ゲームのループ感＝人生

──このアルバムでMEGさんが新たに歌詞を書いている曲は1曲だけですが、これはMEGさんの作品では異例ですよね。

ですね。そのぶん、企画全体やどういうふうに歌おうかっていうところに集中できたっていうのはありますね。

──RPGがテーマということですが、実際にアルバムを通して聴いてみると、もっと広い世界が描かれている印象を受けました。

そうですね。「君が為」の詞を書いてくれたアヴちゃん（女王蜂）はミュージカル感があるって言ってくれました。

──なるほど。

人によってRPGに対する捉え方も幅広いし、イメージするものが違うと思うんですけど、ゲームの中の出来事って普通に暮らしてる中でも経験することだったりするし、結局人生いろいろあるよねみたいな（笑）。だから実はこのアルバム「人間讃歌」が裏テーマなんです。

──「CONTINUE」というアルバムタイトルの由来は？

昔、ゲームをやってると終わりのエンドロールのあととかに「CONTINUE?」っていうのが出てきて「YES」を選ぶとまた最初の面の裏面的なのが始まることってあったじゃないですか。気付けば2度目は、最初のときよりも楽に進めるようになってるっていう、あのループ感が人生みたいだなって。誰の人生にもいろんなストーリーがあって、またそれは繰り返すし、今その場面に直面している後輩とかがいたらアドバイスができる立場にもいるんだっていう。その流れを描きたかったんです。

「魔界村」2周目の記憶

──話は変わりますがMEGさん自身はゲームはやるんですか？

そこそこですね（笑）。子供の頃にやった「魔界村」はなぜか覚えてます。その、全部クリアしたあとでちょっと違う2周目が始まるっていうのが斬新でそこだけなんか。

──そのほか好きなゲームは？

私はやっぱりマリオで育ってますから。マリオとかヨッシーとかドンキーコングとか。任天堂大好き（笑）。マリオにもけっこう人生感じますもん。

──どのあたりに？

同じく、最初はミスするけど、次に直面したときにはうまく進めるようになってるところ。一度タヌキマリオになってたら、次に葉っぱが出てきたときに「あ！ ここでだ」ってなる感じとか。ちょっとずつ学んで成長していく感じが。

丸ごと1つのプロジェクトとして

──ところで前作「WEAR I AM」から本格的にチーム体制で制作をしていると伺いましたが、今回も同様に？

はい。やっぱり“チームMEG”は制作が楽しいんですよ（笑）。私だけじゃ思いつかないアイデアもそこにはあるし、みんなで作ってる、それによって幅が広がってるっていう感じがします。

──チームで制作することによって、MEGさん自身の色が薄まってしまう不安はないですか？

このプロジェクト自体がひとつの表現っていうふうに捉えてもらえるといいなって思ってます。今回自分では歌詞を書いてなくて、ほかの人に楽曲提供してもらってるけど、歌詞を書けば今したい表現が終了ってことでもないなと思って。

──なるほど。

だからビジュアルや企画自体を含めて、まるっとエンタテインメントとして届けたいアルバムです。「また変なことやってるね」「どういうことかよくわかんないけど面白そうだね」みたいなものになればいいなって。

──アルバムから派生した「MEG THE WORLD 2 ～世界初！クロスメディアRPG～」というゲームを実際に遊ぶこともできるんですよね。

そうなんです。いろんなWEBサイトを旅するゲームなんですけど、それもまとめて「あ、そういう企画なんだ」って理解してもらえるといいなと思いますね。

──ナタリーもそのフィールドの一部になってますからね。

そんな濃いおまけも、あまり誰もやってないから面白いなって。ただこの企画、拡散のこととかほぼ考えてないんですよ（笑）。アルバムテーマの「旅」にあわせて「SNSを旅する！」ってことにだけ集約して作ってるんで、純粋にやった人が楽しんでもらえたらいい！ってところに目的があるのが、素朴でいい企画だなと思います（笑）。皆さん独自に拡散をお願いしないとたぶんヤバい（笑）。

──お話を伺ってるとMEGさんすごく楽しそうですね。

楽しいですよ。今のチームと一緒ならなんでもできる気がするし、夢って叶うんだなって思います（笑）。