JKと“片思いソング”でコラボレーション
──リード曲でもある3曲目「君がずっと好きだから」は、日本最大級のJK(女子高生)団体「チームシンデレラ」とコラボレートしています。これはどういう団体なんですか?
いろんな企業や専門学校とコラボしてイベントやプロジェクトを行う女子高生の団体で、その中にいくつか部活動があるんです。私は「JKカラオケ部」の皆さんとコラボしていて、その部長を務めています。この曲は、今年頭から動き出した「女子高生カラオケソングプロジェクト」というものの中で生まれることになったんです。
──全国の女子高生500人から片思いエピソードを募集し、それをもとにリアルJKとミーティングをしたそうですね。
集まったエピソードをみんなで読みながら、本当の会議みたいに丸くなって座って。「カラオケの定番曲になるような曲をこのチームで作ろう!」ということで、「こういうのがいいと思います!」とか積極的に意見を出してくれる子も多くてディスカッションは白熱してましたね。決定した歌詞の設定としては、友達だった男の子を好きになってしまって、今までの関係が崩れるのが怖い……っていう。実はこのエピソード、アンケートでも圧倒的に多かったんですよ。
──へえ。みんな一度は経験してるんですね。
はい。JKもけっこう切ない体験をしてるんだなって。
──ミーティングで出た内容はメロディーさんが歌詞にまとめていったんですか?
この曲は今井了介さんが全体のプロデュースをしてくださっていて、最終的に歌詞をまとめてくれたのも今井さんです。さっき話したミーティングでの内容を今井さんに投げて、細かい言葉のチョイスや言い回しの部分にもJKの意見を取り入れてもらいました。
──ディスカッションで印象的だったことはありますか?
一度上がった歌詞に対して「今はこんなこと言わないと思う」とか、女子高生がすごくストレートな感想を言ってくれて。「じゃあ、この言い方は?」みたいに、どんどんリアルを追及していった感じはありました。あと最後のほうに「叶わないとしても それでもいつかは伝えるんだ」という歌詞があるんですが、最初はここ、あきらめちゃうっていう切ないオチだったんですよ。でもみんなが「あきらめたら悲しい!」ってすごく言ってて、今のハッピーな終わり方になったんです。
──まさにJKの声が反映されたということで。
はい。話を聞いていると、今のJKはみんな小学生から男の子と付き合ったりしてて経験豊富なんです。だから高校生ともなるともうしっかり恋愛について語れるというか(笑)。でも叶わない恋をしてたり、彼氏はいるけどうまくいかなかったり、なかなかスムーズにいかないことも多いみたいで。改めて恋愛って難しいんだなって思いましたね。
妹とザ・ピーナッツの名曲「恋のバカンス」をカバー
──4曲目「STAGE」は、ダンサブルでクールなEDMチューンです。
今の時代を生き抜くためのメッセージが込められていて、聴いた人に「がんばろう!」って思ってもらえたらいいなって。力強いEDMに合わせて私の歌い方もロックな感じに変えています。
──パワフルなボーカルがとても耳に残りました。
曲のカッコよさを崩さないようにしようと、ほかの曲とかなり歌い方を変えましたね。あとこの曲は振り付けもあって、ライブではみんなで手を回しながら盛り上がれるんです。私自身がすごくテンションの上がる曲なので、パフォーマンスしていて楽しいです。
──そこからガラッと変わるのが、5曲目のバラード「恋してる」ですね。
この曲は、会いたいのに会えないっていう情景が繊細に描かれていて。このアルバムの中では一番切ない感情で、もどかしい心の叫びを伝えるように歌いました。
──6曲目「Baby Girl」はいかがですか?
「Baby Girl」って、海外では男の人が「僕のかわい子ちゃん」みたいな意味で使うんですけど、ここでは「あの人のそういう存在になりたい」っていう女の子の気持ちを歌っていて。元気でポップなラブソングなので、これもライブで盛り上がりそうだなって思っています。
──そしてラスト、7曲目「恋のバカンス」は妹のアンジェラ・チューバックさんとコラボしたザ・ピーナッツのカバーです。前作に引き続き、アルバムの最後は妹さんとの曲なんですね。
今回もまた妹とのデュエットをやりたいなと思って。「恋のバカンス」はもちろんリアルタイムでは聴いてないんですけど、昔、テレビの懐かし映像みたいなので観て好きになって。小学生くらいからよく姉妹でハモって歌っていたんです。そんな思い出のある曲だったから、私から「この曲歌ってみない?」って妹に提案して実現しましたね。
──50年以上前の曲なのでよく知っているなと。そういう経緯だったんですね。
スタッフさんにも「こんな懐かしい曲、よく知ってるね」ってビックリされました(笑)。曲は、レトロな感じも残しつつ少しテンポを上げたアレンジになっていて、間奏にはフェイクやコーラス、スキャットっぽい要素も入れています。レコーディング中は2人で細かいところまで詰めていって、「私はこう歌ってるからそろえて」とか「ここはもっと溜めよう」とか、お互いのブースに向かってマイクで指示を投げ合ってました。
今年中にワンマンをやりたい
──アルバムジャケットは、ピンクがキュートな1stと比べてだいぶ大人っぽくなりましたね。
今回は20歳っぽく撮ろうってことで、少し大人っぽさを意識したメイクと衣装になっています。1つ歳を重ねただけなんですけど、確かにけっこう変わっていますね。
──表情も、強い意志を感じる瞳が印象的です。
撮られてるときはそこまで意識してなかったんですけど、CDになって改めて見ると表情も前とはガラッと違いますね。まずはこのジャケットから、1歩大人になった私を感じてもらえるとうれしいです。
──最後に今後の活動予定を教えてください。
このアルバムをリリースしたら、キャンペーンで地方を回ったり、リリイベや対バン形式のイベントに出演予定です。あとは今年中の目標としてワンマンをやりたい! まだできるかわからないんですけど、とりあえずはそこを目指してやっていきたいです。
──リリースのスパンも短いので、新曲もまたすぐ届きそうな気もします……というか、期待してます。
はい! 私も今の勢いを止めたくないので、できるだけ早く次の作品に向けて準備したいなって。常に新しい曲のアイデアは溜めているので、それを形にできるようにがんばりたいと思います。
- メロディー・チューバック「Harmony」
- 2017年5月10日発売 / 日本クラウン
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[CD]
2000円 / CRCP-40513
- 収録曲
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- Harmony
- 幸せのストーリー
- 君がずっと好きだから ※リード曲
- STAGE
- 恋してる
- Baby Girl
- 恋のバカンス / メロディー・チューバック & アンジェラ・チューバック
- メロディー・チューバック
- カナダ人の父と、歌手でもある日本人の母を持つ、1997年生まれのハーフの女性シンガー。4歳でCMソングの歌唱など歌手活動を始め、2007年からはNHK教育(現:NHK Eテレ)「天才てれびくんMAX」に“てれび戦士”としてレギュラー出演した。2016年、短大の声楽科に通いながら本格的に音楽活動を開始。同年4月から放映されたテレビアニメ「マクロスΔ」の挿入歌を担当した。また同年9月から、自身で立ち上げたYouTubeチャンネルにて歌唱動画を投稿し話題に。2017年1月25日に日本クラウンからメジャーデビュー作となるミニアルバム「Melody」、同年5月に2枚目のミニアルバム「Harmony」をリリースした。