推しって偉大だなと思います

サクライ 葵ちゃんとは出身が同じ大阪というのがあって……。

矢川葵 でもサクライさんの地元知らない。

サクライ うそ?

矢川 どこで生まれ育ったか知らないし、その地名を聞いても多分私はわからない。

サクライ あ、そう……。

──同郷感は特になかった(笑)。

矢川 その点について強いて言うなら、ポエトリーのレコーディングのときに私の関西のイントネーションをあんまり責めないでくれるのがサクライさん(笑)。

サクライ いつも葵ちゃんだけ、ほかの3人に言われてるんですよ。また関西弁が出てるって。

矢川 4人で同じ部屋に入って、マイク1本を2人で分けてしゃべってるんですけど、私の関西弁が出ると3人が一斉に「違う!」って言ってくるんですよ。

サクライ いつもその音声データを家に持って帰って切り貼りして整えてます。葵ちゃんはどういう気持ちでブクガをやってます?

矢川 今はめちゃめちゃモチベーションがあるからもっとがんばろうってすごい思ってます。

サクライ なんで?

矢川 推しが曲を聴いてくれてるから(笑)。

──ああ。元モーニング娘。の工藤遥さんがブクガを聴いているんですよね。

矢川 はい! 今までも「ファンの人ががっかりしないように」とか「ファンの人がブクガ好きって言っても恥ずかしくないようなアイドルでいよう」って気持ちがあったけど、あの推しの工藤さんが好きって言ってくれているんだから、私はもっとちゃんとしなきゃいけないってさらに思っていて。

サクライ 葵ちゃんは工藤遥さんのライブ映像とかをめっちゃ観てるけど、あれを見始めてからパフォーマンス面にいい影響が出ている気がしていて。

矢川 そんな気がする。コショージもよくほかのアイドルのライブ映像を観るじゃないですか。「ヒントがある」って言って。私は明確にここをこうしようって思って観てるわけではないんですけど、観ると気合いの入れ方がまた一段変わる気がします。

矢川葵

サクライ この前のライブで披露した「狭い物語」の、落ちサビの葵ちゃんのパートとかすごくいい感じだもんね。

矢川 お披露目の日は直前までずっと工藤さんの動画を見てたので(笑)。本当にモチベーションが上がります。推しって偉大だなと思います。

サクライ 偉大だと思うよ。

矢川 だから私のファンの人にもそう思ってもらうようにしなくちゃいけない。

サクライ そうそう。ブクガではビジュアル的には葵ちゃんが一番アイドルらしいから、モチベーションがそういう方向に行くのはすごくいいなと思いました。頼もしいですね。

本当にブクガに入ってよかった

──今回の個人面談では総じて「歌がよくなった」って話をしているんですが、矢川さんも本当に変わりましたよね。

サクライ 今と比べると、なんでそこまでできなかったのか不思議に思えるくらいの変化ですね。個人的に好きな葵ちゃんの歌い方があって、それが歌メロにハマるとめちゃくちゃ気持ちいいんです。ソロボーカルとしても使いやすいなと思う。

矢川 やった。歌かダンスかで言えば歌のほうが好きです。ボイトレの先生が付くようになって練習の仕方も教えてもらったし、1人でカラオケ行く機会も増えて。ダンスはまだ苦手だなと思ってるんですけど。

サクライ カラオケの動画をSNSに上げてたよね。

矢川 はい。好きで行ってるだけなんですけど、必然的に練習になるんです。高い音が出るようになると「あの曲を歌いたいな」ってなるし。あと、ブクガの歌を何回も聴いてるうちに自分の声が気持ち悪いと思わなくなったんですよね。今回のアルバムでは、曲に沿った、私が歌いたいなって思う歌い方ができました。サクライさんがいいパートをくれたので、より練習しようって気持ちになったし。でも、カラオケですっごい気合い入れて練習してからレコーディングに行ったら、「今日の歌い方はあんまりよくなかった」って言われたんですけどね(笑)。

左から矢川葵、サクライケンタ。

サクライ あったね。気合い入り過ぎてたのかも。でも、誰が聴いてもはっきりとわかるくらいメンバーが昔より歌えるようになったから、表現できることの幅が広がった。「歌で十分だろ」ってことでオケの音源を減らしたりもしたし。

矢川 へー!

サクライ アルバムはどうだった?

矢川 今回のアルバムはわかりやすいなと思いました。キーワードになってる「夢」って誰でも見る、共通認識があるものだから。fMRIとかAIを使って曲を作るのはブクガっぽいし、でも「ボーイミーツガール」みたいなこれまでなかったような曲もあるし、「ブクガは曲が似てるからどれがどれだかわからない」って言われがちだけど、このアルバムにはいろんなバリエーションの曲があるよって言える。だから……。

サクライ だから?

矢川 アルバムを工藤さんに送りたくて(笑)。送るときはお手紙を添えるので言ってください。

サクライ わかりました。確かに推しの存在って大事だよね。すごいわかる。

矢川 サクライさんもかわいい推しがいるじゃないですか。

サクライ 和田あずさ(君の隣のラジかるん)ちゃん。最近あずあずのためにがんばってる。

矢川 ふふ(笑)。私も工藤さんにまた曲を聴いてもらうためにがんばってる。一生工藤さんの話をしたいくらいなんです。朝起きたら工藤さんのSNSをチェックし、DVDを再生し。寝る前も映像を観てます。先にコショージがモーニング娘。にハマっていて、それを横目で見てたんですよ。以前の私は「松浦亜弥さんが最後の推しだから、ほかの推しなんてできないわ」って言ってたんですけど、胸ぐらつかんで「もうちょっとしたら天使が降りてくるから」って教えたい(笑)。

サクライ 僕も加入した当初の工藤さんが好きで。写真集とかも買ってました。

──小学生のときに入りましたからね。

サクライ 昔から知ってた人が今ブクガを聴いてくれているのが感慨深い。

矢川 本当にブクガに入ってよかった。

サクライさんがあずあずのためにがんばれば、私も工藤さんのためにがんばれる

──アルバムは推しに聴いてもらってもバッチリな仕上がりですか?

矢川 恥ずかしくないです。聴いてもらいたい。直接会うのは無理だけど。

サクライ 会いたくない?

矢川 会いたいけど会いたくない!(笑)

──いつになくテンションが高いですね。

矢川 熱く語るものがなかったからテンション低い人だと思われがちなんですけど、本来はこんな感じです。

サクライ 僕もあずあずが大切ですけど、まだ中3だから、ブクガのよさをわかってくれるかわかんないな。そういう意味で、誰にでも受け入れてもらいやすそうな曲を作らないとダメかもしれないね。

──推しに聴いてもらいたいがためにわかりやすい曲を作る(笑)。

矢川 でも今回はそういう曲もありますよ。私もブクガに染まってるから麻痺してるかもしれないですけど。

サクライ 唯ちゃんの友達はカラオケで「前前前世」を歌うような、ヒットチャートに入る音楽を好むタイプだけど、ブクガで好きな曲もあるってさっき聞いた。

矢川葵

矢川 工藤さんも生誕イベントで「前前前世」を歌ってますよ。あと、フェイバリットソングにOfficial髭男dismさんっていうおしゃれなバンドの曲とブクガの「言選り」が並んでるんですよ!

サクライ いいことだね。

矢川 スクショを何度も確認しました(笑)。「レインコートと首の無い鳥」にハマってるって書いてくれたから、もう大丈夫ですよ。あれに比べたらアルバムのほかの曲は全然かわいいです。

サクライ 聴きやすくなってるよね。

矢川 私、普通に買いたいと思うくらい好きな曲ばっかりです。

サクライ それはすごいうれしい。メンバーは直接感想を言わないから、曲を渡したときに、いつもどう思ってるんだろうって思ってた。

矢川 「言選り」は初めて聴いたときから好きだったけど、「レインコートと首の無い鳥」は、聴いて、覚えて、レコーディングして、振り入れして、なおかつライブで何回かやって、やっと好きだなって思い始めたんですよ。で、今さらサクライさんに「『レインコート』いい曲ですよね」って言うのもヘンだから、そのまま流れちゃってるかもしれない。でも本当にいいと思ってますよ。街でアルバムを手に持って「皆さんいいですよー聴いてくださーい」って言いたいくらいです(笑)。友達にも早く聴いてほしい。

──そして工藤さんにも聴いてもらいたいと。

矢川 はい(笑)。

サクライ 僕もあずあずのためにがんばろう。

矢川 あずあずのためにがんばったらブクガのためになるから。

──深い理解を示している(笑)。

矢川 サクライさんのあずあずのためのがんばりがブクガの活動を活発にして、私も工藤さんのためにがんばれる。みんなハッピー。相乗効果です。

サクライ 最後がただのヲタトークみたいになっててヤバいですね。