ナタリー PowerPush - 松下優也

さらなる高みへ 22歳目前2ndアルバム「2U」

前以上に悩むことは増えた

──ところで前回のインタビューでは、活動全般について「純粋に好きだから仕事という感覚がない」っておっしゃったんですけど、あれから1年半が経った今はどうですか?

仕事という感覚は今もないっちゃないですけど、考えることはより増えましたね。あの頃を振り返ると、そのとき目の前にあることにぶつかっているだけだった気がするんですよ。18歳でデビューして、年上の人たちに囲まれて、言われることを聞くだけで精一杯だったところもあるし。それが今20代になって、考える頭ができてきたというか。だから前以上に悩むことは増えたかもしれない。

──悩みも、以前の悩みとは違う次元かもしれないですね。

そうですね。実は僕、人に悩み相談とかしないんですよ、全く。

──自分で決めちゃうんですか?

なんか「かわいそう」とか「大丈夫?」とか思われたり、人に同情されるのがすごい嫌いで。負けず嫌いやから、人にあんまり弱音を吐きたくないんです。だから基本的に、自分の中で自問自答して答えを出します。

──負けず嫌いといっても、悩みを話すことは別に負けではないのに。

なんか悔しいっていうか、気恥ずかしいんですよね。ちょっと変わってるのかな(笑)。グループと違ってソロやし相談する人がいないっていうのもあるけど、どんなに仲良い友達でも核心的な悩みごとは打ち明けないですね。だから何考えてるかよくわかんないって思われてるでしょうけど。

僕1人の存在があるかないかで、誰かの人生が変わってしまう

──先程おっしゃっていたように、好きなことを仕事にして何年か続けると、純粋に好きという気持ちだけではなく、次第に使命感や義務感も増していくのは当然かもしれませんね。

うん、そういったこともすごく考えるようになりました。だって僕1人の存在、1曲の歌があるかないかで、誰かの人生が変わってしまうわけじゃないですか。それを一番意識する場面がライブで。僕自身はたくさんライブをやらせてもらってますけど、今日この日を特別に思って来てくれた人もいるし、偶然通りかかって観た人もいる。その1人ひとりに僕の思いを伝えられたらいいなって、毎回意識してますね。流れでやらないように。

──自分のためにも、お客さんのためにも、良いパフォーマンスをしたいですもんね。

ライブは僕自身も一番好きです。音楽そのものの一番大切な部分を伝えられるのは、ライブだけだと思います。CDで聴くものが「音楽」なんじゃなくて、みんなで音を楽しむこと自体が「音楽」だと思うんですよ。特に僕は歌とダンスをどちらも大事にしてて、ライブでは両方見せられるので、そういう意味でもライブはすごい大切です。

──なるほど。去年は初めてバンド編成でのワンマンライブも行いましたが、それはいかがでしたか?

今まではダンサーと一緒にやったり、DJが後ろにいたりするのが基本で、バンドはほとんど経験なかったんですけど、すごく良い手応えがありました。

──例えばどんな?

生バンドの良いところは、ショーというよりもライブ感。音を操れる感じですね。俺の動きひとつで長さもアレンジも調節できるわけですよ。それに対して、カラオケやインストだと決まった尺の中できっちり魅せなきゃいけない。どちらもそれぞれの良さがあるけど、いまの自分のスタイルにはライブ感を大事にしていきたい。

いずれは全てをセルフプロデュース

──「ライブが一番好き」とおっしゃっていたり、芝居の面では舞台も経験していたりと、松下さんはステージというものが元来お好きなんですね。

そうだと思います。ほかの人のステージを観るのも好きです。ライブのあの、開演するちょっと前の来るぞ来るぞーっていう感覚が昔からすっごい好きで。あの非現実的な空気。きっと、そのライブまで学校に行ってたり、仕事してたり、遊んでたり、いろんな方がいると思うんですけど、会場に入った瞬間、何か独特な雰囲気に呑み込まれる。お客さんとしてそれを感じるのも大好きなので、自分のステージでもそう感じさせたいなって思うんですよ。自分が非日常的な空間に引っ張っていきたい。

──そのようにライブでの空間作りを追求していくと、じきに表舞台に出るだけでは飽き足らなくなるのでは?という気がします。

はい。いずれは全てのことをセルフプロデュースするのが理想ですね。ただ、今はもっと松下優也のいろんな引き出しを自分でも見つけたいし、みんなにも見てもらいたいっていう時期。これから歳を重ねていったとき、映画「THIS IS IT」でマイケル・ジャクソンが自分でステージを演出していたように、音楽の深みがわかる人間になってライブ作りができたらと思います。

──いつかそうなるために、今具体的に努力してることや心がけてることってありますか?

まず、常に刺激に触れること。それから、今好きなものばかりに傾倒しないで、自分が初めにカッコいいと思った「音楽」を続けていくことですね。例えば、僕はファッションも好きだけど、あくまで音楽ありきで。服の世界にどっぷり浸かるんじゃなくて両立させていけたらなって。音楽という芯の部分をずっと忘れたくないです。

2ndアルバム「2U」 / 2012年02月22日発売 / EPIC RECORDS JAPAN

  • 初回限定盤A[CD+DVD] / 3980円(税込) / ESCL-3863/4 / Amazon.co.jpへ
  • ニューアルバム「2U」初回限定盤Aジャケット画像
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  • 通常盤[CD] / 3059円(税込) / ESCL-3867 / Amazon.co.jpへ
  • ニューアルバム「2U」通常盤ジャケット画像
CD収録曲
  1. Theme of 2U
  2. SUPER DRIVE
  3. Naturally
  4. Beautiful Days
  5. INTERLUDE I
  6. 4 Seasons
  7. Paradise
  8. Life in the dark
  9. INTERLUDE II
  10. Last Dance' 06
  11. 2 of Us
  12. キミへのラブソング~10年先も~
  13. Bird
  14. A Song For You
  15. Beauty & Beast
  16. Secret Love feat. BRIGHT, SHUN
  17. Step by Step
初回限定盤A DVD収録内容
  1. Bird(Music Video)
  2. 4 Seasons(Music Video)
  3. Paradise(Music Video)
  4. Naturally(Music Video)
  5. SUPER DRIVE(Music Video)
  6. キミへのラブソング~10年先も~(Music Video)
  7. Live Documentary from「3rd Anniversary Special Live」
  8. 「SUPER DRIVE」from「3rd Anniversary Special Live」
初回限定盤B DVD収録内容
  1. 映画「ヒカリ、その先へ」本編
  2. 映画「ヒカリ、その先へ」劇場予告編
松下優也(まつしたゆうや)

兵庫県出身、1990年生まれの男性シンガー。2008年11月、Jin Nakamuraプロデュースのもとシングル「foolish foolish」でデビュー。2010年6月に1stアルバム「I AM ME」をリリースする。その後、2011年には3枚のシングルを発表したほか、全国8カ所を回る全国ツアーも実施。同年12月には東京・国立代々木競技場第一体育館で開催された「MICHAEL JACKSON TRIBUTE LIVE」に最年少アーティストとして出演する。2012年には1月にシングル「キミへのラブソング~10年先も~」を発売した後、2月に2ndアルバム「2U」をリリース。3月から自己最大規模となる全22カ所の全国ツアーを敢行する。また、TBS系ドラマ「カルテット」の主演および主題歌を担当し、フジテレビ系昼ドラマ「明日の光をつかめ2」に出演するなど、俳優としても注目を集めている。