僕の“ものがたり”を振り返ると、不安と葛藤がつきまとう、そんな日々だったなと思います。歌を始めたことは、自分にとってまさに急展開。グループのボーカルとして歌い始めてみたものの、ほかの人との違いや劣等感をめちゃくちゃ感じてしまう。ホントによくないことだったなと今になって思うけど、「僕の代わりなんていくらでもいるんだ」と思っていたときもありました。

ネガティブな気持ちを抱えながら、自分のスタイルがわからないまま歩いている。でも、とにかく前に進むしかない、立ち止まる時間はないと思い、上京を決めた18歳。「迷ってばかりじゃいけない」と思い、後ろ向きな思いは大阪に置いてきました。

そこからは「自分のスタイルを確立したい」という一心でいろいろな挑戦をしたけれど、自分を取り巻く環境ががらりと変わるタイミングや心にグサリと来るような出来事も何度かあって、折れそうになることも正直たくさんあったんです。でもそんなときには、自分を応援してくれる方がいるという事実にめちゃくちゃ支えられた。僕が折れずにがんばることができたのは、それが理由です。応援してくれる方の支えを感じて、歌も自分自身も磨いていきたいと強く思うようになりました。

今通っているボイストレーニングはまるで心技体を磨く道場のようで、自分のよさや個性を磨けている実感があります。歌には僕の内面が大きく関わってくる。そのときどきの自分のコンディションで、曲の表情ががらりと変わってしまう。だから、自分の心への向き合い方も学んでいます。僕は今、いろんなことを経験したからこそポジティブでいられると思っていて。こうやって振り返ると、すごく豊かな“歌人生”を歩んでこれたなと思います。もちろんこれからも、予想もつかない出来事がたくさん起きると思うけど、何に対してもポジティブに向き合いたい。みんなと一緒に楽しめるような面白いことを考えながら、これからの歌人生を歩んでいきたいなって思います。