ナタリー PowerPush - MEG ZOMBIES+MEG
ゾンビと戦士、TeddyLoidと横山克
同時進行で制作していく面白さ
──今回意外だったんですが「KISS OR BITE」の作詞はMEGさんじゃないんですよね。
MEG そうなんです。自分名義の曲で歌詞を書いてないのは珍しいんですけど、ゾンビは別人格だから。自分で歌詞を書かないほうが別人格っぽさが出るような気がして。
──作詞は藤林聖子さん。アニメソングや特撮系の歌詞を得意とされてる作家さんですよね。
TeddyLoid 僕は最初歌詞をもらったときにいつものMEGさんが書かないような歌詞だったんで驚いて。
MEG そうだ、説明してなかったんですよね(笑)。
TeddyLoid すごくエッジが効いてるし攻撃的で。曲にぴったりの歌詞だと思いました。
──制作の順番は、このゾンビのほうから?
MEG はい。こっちの曲を先にレコーディングしてるときに横山さんの曲が届いて。
横山 曲を書いてるときに、WEBでMEG ZOMBIESのビジュアルを見たんです。それで楽曲に疾走感とか哀愁とかっていう要素が強くなった気がする。
──「SAVE」の歌詞は?
MEG 「KISS OR BITE」を録りながら書いてました。ゲームも含めての展開を考えながら。
──いつもの歌詞の書き方とは違いましたか?
MEG そうですね。歌詞に横文字が欲しいなっていうところにはゲーム用語を入れてみたり。ゲームの用語ってビートもののダンスミュージックに合う響きのものが多いんですよね。
TeddyLoid 「コンティニュー」とか?
MEG そうそう(笑)。この曲のテーマになってる戦士は、最初は任務を守るってところから始まって、でもやっぱり葛藤だったり人間味みたいなものが後半につれて出てくるんです。それにあわせて、歌詞も頭のほうはゲーム用語が出てくるんですけどだんだん減ってくっていう、そういう構成にしてます。
横山 アレンジもそれにあわせて変えたんですよ。途中から生っぽい楽器が出てきたり、ストリングスやピアノが入ってきたり。
MEG そう、それが同時進行の面白さですよね。歌詞がこうだからアレンジもこうしようとか。臨機応変に作っていけたのはよかったです。
TeddyLoid それは今回すごく思いました。まさにゲームの世界にいるような感じで作業してたというか。ゲームっていきなり敵が現れたりするから(笑)。いきなりいろんなことが起こるのが面白くて。
タイアップなしで単純にやりたいだけ
──このプロジェクトは楽曲やゲームやアートワーク、その全部が合わさって1つの世界を作ってるんですね。
MEG そうなんです。とにかく今のチームは「みんなに楽しんでもらいたい」っていうのが軸にあるんで、それってすごく大事なことだと思うんですよね。こういうゲームの企画って、何かタイアップありきで作ったりすることが多いと思うんですけど、ノンタイアップでやってるっていう。
──あ、そういえば。普通はゾンビ映画とかゲームのタイアップがつきそうなもんですけど、これはただ勝手にやってるんですね。
MEG そう、単純にやりたかった!っていう。
TeddyLoid やりたかったから作っちゃいましたみたいな。
MEG それが形にできるってことがチームワークの結果だし、大事だと思うんです。だからこそみんなのアイデアが盛りだくさんに入って、新しいことも楽しみながらやれてます。
──アルバムにつながる今後の展開も楽しみですね。
MEG はい、今までもパッケージ含めて考えてたりはしたけど、今回はそれがもっと広がった感じ。ほんとみんなで一緒に遊びたくて。楽しみを作るのはすごくいろんな段取りがあるけど、充実しています。まだ始まったばかりなんで、今後も追いかけてほしいですね。
- MEG ZOMBIES ニューシングル「KISS OR BITE」/ 2013年6月5日発売 / 1000円 / スターチャイルド / KICM-1451
- MEG ZOMBIES「KISS OR BITE」
収録曲
- KISS OR BITE
- グラジオラス -夢ならいいのに-
- KISS OR BITE(off vocal ver.)
- グラジオラス -夢ならいいのに-(off vocal ver.)
収録曲
- SAVE
- ワスレナグサ -夢をみていた-
- SAVE(off vocal ver.)
- ワスレナグサ -夢をみていた-(off vocal ver.)
MEG(めぐ)
2002年7月にシングル「スキャンティブルース」でメジャーデビュー。2007年からは中田ヤスタカ(capsule)をプロデューサーに迎えて音楽制作を行い、アルバム「BEAM」「STEP」「BEAUTIFUL」はiTunes Store総合アルバムチャート連続1位を獲得する。多くのファンの支持を集める中、2010年10月のライブを最後に国内での音楽活動を休止。その後は「JAPAN EXPO Paris」に出演するなどフランスを中心に活躍し、2012年より活動を再開。4月25日にコンセプトアルバム「LA JAPONAISE」、10月にオリジナルアルバム「WEAR I AM」をリリースした。音楽以外にもファッションブランド「CAROLINA GLASER」のメインデザイナー、コスメブランド「baw」のディレクターを務め、モデルとしても多くの雑誌の表紙を飾るなど、東京カルチャーの代表的なファッションアイコンとして多方面に活躍中。
TeddyLoid(てでぃろいど)
1989年生まれのサウンドクリエイター。2010年に☆Taku Takahashi(m-flo / block.fm)主宰のTCY Recordingsへ参加し、☆Takuと共にアニメ「Panty & Stocking with Garterbelt」のオリジナルサウンドトラックを制作する。2011年には柴咲コウ、DECO*27とgalaxias!を結成。翌年の「COUNTDOWN JAPAN 12/13」には、初音ミク楽曲をフロア向けに全曲リメイクしライブミックスした“初音ミク×TeddyLoid”名義で出演した。2013年はももいろクローバーZの「Neo STARGATE」でアレンジとミックスを担当。同年4月の「ももいろクローバーZ 春の一大事 2013 西武ドーム大会」ではオープニング楽曲を制作し、ライブ本編のDJとして共演を果たした。
横山克(よこやままさる)
1982年生まれ、長野県出身の作曲家、編曲家。ドラマ、アニメなどの映像音楽を中心に活躍し、近作にはドラマ「悪夢ちゃん」「夜行観覧車」「35歳の高校生」など。ポップミュージックの作・編曲も手がけており、ももいろクローバーZ「Chai Maxx」「D'の純情」「上球物語 -Carpe diem-」など代表作も多数。