音楽ナタリー Power Push - MAGIC FEELING
ポップに舵を切った「RAINBOW」
MAGIC FEELINGが10月19日にミニアルバム「RAINBOW」を発表する。
Dragon Ashらが所属するINNOVATOR内のレーベル・INNOVATOR RECORDSからリリースされる本作は、彼らにとって通算3枚目のミニアルバム。バンドの武器である、ポップでボーダレスなサウンドを楽しめる作品に仕上がっている。
音楽ナタリー初登場となる今回は、バンド結成の経緯からそれぞれの音楽遍歴、そしてアルバムに込めた思いまでメンバー4人に語ってもらった。
取材・文 / 大橋千夏 撮影 / 後藤壮太郎
mixiでメンバー探し
──まずはバンド結成の経緯からお聞きしたいのですが、どんないきさつでこの4人が集まったんですか?
桜本アキトシ(Vo, G) 僕とochanは奈良出身で、小学校からの幼なじみなんです。でも仲よくなったのは高校に入ってからかな。
ochan(G, Key) 2人共軽音楽部に入って、高1の文化祭の時期に桜本から「一緒にやらへん?」って誘われて。それからですね。
──当時お二人はどんなバンドを?
ochan ELLEGARDENとかRADWIMPSとかのコピーをやりつつ、オリジナルも作ってました。
──MAGIC FEELINGの楽曲は作詞を桜本さん、作曲を桜本さんとochanさんのお二人が手がけています。そのスタイルは当時から?
ochan 基本的にはそうですね。桜本が持ってきたメロディや曲のパーツを僕が形にして、バンドでアレンジを考えていくことが多いです。
──そもそも桜本さんがバンドを始めるきっかけはなんだったんでしょう。
桜本 母がピアノの先生をやっていたこともあって、小さい頃から音楽は身近な存在だったんです。あとは兄の影響が大きいかな。僕が小学生のときに兄がギターを買ってきて、一緒にバンドの映像を観たりして「カッコいいな」って感化されていったというか。高校で音楽漬けの日々を過ごして、卒業のタイミングで「もっと音楽を突き詰めたい」と思って上京したんです。
──桜本さんが上京したあとも、ochanさんは地元に残ったんですよね。どうやって活動を続けていたんですか?
桜本 電話越しに曲作りをしたりして、なんとか。でもベースとドラムは入れ替わり立ち替わりで変わっていたし、なかなか思うように活動できなくて。それで僕が一度関西に戻った2009年あたりに、Hideoと出会うんです。
ochan そう、mixiで関西のドラマーを探して。
──え、mixiですか?
桜本 mixiのプロフィール検索ってあるじゃないですか。あれで「ドラム」「大阪」とかキーワードを入れて(笑)。
ochan Hideoのプロフィール欄には「趣味:個人練習10時間」みたいなことが書いてあって。ストイックなのか、その逆なのかよくわからない感じに惹かれてメッセージを送ったのが始まりですね(笑)。
──Hideoさんは突然メッセージが届いてどう思われましたか?
Hideo(Dr) すごい熱いメッセージを読んで、正直「なんやこいつ」って思いましたよ(笑)。でも当時はいろんなバンドのサポートをしていた時期だったので、変わってるけど面白そうやなと思って一緒にやってみることにしたんです。
──なるほど。プロフィールを拝見すると、Soapさんだけ東京出身ですよね。
Soap(B) 僕は東京でHideoの兄貴と一緒にバンドをやっていて、その関係でHideoとも知り合って。そのバンドが解散して「バンドはもういいや」って思っていたときにHideoから連絡が来たんです。「3日後にライブがあるから弾いてくれ」って(笑)。
桜本 3人で東京での活動をスタートさせた頃ですね。Soapも加入してようやく今のメンバーに決まったのが、2012年の年明けくらい。
──紆余曲折あってこの4人がそろうんですね。バンド名はそれから決めたんですか?
桜本 いや、高2のときです。最初のライブが決まってバンド名を決めなきゃってなったときに、「FEELING」って言葉の響きがいいなと思って。でも「FEELING」だけじゃ検索にも引っかからないから、何か組み合わせる言葉を探したんだよね。
ochan それで「MAGIC FEELINGっていいんじゃね?」って。語呂もいいし、なんかしっくりきたんですよね。
ルーツの異なる4人が鳴らすサウンド
──桜本さん以外の皆さんがバンドを始めるきっかけは?
Hideo ウチは7人家族なんですけど、みんな何かしら楽器をやっていたんです。それで小4のときに兄たちから「ドラムがおらんからお前やれ」ってスティックを渡されて(笑)。そこからですね。
ochan 僕は中学までピアノを習っていたんですけど、高校の新入生歓迎会で観た軽音楽部の先輩たちのライブに衝撃を受けてバンドを始めました。
Soap 僕は中学でバンドをやるのが流行ってギターを始めて、それから徐々にベースのほうが好きになっていった感じですね。
──4人の音楽的なルーツは似ているんですか?
ochan 全員共通して好きなのはレッチリくらい? あとはけっこうバラバラだよね。
桜本 僕はなんでも聴くほうだけど、ochanはアンビエント、Soapはブラックミュージックとかクラシックメタルが好きだし、Hideoはヒップホップとかだもんね? それぞれの趣味とかバックグラウンドの違いがバンドのサウンドにいい意味で出ているんじゃないかと思います。
3年越しのリベンジ
──MAGIC FEELINGは現在の4人が集まった2012年から約2年間、すごい数のライブをこなしながらオーディションを受けていますよね。この頃のバンド内の雰囲気ってどんなものだったんでしょう?
ochan 音源とミュージックビデオを作って、ツアーをやってオーディションに出て……。とにかく表に出るきっかけをつかもうと必死だった記憶はあります。
──でもその結果は……。
桜本 うまく伝わらないというか、ムズがゆい時期でした。
ochan 今思えばよくも悪くも「自分たちがいいと思うものを作ってる」だけで満足していたんですよね。
桜本 リスナーのことを考えられていなかったというか。実は僕ら、3年前にもINNOVATORのオーディションを受けているんです。そのときは悲惨な結果やったな(笑)。
──今作はそのINNOVATOR主催の新人発掘オーディションでグランプリを獲得したことでリリースが決まった作品ですよね。ようやくリベンジも果たせたと。
ochan そうですね。ここまで遠回りもいっぱいしてきたので。
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収録曲
- ALL MY LIFE
- LET IT DIE ~Welcome To The New World~
- H.A.P.P.Y
- Oh Yeah
- GINGA
- RAINBOW
MAGIC FEELING「RAINBOW Release Tour 2016」
- 2016年11月6日(日)新潟県 CLUB RIVERST
- <出演者>
MAGIC FEELING / 午前四時、朝焼けにツキ / セプテンバーミー / NECOKICKS - 2016年11月8日(火)宮城県 仙台MACANA
- <出演者>
MAGIC FEELING / the twenties / BruteRocks / 松本、水野と(その他少数) / watame - 2016年11月14日(月)東京都 下北沢SHELTER
- <出演者>
MAGIC FEELING / 音の旅crew / FIVE NEW OLD - 2016年11月24日(木)愛知県 池下CLUB UPSET
- <出演者>
MAGIC FEELING / ASTLOGY / asobius / classicus / NOVELS - 2016年11月25日(金)大阪府 LIVE HOUSE Pangea
- <出演者>
MAGIC FEELING / ARKS /asobius / classicus / shimmer - 2016年12月1日(木)広島県 CAVE-BE
- <出演者>
MAGIC FEELING / 午前四時、朝焼けにツキ / RED in BLUE / and more
MAGIC FEELING(マジックフィーリング)
桜本アキトシ(Vo, G)、ochan(G, Key)、Soap(B)、Hideo(Dr)からなるロックバンド。2012年に桜本、ochanを中心に結成される。精力的なライブ活動の傍ら、2013年に1stミニアルバム「Debut」をリリース。翌年には2ndミニアルバム「THE MIXTAPE」を発売する。2015年4月にシングル「あかり/ 27」をリリースし、その後東京・下北沢SHELTERにて行ったワンマン公演のチケットはソールドアウトとなった。2016年10月に3rdミニアルバム「RAINBOW」をリリースする。