MELiSSA|もう派生ユニットじゃない、アイカレ発ガールズロックユニットが行く先

アイカレのことを考えていたらMELiSSAは売れない

──新メンバーを3人入れたのは、もう1人のオリジナルメンバーであったAYUさんが卒業することになったからですか?

古川 AYUは僕が好きな力強い歌声、僕はパワー系と言ってるんですけど、そういう歌声を持っている人で、MELiSSAの活動を始めてからメキメキと力をつけていって。できればずっとこの5人のままがいいなと思っていたんですけど、本人は大学進学を機に芸能の仕事から引退したいとのことで3月に卒業しました。そのあと新メンバーを入れずに活動を続けるという選択肢もあったんですが、事務所と相談してオーディションをやろうという話になって。アイカレの派生ユニットなので、アイカレから新メンバーを入れるのが道理ではあるんですが、今所属してるいろんなメンバーの組み合わせを考えた結果、自分の理想のイメージとマッチしなかったんですよ。なので外から入れることにしました。

──アイカレのサブプロジェクトという意味合いはもうなくなったんでしょうか?

古川 僕の中ではもうアイカレの派生ユニットとは考えてなかったし、アイカレのことを気にしすぎているとMELiSSAは売れないと思ってたんです。アイカレと兼任しているメンバーもいるけど、MELiSSAはMELiSSAだと。

──新メンバー3人がオーディションを受けたきっかけはなんだったんですか?

AiNA 私は以前にも何回かアイドル活動をやっていたんですけど、キャピキャピすることに疲れてしまって……。LiSAさんの曲を聴いたことがきっかけでロックでカッコいい曲が好きになって、自分もそっちのほうが合ってるのかもと思い始めたんです。それでお金もまったくない状態で地元の愛知から東京に飛び出してきて、MELiSSAのオーディションを見つけました。今は好きなことができてると身に沁みて感じていて、人生で一番楽しいですね。

古川 AiNAには語らずとも僕がやりたいことを理解してくれそうな雰囲気があったんですよね。あとは声質、声量、表現力がすごくよかった。でも、面接後に「僕が入れたい」と言ったときは事務所から一番マークされてたかも(笑)。何かやらかしそうだなって(笑)。

AiNA えー!

PARU そんな雰囲気全然ないのに!

古川 そのあとちゃんと話してみたら、しっかりした子だということがわかりました(笑)。活動に対してすごく真摯な姿勢を持っていて、ライブのあともすぐに連絡が来るんですよ。「今日の私どうでしたか?」って。ちゃんと考えながら活動しているし、すごく真面目です。

新しいMELiSSAを作ってくれるという期待があった

──MiSAKiさんはどういった経緯でオーディションを受けたんですか?

MiSAKi 私は高校で軽音楽部に入って、それがきっかけでロックが好きになったんです。ライブハウスで演奏したこともありました。だから表に立つことが好きなんですよね。歌って踊るのも好きで、カッコいいロックなグループに入りたいと思ってオーディションを探しているときに、SoundCloudでMELiSSAの曲を聴いてハマって。すぐにオーディションに応募しました。

古川 これは初めて言うんですけど、MiSAKiは1度書類審査でスルーしたんですよ、僕。

MiSAKi えっ。

古川 でも事務所が会ってみたいということで面接に呼んで、最終的にグループに絶対に欲しいと思うようになりました。声質がほかのメンバーとは全然違ったんですよね。アイドル的でもないけど、めちゃくちゃロックでもない。めちゃめちゃ通る歌声を持っていて、MELiSSAの音楽性が広がるイメージが浮かんだんですよ。だから「俺のバカ!」というか、事務所に感謝ですね。

MiSAKi よかった……(笑)。

──YU-KiさんはなぜMELiSSAのオーディションを?

YU-Ki 私は両親が音楽をずっとやっていて、母も歌手を志していたんです。物心付いたときには生活の中心に音楽があって、中学に上がる頃には私も歌手になると決めていました。大学生のときも音楽の学校に同時に通っていて。でもそのうちになんだか疲れてしまって、上京したタイミングで某レコード会社に就職したんです。音楽の仕事はしたいけど、表に出るのは嫌だと思い始めちゃって……でも、仕事をしていくうちにやっぱり表舞台って輝いてるなと感じるようになり、そんなときにMELiSSAのオーディションを見つけました。そのときの会社も簡単に入れるようなところじゃないので辞めるかどうかすごく悩んだんですけど、先輩たちに「今しかできない仕事を選んでみたら?」と言っていただいて、こっち側に踏み出すことにしました。

古川 彼女は最後に面接したんですよ。僕的には一番悩みました。仕事をやっていたぶん、しっかりしているんだけど、ホントに会社を辞めてこっちに来るリスクを取れるの?と疑っていて。でもスキル的には高いものがあって、彼女が入ることで音楽的にやれることが増えるだろうなと思ったんです。結果として仕事を辞めてきちゃったので、その覚悟があるのなら一緒にやっていこうという話をしました。オーディションにはほかにも歌える子がいっぱい来たんですが、中でもこの3人は僕のイメージにハマって、新しいMELiSSAを作ってくれるという期待がありました。

髪色で人を判断しちゃいけない

──オリジナルメンバーは新メンバー3人と初対面したとき、どのような印象を抱きました?

PARU 「どういう子が入るのかな」とずっとドキドキしていて、アルバムの新曲をレコーディングするときに初顔合わせをしました。3人共アイカレには絶対いないタイプだし、仲よくやっていけるかなと不安でしたけど、いい意味で私たちとは違うタイプの子たちで、それぞれいろんな覚悟を持って入ってきたのが伝わりました。

古川 先輩メンバーのほうがめっちゃビビってたよね。

PARU 「先輩? 何それ?」みたいな感じで来られたらどうしようと思ってたんですよ(笑)。

古川 本当はメンバーもオーディションに立ち会いたいと言ってたんですけど、それは止めたんです。メンバーに選ばせちゃうと、仲良くなれそうかという判断基準で選びそうで絶対にブレるので。

MUTSUMi 私も正直、すんごい怖かったです。オレンジや青の髪色を見て「私、やっつけられちゃんじゃないか」と思って(笑)。でも、一緒に活動していくうちにみんな努力家であることがわかってきました。途中からグループに加わるのって絶対不安なはずなのに、覚悟を持って飛び込んできてくれたことがうれしくて。髪色で人を判断しちゃいけないんだなと反省しました(笑)。

MELiSSA

──(笑)。まだ初顔合わせから2カ月くらいしか経ってないんですよね(取材は7月に実施)。

BAYASHi 3人共グループになじむのが早くて、やりやすいですね。もう新メンバーと言えないくらいのパフォーマンスをしてるし、3人を見ていて学ぶことも多いです。

AiNA すごく活動しやすいんですよ。こんなに温かく迎え入れてくれるんだって驚きました。入って数日で1つのグループとして活動しているという感覚を感じられました。MELiSSAの一員になれたことがホントにうれしいです。