MAISONdes入居者特集|SAKURAmoti、ツミキ、すりぃ、ニト。が語る「うる星やつら」主題歌 (2/2)

【インタビュー】すりぃ
すりぃ

プロフィール

1994年生まれの29歳。2018年3月3日に音楽活動を開始。2021年(令和3年)3月3日を“すりぃの日”として、同日にミニアルバム「HEAUTOSCOPY」を配信リリースした。Adoをはじめとしたさまざまなアーティストへ楽曲を提供する一方で、2023年12月には全国ツアー「グラデーション」を行うなどシンガーとしても活動している。

担当楽曲

「アイワナムチュー feat. asmi, すりぃ」

歌舞伎町を歩いてみたり

──曲作りはいつ頃始めたんですか?

音楽に興味を持ったのはアニソンきっかけだけど、作曲をガッツリするようになったのはボカロを使い始めてからです。僕は小学生の頃からニコニコ動画を観ていた世代で、当時はカラオケでもよくボカロ曲を歌ってました。

──最初に触れた楽器は?

アニソンきっかけでギターを始めて、ニコニコ動画で“弾いてみた”とかを観ながら練習していました。通ってる学校には軽音部がなかったので、地元の友達とコピーバンドを組んで。大学では軽音サークルに入って、そこでもバンドを組みました。

──歌詞とメロディ、どちらを先に制作しますか?

基本的にはメロディが先だけど、歌詞と同時にできることもあります。まずは適当に言葉を当てはめながら弾き語りをして、ガイドラインになるようなものができたら少しずつ整えていく感じです。歌詞を考えるときは「ことばさあち」というサイトも使っています。例えば「見る」で終わる4文字の言葉が欲しいとき、「ことばさあち」で検索してみる。そうすると、あ、そういえばこんな単語あったなって思い出せるんですよ。

──MAISONdesの場合はボーカロイドではなく生身のアーティストが歌唱しますが、それにあたって何か意識することはありますか?

そこまで変化させるところはないですね。僕は自分で歌うこともあるので、ボーカロイドの楽曲にも再現性を持たせているというか、人が歌える範疇に留めるようにしています。機械的なアプローチとかはあまり意識したことないかな。

──担当楽曲の歌い手とはどんな交流がありましたか?

今回のコラボで初めてasmiちゃんを知って、そこからファンになり、自分のライブにゲスト出演してもらいました。MAISONdesをきっかけに新しいつながりができて、ありがたいなと思っています。

──「うる星やつら」の世界観は楽曲にどう反映させましたか?

楽曲単体でも独り立ちできるような、普遍性のある内容にしてほしいという依頼をいただいたので、「うる星やつら」の全体的な流れを取り入れつつ、所謂“メンヘラ”みたいなテーマで作りました。曲のイメージを膨らませるために歌舞伎町を歩いてみたりもしましたね。

──MAISONdesというプロジェクトについてどう思いますか?

歌い手が指定されていない状況で曲を制作することもあるので、“まさかこうなるとは思ってなかった”みたいな、そういう面白いことが起こる場なんじゃないかなと思います。

【インタビュー】ニト。
ニト。

プロフィール

2002年生まれの21歳。2019年に「青と春。」を投稿して音楽活動を開始。2023年8月に夏の曲を集めたEP「turquoise」をリリースした。yama、+α/あるふぁきゅん。、木原瑠生らへの楽曲提供やイラスト制作も行っている。

担当楽曲

「アイタリナイ feat. yama, ニト。」

「バイマイダーリン feat. みきまりあ, ニト。」

「春紛い feat. アユニ・D, ニト。」

「ラムのラブソング」に対するアンサー

──曲作りを始めたきっかけは?

もともとバンド系の音楽を聴いていて、中2の終わり頃にVOCAROCKにハマりました。積極的に音楽を作るようになったのは、ボカロに触れてからだったような気がします。

──最初に触れた楽器は?

ギターですね。高校生のときに部活でバンドを組んで、そこで本格的に弾き始めました。

──歌詞とメロディ、どちらを先に制作しますか?

メロディが先です。僕は本を読むのが苦手で、ボキャブラリーが極端に少なくて。だから作詞はいつも大変(笑)。同じ言い回しを使いすぎないように試行錯誤してます。

──MAISONdesの場合はボーカロイドではなく生身のアーティストが歌唱しますが、それにあたって何か意識することはありますか?

普段は歌う人のイメージに合わせるようにしてるんですが、MAISONdesのときは誰が歌うかわからない状態だったので、どうしたらいいかわからなかったです(笑)。

──担当楽曲の歌い手とはどんな交流がありましたか?

みきまりあさんのときはレコーディングに参加して、少しお話しさせてもらいました。yamaさん、アユニ・Dさんとはお会いできていないのですが、お二人の曲をずっと聴いていたので、今回ご一緒できてうれしかったです。

──「うる星やつら」の世界観は楽曲にどう反映させましたか?

「アイタリナイ」は「ラムのラブソング」(「うる星やつら」の初代オープニングテーマ)に近付けました。「ラムのラブソング」に対するアンサーになるようなフレーズを歌詞に入れて、Cメロの「ああ あたしが持ってるのは」という部分ではメロディも「ラムのラブソング」に似せてます。「バイマイダーリン」の歌詞はラムちゃん(「うる星やつら」のヒロイン)目線、「春紛い」の歌詞はあたる(「うる星やつら」の主人公)目線で書きました。「春紛い」はあえてシンプルに、あたるがギター1本で歌ってるようなイメージを浮かべながら作りました。

──MAISONdesというプロジェクトについてどう思いますか?

以前は人に歌ってもらう曲を作ることがほとんどなかったので、MAISONdesを通していろんな人に歌っていただけるのがめちゃくちゃ面白いし、できあがった作品には予想外のよさがあって、すごくいい経験になりました。これからも一緒に楽曲を作っていきたいです。

【クロストーク】SAKURAmoti、ツミキ、すりぃ、ニト。

キーワードは“アイ”?

SAKURAmoti 僕は今19歳で、皆さんの曲を昔から聴いてた世代なので、MAISONdesはファンとしてもすごく楽しいプロジェクトでした。

すりぃ 若い……(笑)。

SAKURAmoti 「アイウエ」が人生初のレコーディングだったんです。すごく緊張して、肩がキュッとなりました(笑)。

すりぃ 「アイワナムチュー」を作る前、「アイウエ」が出てたじゃないですか。“いや、アイウエって(笑)”と思いました。

SAKURAmoti 「アイウエ」っていう言葉は美波さんのアイデアなんですよ。すごいですよね(笑)。

すりぃ 「アイワナムチュー」は“アイ”つながりで作ったんです。

ツミキ そう、僕以外みんな“アイ”から始めてる。そんなルールあったけ?ってめっちゃ不安やったんすよ(笑)。

すりぃ やっぱり「うる星やつら」って愛がテーマみたいなところもあるじゃないですか。チームプレイできてないな……。

ツミキ なんでやねん(笑)。ハブらんといてよ。

すりぃ 「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」はツミキと組んでるバンド(Aooo)で何回かカバーしていて。2番で展開がガラッと変わるところとか、すごく面白いアプローチだなと思います。もうやりたくはないですけど(笑)。

ツミキ みんなからやりたくないって言われるんですよ。

ニト。 「バイマイダーリン」ではみきまりさん(NOMELON NOLEMONにおけるツミキの相方・みきまりあ)が歌ってくれることになって、それはもう緊張しましたよ(笑)。

ツミキ ほかの方が作った曲を歌うとどうなるんだろうってワクワクしてました。曲が初出しされるときの放送をリアルタイムで観させてもらって。新鮮な気持ちで曲を聴けたのが印象的でした。

ニト。 みきまりさんの声がすごくマッチしていて、ありがたかったです。

ツミキ めっちゃ勉強になりました。僕と全然違うサウンドアプローチで、こういうメロディだとこういう歌い方をするんだなあとか。自分の楽曲にも生かせそうです。

ニト。 恐れ多いですが、ありがとうございます!(笑)

MAISONdes

MAISONdes

プロフィール

MAISONdes(メゾン・デ)

「架空の六畳半アパート」をコンセプトにした音楽プロジェクト。和ぬか、美波、SAKURAmoti、花譜、ツミキ、asmi、すりぃ、yama、ニト。、みきまりあ、アユニ・Dなどさまざまなアーティストをフィーチャーして楽曲を制作している。「ヨワネハキ feat. 和ぬか, asmi」はTikTokで楽曲ランキング4週連続1位を獲得。2023年3月にミニアルバム「ノイジールーム」をリリースし、2024年6月にアルバム「Noisy Love Songs - MAISONdes × URUSEIYATSURA Complete Collection -」を発表した。