Meik|“少年ボイス”を武器に ソロアーティストとしての一歩を踏み出す

2016年11月にダンスボーカルグループJ☆Dee'Zを卒業したMeikが、ソロアーティストとしてデビュー。1stミニアルバム「Make It Happen」を完成させた。本作は1980年代のディスコ、ファンク、R&Bなどを現代的なポップミュージックに昇華したダンサブルな仕上がりとなっており、彼女のソウルフルでパワーにあふれたボーカル、ハイレベルなダンスパフォーマンスに大きな注目が集まりそうだ。

16歳にして新しいキャリアをスタートさせたMeik。ソロデビュー後初めてのインタビューで彼女は、目標とするアーティスト像や「Make It Happen」の制作などについて、はっきりとした口調で語ってくれた。

取材・文 / 森朋之

悔し涙を流したソロ初ライブ

──Meikさんは2016年11月にJ☆Dee'Zを卒業し、その後ソロアーティストとしての活動をスタートさせました。

Meik

はい。2014年、中学2年生のときにグループでデビューして、ライブを中心にいろいろな活動を経験しました。当時はグループでの活動にすべてをかけていたし楽しくやらせてもらっていたんですけど、去年の11月に卒業という形を取ったんです。ソロとしての活動が本格的に始まったのは今年に入ってからなんですが、グループとは違って歌もダンスも振り付けも1人でやらなくちゃいけないし、もちろんMCも自分だけで。それが思ったよりも大変だったんですよ、最初は。

──不安もあった?

不安しかなかったです(笑)。ソロでの初ライブは手も体も震えたし、1人で歌って踊って、休憩なしでMCもやって。グループのときはメンバー4人のうちの1人だったんですけど、ソロの場合はすべての視線が私に集まるじゃないですか。もともと緊張しやすいし、途中で息が上がっちゃうこともあって、ライブが終わったあとは悔しくて泣いちゃいました。でもファンの方が待ってくれていたのはすごくうれしかったし、ずっと表に立てる人間でありたいなって改めて思いましたね。今はソロとして目指すアーティスト像に近付くためにがんばっているところです。

「え? 私ってこんな声なの?」

──どんなアーティスト像を思い描いているんですか?

Meik(Photo by Hiroyuki Ueno)

幼稚園の頃からヒップホップダンスをやっていて、ブラックミュージックに憧れがあるんです。最初はマイケル・ジャクソン、その後ジャネット・ジャクソンやビヨンセを好きになって。ダンスをやっていなかったら、そこまで洋楽を聴いてなかったかもしれないですね。ソロデビューにあたっていろんな音楽を改めて聴いてみたんですけど、やっぱりファンクやR&Bが好きだなって思いました。最近はアレサ・フランクリンをよく聴いています。

──16才の女の子がアレサを聴いてるって、カッコいいですね!

(笑)。古い音楽に興味があるんですよね、今は。アレサさんはとにかく声がカッコよくて。私もどちらかというとハスキーな声なので、彼女の歌い方がお手本になるんです。日本のアーティストではAIさん、倖田來未さんが好きなんですけど、やっぱり低くてカッコいい声に惹かれますね。

──デビューミニアルバム「Make It Happen」も、Meikさんの声質を生かした楽曲が並んでいますね。

左からMeik、Shingo(APOTHEKE)。(Photo by Hiroyuki Ueno)

ありがとうございます。80年代のディスコファンクを基本にしているんですけど、それが一番出ているのが「LOVE ~愛はディスコ~ feat. Shingo(APOTHEKE)」という曲です。タイトルの付け方も80年代っぽいですよね。アルバムの打ち合わせのときに候補の曲をたくさん聴かせてもらって、その中で私が「すごくいい!」と思ったのが、Shingoさんが所属しているAPOTHEKEというグループの楽曲だったんです。私は男の子みたいな少年ボイスなので、Shingoさんの美しいファルセットボイスに惹かれて。「ぜひコラボしてみたいな」と思って、自分から声をかけさせてもらいました。

──“少年ボイス”という言い方、初めて聞きました(笑)。確かに変声期前のマイケル・ジャクソンのような声質ですよね。

よく「男の子が歌ってるのかと思った」と言われるんですよ。「とても16歳の女の子が歌えるとは思えない」とか。以前はそれがコンプレックスだったんです。初めてレコーディングしたときは「え? 私ってこんな声なの?」ってショックを受けてしまったし。でも、歌の経験を重ねる中で「これが自分の個性なんだな」と受け入れられるようになって。今では自分の武器として考えています。

Shingoさんの声を聴いたとき、鳥肌が立ちました

──最近は高い声の女性シンガーが多い中で、パンチの効いたMeikさんの声は際立ちますよね。「LOVE ~愛はディスコ~」はブラックミュージックのテイストが色濃く出ているし、すごく合っていると思います。

すごく好きな曲なんですけど、こういう曲調は今まで歌ったことがなかったから、楽曲の世界観を理解するまでには少し時間がかかりました。切ないラブソングなんですけど、私はまだ恋愛したことがないので(笑)、すべて妄想しながら歌いました。こういうディスコファンクって、上の世代の方には「懐かしい」と思ってもらえるだろうし、私と同世代のリスナーにとっては新鮮なんじゃないかなって。私の曲をきっかけに、たくさんの人にブラックミュージックに興味を持ってもらえたらうれしいですね。

──Shingoさんとのレコーディングはどうでした?

すごくよかったです! Shingoさんとはレコーディングの現場で初めてお会いして、別々に録ったんですが、Shingoさんの声を聴いたときは鳥肌が立ちました。「どこからそんな美しい声が出てくるの?」って。完成した曲を聴いたときも、感動して自然と涙が出てきちゃいましたね。ソロになってからはコーラスも全部1人で録ってたんですけど、自分以外の人の声が加わることで、こんなにすごいことができるんだなと改めて感じました。

──もしかして、すぐ泣いてしまうタイプですか?

涙もろいです(笑)。人が泣いているのを見ると自分も泣いちゃうし、ライブでも……グループのときは取材で「夢はなんですか?」と聞かれて、熱く語ってるうちに号泣しちゃったことがあって。メンバーは“口ポカーン”でしたね(笑)。実は今も緊張しているし、ちょっと泣きそうなんですよ。ソロになってから初めてのインタビューなので。

Meik「Make It Happen」
2017年7月26日発売
UNIVERSAL MUSIC / POWER PLAY MUSIC
Meik「Make It Happen」初回限定盤

初回限定盤 [CD]
2000円 / POCS-9165

Amazon.co.jp

Meik「Make It Happen」通常盤

通常盤 [CD]
2000円 / POCS-1597

Amazon.co.jp

初回限定盤CD収録曲
  1. LOVE ~愛はディスコ~ feat. Shingo(APOTHEKE)
  2. Let It Spin
  3. パーティーガールズ
  4. 恋するハート・ショット
  5. Kotori
  6. 今夜はメイク・ミー・ラブ・ユー
  7. Let's Go(ボーナストラック)
通常盤CD収録曲
  1. LOVE ~愛はディスコ~ feat. Shingo(APOTHEKE)
  2. Let It Spin
  3. パーティーガールズ
  4. 恋するハート・ショット
  5. Kotori
  6. 今夜はメイク・ミー・ラブ・ユー
  7. In Da World(ボーナストラック)
Meik(メイク)
幼少期からダンスを始め、キッズダンサーとして数多くのアーティストのミュージックビデオに出演。2013年9月にダンスボーカルグループJ☆Dee'Zのメンバーとしてシングル「Beasty Girls / Let the music flow」でメジャーデビューを果たす。約3年間の活動を経て2016年11月にグループを卒業した後、2017年にソロアーティストとしての活動を始動。7月にミニアルバム「Make It Happen」をリリースした。