ナタリー PowerPush - May'n
充実の日々と渇望の歌
海外のライブも「また帰ってくるからね」という気持ちで
──長期におよぶツアーを行う上で、不安になることはないですか? 体を壊してしまったらどうしようとか。
気持ちの上で不安になることはあまりありませんけど、喉は気を付けなくちゃいけないなと思います。1年間続くツアーなので、喉のケアはいつも以上に気を付けています。でもどんなにハードなスケジュールでも調子よく公演が続けられているので、あまり心配はないですね。
──そのあたりは10年やってきたからこその自信も大きいのでしょうか。
そうかもしれませんね。初めて長めのツアーをやったときに喉を壊してしまったので、それがトラウマというほどではないですが、2度と失敗しないって心に誓っています。
──海外のライブ経験もかなり重ねていますけど、海外なりの見せ方、海外ならではの注意点などはありますか?
海外だからと意識することは、最近特になくなってきました。海外でも日本と変わらないライブがしたいという思いも強くなっています。2008年に初めての海外公演があって、2010年には初めて海外でワンマンライブをさせていただいたんですけど、その頃は海外だからちょっとスペシャルな内容というか、代表曲を集めたような内容にしていたんです。でもいざ舞台に立ってみると、日本と全然変わんないんですよね。日本語の歌でもこんなに1つになれるんだ!ってわかったときに、変にスペシャルなものを見せたくないなと思って。日本と同じように「また帰ってくるからね」という気持ちでライブがしたいんです。だから今回のツアーの海外公演も、シングルのカップリングやアルバム曲も入れた、日本のツアーと同じものを持って行きます。
──ツアースケジュールを見ても、福岡、シンガポール、インドネシア、茨城……とフラットに羅列されてるのが面白いですよね(笑)。世界を串刺しにしてつなげるみたいな。
あははは(笑)。そうですね。
「最高をみんなで一緒に更新していきましょう!」
──こうして10年目に高い志を持ってツアーを回ったり新作をリリースしたりできることって、改めて素敵なことですよね。本当に充実していると思うのですが、個人的に何か満たされていないもの、渇望していることはありますか?
うーん、特に浮かばないですね。ライブもこんなにたくさんやらせてもらえていますし、楽曲面でもいろんなことにチャレンジさせてもらっていて。ビジュアルも前作「今日に恋色」(参照:May'n「今日に恋色」「NEW WORLD」特集 May'n×kz(livetune)対談)では今までになかったナチュラルな表情を撮ってもらって。「ViViD」(2013年7月発売のシングル)で初めてカラフルな衣装を着て笑顔なジャケットやPVに挑戦したときは、これまで作ってきたイメージが壊れるんじゃないかとすごく不安だったんです。でも自分の軸さえしっかりしてれば心配ないとわかったし、ファンの皆さんも喜んでくれて。これからも「May'nと言えばこうだよね」という自分の思い込みを壊していけるような、いろんなチャレンジがしたいです。
──チャレンジを重ねてイメージを壊して、どんどんブラッシュアップしながら究極型に近付いていくと思うんですけど、究極超人May'nの最終形態はどのようなものになるんでしょうか?
どうなんでしょうね(笑)。音楽を作る上でのゴールは絶対にないと思うので、そのときどきで思う究極のもの、その時点で最高なものを毎回作り続けたいです。あとで振り返ったときに「あ、今ならもっと最高なものが作れるじゃん」って思えるようにどんどん更新していきたいし、ライブのMCでもよく「最高をみんなで一緒に更新していきましょう!」って言うんですけど、最高をさらにさらに更新していくというのがずっと私のテーマなんだと思います。
- ニューシングル「Re:REMEMBER」/ 2014年6月18日発売 / FlyingDog
- 初回限定盤 [CD+DVD] 1944円 / VTZL-81
- 通常盤 [CD] 1404円 / VTCL-35184
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CD収録曲
- Re:REMEMBER [作詞:藤林聖子 / 作・編曲:NAOKI-T]
- 誰がために [作詞:藤林聖子 / 作・編曲:NAOKI-T]
- カタツムリ [作詞・作曲:周杰倫 / 訳詞:地宗明香 / 編曲:NAOKI-T]
- Re:REMEMBER(without May'n)
- 誰がために(without May'n)
- カタツムリ(without May'n)
初回限定盤DVD収録内容
- Re:REMEMBER(MUSIC VIDEO)
May'n(メイン)
1989年10月21日、愛知県名古屋市生まれ。幼い頃から歌手を目指し、中学生のときに「ホリプロタレントスカウトキャラバン」のファイナリストに残りデビューのきっかけをつかむ。2008年に本名から「May'n」へと改名し、同年4月より放送されたアニメ「マクロスF」で作中に登場する歌姫シェリル・ノームの歌声を担当。「シェリル・ノーム starring May'n」名義によるシングル「ダイアモンド クレバス / 射手座☆午後九時 Don't be late」が大ヒットを記録した。2010年1月には初となる日本武道館単独コンサートを開催。同年3月には初のアジアツアーを大成功に収めた。2014年2月からは2015年のデビュー10周年に向け、日本全国47都道府県ツアーを含む世界規模のツアー「May’n Road to 10th Anniversary Japan & World Tour 2014-2015『dots and lines』」を実施中。6月18日には2014年第2弾となるニューシングル「Re:REMEMBER」を発表した。