ナタリー PowerPush - MEG
岡村靖幸&大沢伸一参加 新たな歌謡曲「TRAP」
昭和のアニメのエンディングみたいな切なさを
──カップリングの「セブンティーン・ランデヴー」も歌謡曲的な色が濃いですね。NARASAKIさんにはどういうリクエストを?
この曲はテンポとか時代観とあわせて、ライブでやるならこういうメイクと衣装のダンサーと一緒にこういうリズムで歩いてくるようなイメージ、って伝えて上がってきたものが「まさに!」っていう。NARASAKIさんの曲だったのは、歌詞が出来上がったあとで知らされました(笑)。
──かなりビジュアル重視のリクエストですね。
そうですね(笑)。で、曲を聴いてすぐに浮かんだ歌詞を乗せて。
──昭和の歌番組で歌っても違和感のない曲ですよね。
そう、昭和のアニメのエンディングテーマみたいな切ない感じ。歌詞も60~70年代の歌謡曲みたいな。好きなんですよ、あの頃の女の人の歌。すごくストレートだったりしてかわいいです。
──「たそがれて ひとりぼっちよ / だから お願いね / 夜は短いの」といったフレーズは、まさにそういう雰囲気で。
ですね、どこかふんわりして、ぼやっとした刹那感というか、色に例えると薄いピンクとかパープルみたいな、そういう曲を作りたかったんです。
小西さんは先生って感じがする
──もう1曲のカップリング「私がオバさんになっても」は、森高千里さんのカバーですが、これはどういう意図で選んだんですか?
この曲は元々歌詞がすごく好きでよく口ずさんだりしてたんですけど、CMの話をいただいて、フルでレコーディングできると聞いて、びっくりしましたね。
──小西さんとの作業はどうでした?
なごみますね(笑)。やっぱり先生って感じがするから。この曲を作り終わってから、小西さんがお知り合いの結婚パーティで回されたらしくて「すごく盛り上がったよ」って教えてくれたんですよね。確かに私、今まで結婚式で歌えるような曲がなかったなと思ったり(笑)。すごくかわいくて好きな曲です。
──原曲よりBPM速めなところも……。
友人たちとのカジュアルな2次会感あるでしょ?(笑)
活動休止で気付いた日本の素晴らしさ
──このシングルの3曲を並べてみると、ここから新しいポップスをやっていくんだという、MEGさんの意志が伝わってくるようですね。
はい。活動再開後の1発目ということで、なんでも自由にやれる分、どういうものを作るかっていうのはかなり慎重に考えたんですけど、ほんとに満足いく作品になって良かったです。
──そもそも今回の歌謡曲テイストっていうのは、どこから出てきたんでしょう。フランスで活動していた影響もあります?
んー、どこからなんですかね? でも日本での活動を休んで一回リセットできたっていうのはあると思います。仕事とか関係なく、自分が本当に好きなものを選んで摂取する時間があったから。そのときに聴いてたものからまた好きなものが見えてきて、っていう感じです。昔の日本のクラシック=歌謡曲に目が向いたっていうのも多分そこからだし、日本に元々あるものの素晴らしさに改めて気付くことは多かったから。
──じゃあ次作以降も、やはりポップスや歌謡曲というのがキーワードになっていくんでしょうか?
かな?と思います。でもやっぱり踊れるものは好きなのでビート感は入れつつ、メロディラインに懐かしさがあるものに今は惹かれています。今回の「TRAP」っていう曲はその方向をズバッと向いた曲なんで、アルバムも多分そういう感じに。なるのかな?(笑)
──アルバム制作はまだこれから?
まだなんにもしてないんで(笑)。これからです。
CD収録曲
- TRAP
- セブンティーン・ランデヴー
- TRAP(instrumental)
- セブンティーン・ランデヴー(instrumental)
初回限定盤DVD収録内容
- MEG BIRTHDAY PARTY 2010 in Puroland
- TRAP(MUSIC CLIP)
- TOUGH BOY(MUSIC CLIP)
MEG(めぐ)
2002年7月にシングル「スキャンティ ブルース」でメジャーデビュー。2007年からは中田ヤスタカ(capsule)をプロデューサーに迎えて音楽制作を行い、アルバム「BEAM」「STEP」「BEAUTIFUL」はiTunes Store総合アルバムチャート連続1位を獲得する。多くのファンの支持を集める中、2010年9月にリリースしたベストアルバム「BEST FLIGHT」と、同年10月のライブを最後に国内での音楽活動を休止。その後は「JAPAN EXPO Paris」に出演するなどフランスを中心に活躍した。2012年より国内での活動を再開し、4月にコンセプトアルバム「LA JAPONAISE」、6月にシングル「TRAP」をリリースした。6月23日には、東京・SHIBUYA-AXにてスペシャルライブパーティを開催する。音楽以外にもファッションブランド「CAROLINA GLASER」のメインデザイナー、コスメブランド「baw」のディレクターを務め、モデルとしても多くの雑誌の表紙を飾るなど、東京カルチャーの代表的なファッションアイコンとして多方面に活躍中。