音楽ナタリー Power Push - Maison book girl

“ニューエイジポップを歌う無機質な少女たち”の素顔

矢川葵

矢川葵

まだ大阪に帰る気はない

──コショージさん曰く、一番変わらないのが矢川さん。

うーん。根本的には何も変わってないと思います。ちゃんとやろうっていうのは最初から思ってましたよ(笑)。度合いが変わったのかもしれないけど、ちゃんとやろうという気持ちはずっとあります。「次は赤坂BLITZだ」とか新しい目標が増えて、それに向かう気持ちは強くなったけど、ずっとがんばろうと思ってやってます。

──そうですよね。ブクガは全員地方出身で、矢川さんも大阪から東京に出てくる時点でかなりの覚悟を持っているわけで。

20歳くらいのときに、そうやって1つくらい決断しておかないと、私はこのまま何も決断せずに死んでいくんじゃないかと思って。やっとがんばろうと思うことができたんです。ブクガに入ったことが今までの人生で一番大きな転機なのかもしれない。

──実際、始まってみてから、お客さんが増えない時期というのもあったわけじゃないですか。

矢川葵

東京に越して来る前は「もしこのまま何も変わらなかったら大阪で就活しなきゃな」って思ってました。けど、こうしてデビューさせていただいたりして。まだ帰る気は、ない。もっと東京でがんばろうと思いました。

──矢川さんはこうなりたいと思い描いているものはあるんですか?

漠然としているんですけど、一番の目標は、親がテレビを観ているときに「うちの子が出てるな」って思ってもらいたい。大阪に行ってもすぐにブクガだってわかってもらえるようになりたい。そこはずっと目指してます。相当がんばらなきゃダメですよね。

──カフカの楽曲にゲスト参加しましたよね(参照:カフカ、ブクガ矢川葵も歌う「City Boy City Girl」を配信&MV公開)。ミュージックビデオにも出て、ライブにも参加して。そういった課外活動も積極的にやっていきたいですか?

いろんなことをしたいと思っているので、そういうお話が来るのはありがたいです。でもやっぱり、1人で出るとなると、ちょっとだけソワソワします。ブクガのワンマンのときって、和田ちゃんとか唯ちゃんは緊張しいなんですけど、私はあまり緊張しなくて。でも1人になると、私も緊張するんだなと思いました(笑)。

──ブクガは安心できる場所。

うん。

「私、寂しいって気持ちがあったんや」って気付いて

──東京の友達はできました?

できないですね。どうやったらできるんでしょう。最近は1日休みの日があんまりなくて、休みでもレッスンが入ってたりする。そうなると遊ぶ日があんまりない。ほかのアイドルさんと予定が合わないんですよ。会ったらしゃべる人はいるんですけど、がっつり遊びに行こうっていうのは誰ともできてない(笑)。

──そうしたくないわけではないんですよね。

遊ぶ約束をしても、明日急にレッスンが入ったりしたら断るのが申し訳なくて。ドタキャンになるじゃないですか。休みになってもあんまり気軽には誘えないです。

──そんなに急にレッスンが入ったりすることがあるんですか。

あるんですよ。それで2回くらい遊べなくなったことがあって。そうなると、「いつも誘ってくるくせにドタキャンするじゃないか」と思われたら嫌だなと思って、誘えなくなる。ドタキャンしても大丈夫な間柄の子だったら全然誘えるんですけど。

──そうなると、メンバーしか会う機会がない。

矢川葵

そうなっていきますね。コショージなら休みの日は確実に一緒じゃないですか。大阪に行くタイミングも一緒だし。そうなると、コショージとばっかりピューロランドに行くことになるんですよね(笑)。

──でもコショージさんはいろんな人と交友があるじゃないですか。

そうなんですよ。なぜ?

──なぜですかね(笑)。

すごい過密スケジュールで遊んでたりしますよね。午前中にピンキーさん(でんぱ組.incの藤咲彩音)と会って、そのあと撮影に行って、そのあとまたほかの友達に会うとか。すごいなと思います。私にそこまでのバイタリティはない。

──とはいえ矢川さんも、今くらいの人付き合いでいいと思っているんですよね?

いや、急に休みになったときに何もすることがないと寂しいなと思うようになりました。実家にいたときは妹が遊んでくれるんですよ。地元の友達と遊んだりもします。だけど最近は東京で1人なんで、「私、寂しいって気持ちがあったんや」って気付きました。

──「寂しい」とか「緊張する」とか人間らしい感情が芽生えている昨今。

はい。「おなか空くな」とか「悔しいな」とか、そういう感情もブクガに入って芽生えました(笑)。前は食欲もなくて。1日1食食べれれば別に大丈夫だったんですけど、最近は24時間ずっとおなかが空いてます。

ニューアルバム「image」 / 2017年4月5日発売 / 徳間ジャパンコミュニケーションズ
「image」ジャケット
初回限定盤 [CD+フォトブック] / 3500円 / TKCA-74485
通常盤 [CD] / 3000円 / TKCA-74486
CD収録曲
  1. ending
  2. sin morning
  3. end of Summer dream
  4. veranda
  5. faithlessness
  6. int
  7. townscape
  8. karma
  9. screen
  10. blue light
  11. opening
ライブBlu-ray+CD「Solitude HOTEL 2F + faithlessness」 / 2017年2月15日発売 / 徳間ジャパンコミュニケーションズ
「Solitude HOTEL 2F + faithlessness」ジャケット
[Blu-ray Disc+CD] 4500円 / TKXA-1110
Blu-ray収録内容
  1. cloudy irony
  2. snow irony
  3. bath room
  4. sin morning
  5. film noir
  6. Remove
  7. last scene
  8. 最後のような彼女の曲
  9. karma
  10. faithlessness
  11. 14days
  12. empty
  13. lost AGE
  14. bed
  15. blue light
  16. cloudy irony
  17. my cut
CD収録曲
  1. faithlessness

Maison book girl「major 1st album『image』release tour 2017」

  • 2017年4月2日(日)新潟県 SHOW!CASE!!
  • 2017年4月15日(土)愛知県 ell.FITS ALL
  • 2017年4月23日(日)福岡県 DRUM SON
  • 2017年4月29日(土)北海道 DUCE SAPPORO
  • 2017年5月4日(木・祝)大阪府 FANJ twice

Maison book girl「major 1st album『image』release tour 2017 final『Solitude HOTEL 3F』

  • 2017年5月9日(火)東京都 赤坂BLITZ
Maison book girl(メゾンブックガール)

2014年11月に活動を開始した、矢川葵、井上唯、和田輪、コショージメグミの4人からなる“ニューエイジポップ”ユニット。音楽家のサクライケンタが総合プロデュースを担当し、現代音楽とアイドルポップスを融合させた複雑かつキャッチーな楽曲で支持を集めている。2015年9月に1stアルバム「bath room」をリリースし、同年12月にはアメリカのオルタナティブロックバンド、Ringo Deathstarrの東名阪公演にサポートアクトとして出演。2016年11月に2度目のワンマンライブを東京・WWW Xで行い、チケットは即日完売となる。同月、シングル「river(cloudy irony)」で徳間ジャパンコミュニケーションズよりメジャーデビュー。2017年4月にアルバム「image」をリリースする。