MASHのイベントのほうが変化や真価がわかる

──前回の取材（参照：MASH A&R フロントマン鼎談）から1年半くらい経ちますが、その頃に比べてSaucy DogとYAJICO GIRLはいろいろ変化があったのでは？

松本　うーん、どうだろう？慎ちゃん（石原）は入ってきたときから愛玩動物みたいだよね。後輩感がすごくて。

山中　そういう意味ではあまり変わってない（笑）。けど、Saucy Dogはマネージャーが俺らと一緒やからちょいちょい話は聞いてて。「むっちゃ活躍してるんやな」と思う。MASHじゃないところで先輩や同世代のバンドマンとしゃべっててもときどき名前が出てきたりするんで。陰ながら応援してる。

三原　同じ事務所とはいえ、お互いのライブはなかなか観られないからね。フェスで会うこともあるんですけど、やっぱりMASHのイベントのほうが変化や真価がわかるやろなと思う。最近だと、フレデリックが「逃避行」という曲をYouTubeにアップしたのと同じタイミングで、Saucy Dogが「ゴーストバスター」のMVをアップしてて。めちゃくちゃいい曲だったし、毎回新譜が前作を超えてきてる感じはしてます。

石原　ありがとうございます！ライブは前よりも楽しく感じられるようになりましたね。もちろん悔しい思いをするときもたまにあるけど、メンバーの仲もよくなって「今日楽しかった！」と言えることが増えました。

山中　YAJICO GIRLは音源がすごく面白くなってきたという話を聞いてるから楽しみにしてる。「どんな曲ができてるんやろな？」って。

三原　ちょうど今日ね、YAJICO GIRLの音源をもらったんです。聴いたらたぶん変化を感じられるんじゃないかな。

四方　今、新しいアルバムを作ってて、明日マスタリングなんですよ。ここ1年くらいは楽曲制作に力を入れてたけど、その新曲たちを最近ライブでやり始めてるところで、自分らでもいろいろ変わってきてると思います。もう学生気分じゃいられないので。

岩渕　四方はずっと曲作ってる感じやったよね。パノラマパナマタウンとYAJICO GIRLはけっこう同じ人間が制作に携わってて、「（YAJICO GIRLの新作は）すごくいいのができてる」なんて情報も聞いたりしつつ。時間をかけて作っているのを知ってるから、相当楽しみですよ。

四方　めっちゃプレッシャーじゃないですか！

岩渕　だって、四方とは踏み込んだ話もよくしてるやん。「今鳴らすべき音ってなんだろう？」とか「ヒップホップが強い時代で、バンドはどういうことをやったら面白いものが作れるかな？」とか。純粋に音源がどうなったかは楽しみだよ、ライバルとして。

同じ悩みを抱えるLAMP IN TERRENとパノラマパナマタウン

──中堅のLAMP IN TERRENとパノラマパナマタウンはどうですか？去年から変わったところとか。

石原　パノラマパナマタウンはこの前の「パナフェス2019」で呼んでもらったときに観たけど、めちゃめちゃ変わってました。

四方　うん、やっぱりカッコいいなあって。

石原　特に想太とタノ（アキヒコ / B）かな。（田村）夢希（Dr）と浪越（康平 / G）はしっかりボトムを支えてくれてる感じで、タノがパフォーマンスの面で前に出て、想太は歌がすごくうまくなった気がします。ちゃんと伝わる歌い方というか。

岩渕　ありがとう。MASHに入ったのは俺らが先なのに、石原のほうが歳上だからほとんどタメな感じなんですよ（笑）。その点、LAMP IN TERRENはわかりやすく先輩で。

松本　そうだね（笑）。

──LAMP IN TERRENはどうですか？

松本　俺は“正直”になったと思います。あと、以前はどちらかというと自分の体の後ろ側からライブ全体を俯瞰で見てたのが、今は自分の肉体に宿る魂からすべてを見てるような感じがあるんです。そのおかげか誰とでも正面で向かい合って話せてる気がするし、それが相手にも伝わってるんじゃないかな。

山中　うん。大のことは弟みたいにずっとかわいがってきたので。もうね、会ったらすぐわかるんですよ（笑）。実際にLAMP IN TERRENの曲を聴くよりも大と会うほうが、バンドが今どうなのかが伝わりやすい。

松本　（笑）。

山中　バンドの状態がモロに出る性格やから。でも、底上げされた感じはあります。無理してテンション上げてたり、どこか苦しいのを抑えながら日々がんばってたり、昔はそういうのが多かったんやけど、正直になったのかもね。悩まなくなったわけではないにしろ、全体的にしっかり前を向いてるのが普通にしゃべっててもわかるので「よかったなあ」と。