経緯だったんでしょう?
白服 なかなか予定が合わなくて全員が集合できなかったり、そういう時間的な制約が多くて。あとは「応援してくれる皆さんのために、グループをもっと本格的なものにしよう」ということをみんなで何度も話し合って、この活動1本に絞ることに決めました。
とみたけ 中野サンプラザのステージでは、ファンの人にも意見を聞いたんですよ。「これを仕事していくってどう?」みたいな。ふざけながら面白半分でやってるのが好きっていう人もいるだろうし。
白服 自分たちもギリギリまで迷ってたから。
あおい うん。でもそういう決断をしたおかげで、みんなで集まる頻度がグンと増えた。練習も効率よくできるようになって。
白服 そのメリットはめちゃめちゃあったよね。ただ一方で、それまで趣味のようにやってたから許してもらえたような甘えが通用しなくなったというか。アイドルを仕事にすると言った以上、それなりのものを見せなきゃっていう責任感も増していきました。
──腹をくくってこの活動に賭けたことで、グループのチームワークも強くなったのでは?
気まぐれプリンス もともとすごく仲はいいんですけど、チームワークは日に日に強くなってると思います。MeseMoa.というグループはメンバーそれぞれに得意なことや苦手なこともあって、僕はその人間らしいところが魅力かなと思うんです。人として、いい意味で凹凸のある人たちが集まっていて、それぞれ自分の得意な分野を見せていくことでMeseMoa.ができてるんだなって。
とみたけ うん。そういう絆みたいなところで言うと、もはや家族みたいなもんだね。運命共同体?
ノックソ そうだね。楽屋ではみんな本当にうるさい!
白服 遠く離れたトイレにいてもメンバーの笑い声が聞こえる。
とみたけ これはたぶん俺たちの一番悪いところなんだけど、一生素人感が抜けなくて、堅苦しい場が苦手なの。あと何年も前の同じネタを何度も繰り返して笑う。7年前の話とか。
にーちゃん ちょっと物忘れのひどい、おじいちゃんみたいな(笑)。とにかく仲がいいし、その空気感が一番伝わるのがライブかなって。
とみたけ 決して歌もダンスもうまくないし、顔もいいわけじゃないですけど、MCはきっと面白いはず!
野崎弁当 ただ、みんな根は真面目だから、仲がいいからって普段からダラダラしたり馴れ合いになることもなく。「がんばっていいものを作っていこう!」というポジティブな雰囲気でチームがまとまってるのかなと思います。
ある事務所に9人全員での所属を断られた
──「ここはよそのボーイズグループと違います!」というMeseMoa.のアピールポイントは?
あおい 僕たちは最初からずっと事務所に所属せず、セルフプロデュースという形でネットを駆使してやってきたんです。つい2年ほど前にやっと自分たちで事務所(株式会社DD)を作ったんですけど。
白服 元メンバーが代表取締役を務めてくれてるんです。
気まぐれプリンス 大手事務所に所属してないからこそ、自由にやりたいことをやれているっていうのはあるかも。それが自分たちの色になってる。あくまでも僕の勝手な大手事務所のイメージですけど(笑)。
フォーゲル 結成当初からお世話になっているスタッフさんの話だと、「ある事務所に9人全員入れてくれるようお願いしたけど断られた」って。「9人一緒はちょっと……」って。
にーちゃん つまり、入れなかったんです(笑)。
一同 わはははは!(笑)
とみたけ でも逆にそれでよかったのかなって。そうやってすべてを自分たちでやってきたからこそ、きっとモチベーションも高いままでいられたんですよ。
白服 自分たちで考えて行動するのが普通だったし、そうしないとここまで来れなかったというのも、ほかのグループとの大きな違いなのかな。
にーちゃん あと、僕たちがこうして長く続けられているのは家族が一緒にいるのと同じ理由なのかなって思う。単純に、みんなが好きで、みんながいるから続けてるっていう。
とみたけ のっくん(ノックソ)なんて「誰か辞めたら俺も辞める」って言ってるもんね。
ノックソ うん。9人じゃなきゃ意味ないなって思うから。
白服 でも、野崎さんが辞めたら……?
ノックソ 続ける!
野崎弁当 (食い気味で)なんでだよ!
一同 わはははは(笑)。
にーちゃん ここまでがワンセットなんですー(笑)。さっきの、何度も同じネタで笑うってやつ。僕たち、こういうのでずっと笑ってるんですよ。
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「僕らのCD、どこで買えばいいの?」
2019年6月19日更新