ときには無力感を感じるから
──「ここは特に気持ちが入るな」といったような、個人的に気に入っているパートはありますか?
リュウト 僕はマヒロのバースの頭2行が好きです。「何でも出来そうな無敵感と」「今にも倒れそうな無力感を」っていうところ。ただ明るいだけじゃなくて、こうして暗い言葉が入ることで曲がより深まるなって思う。このリリックは、「ハッピーエンドマジック」の大事な部分だなって思います。
マヒロ 僕もリュウトの言ったところはすごくいいなと思ってる。無敵感と無力感を「どっちも持ってここに立ってる」って、なんかいいなって。ずっとポジティブにはなかなかいられないけど、でもそういう面もあるから“君の前”に立っていられるのかなって思う。
リュウト 「明日もがんばろう、ひたむきに努力を続けるんだ、血と汗と涙の結晶の……」って感じじゃなくて、しっかりと僕らのリアルな気持ちに寄り添ってくれているなって思うんです。
マヒロ ときには無力感を感じるからね。
──あとは、曲の終わり方もすごく印象的ですよね。
マヒロ ジョーが「待ってよー」ってしゃべっているところですよね? あそこは僕とリュウトとトーマが……。
トーマ・リュウト・マヒロ ジョーを置いて行ってるんです。
マヒロ そしていくつになっても追い付けないっていう(笑)。
ジョー そりゃそうでしょう!(笑)
リュウト ジョーのバースがちょっと冒険風なテイストなんで、最後も冒険の一場面みたいな感じで作ってくださったんです。
──ここのレコーディングは4人一緒に?
リュウト はい。みんなで一緒にブースに入って、ワイワイ録りましたね。あと、僕のバースが始まる前のガヤガヤも、その場で出た言葉をそのまま入れてます!
満を持してのコラボ
──超マジック盤のカップリング曲「MAGiC HAND~マジヘン!~」はLUNAさんプロデュースの曲ということですが、これはLUNAさんの父親であるMr.マリックさんにかけた“マジックつながり”ということで合っていますか?
リュウト そうなんです。ジョーはマリックさん知ってる?
ジョー 「LUNAさんのお父さんはマリックさんなんだよ」って聞いて、最初は「誰だろう?」ってなった。
マヒロ あ、やっぱりそうなんだ。すっごいマジシャンなんだよ。
ジョー うん。YouTubeを観てみたらボボボッて手から炎出してた!
トーマ マリックさんのことはもちろんだけど、僕LUNAさんのこともテレビでよく観てたから、知り合う前から知ってたよ。
リュウト 実はLUNAさんとは、僕らが中3のときくらいからお付き合いがあるんですよ。「MAGiC SPELL~かけちゃうぞ!ぴっぴっぴっ~」(マジボのデビュー曲)のリリックを書いてくださったVIKNさんがLUNAさんの友達で、何度かご挨拶させてもらったことがあって。だから満を持してのコラボって感じなんです。
1stアルバムの経験値
──実際一緒に作業してみて、いかがでしたか?
トーマ LUNAさんの指示がめちゃくちゃ的確でどこを直せばいいのかがわかりやすくて、本当に「すごいな」って思いました。
──具体的にはどんな指示をもらったんですか?
トーマ 発音とかですね。あとは、どうやったら男らしい声が出せるかとか。子供っぽさが残っている箇所を指摘してもらったり。
マヒロ なんか、「MAGiC HAND」のレコーディングはそんなに時間がかからなかった印象があるんですよね。
──的確な指示をもらって、サクサク進んだような感覚がある?
一同 そうですね。
──それって、皆さんが指示に対してすぐに対応できる力が付いてきている、とも言えるのではないですか?
リュウト ああ。でも確かに、今回はこれまでのシングルの中で一番よく録れたんじゃないかなっていう実感があります。去年の夏の1stアルバム(「第一次成長期~Baby to Boy~」)が土台になって、1つ上のステージに行けたんじゃないかなって。
──アルバム制作が大きな経験になっているんですね。
リュウト はい。新しい曲を録ることもそうだけど、今までにあった曲を録り直すっていう作業がとても勉強になったと思います。「そういえば俺こうしてたな」「次はこうしてみようか」とかいろいろ考えたから。自分たちからも案を出せるようになったし、「MAGiC HAND」はそんな感じで当日にアレンジが変わった箇所もあります。
──皆さんの意見が反映されたのはどの箇所ですか?
トーマ リリックですね。僕らが書いたリリックをLUNAさんに見てもらって、それをアレンジしていただいたりしました。なので、けっこう自分たちのリリックが反映されているんですよ。
リュウト あとはフロウのアクセントを工夫してイカつく聞こえるようにしたりね。細かいところで自分の味を出せるように、アレンジさせてもらいました。
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鬼に青鬼
- MAGiC BOYZ「ハッピーエンドマジック」
- 2018年3月7日発売 / SDR
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おねだり盤 [CD]
1000円 / ZXRC-1136 - 収録曲
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- ハッピーエンドマジック
- O.NE.DA.RI
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超マジック盤 [CD]
1000円 / ZXRC-1137 - 収録曲
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- ハッピーエンドマジック
- MAGiC HAND~マジヘン!~
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食べざかり盤 [CD]
1000円 / ZXRC-1138 - 収録曲
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- ハッピーエンドマジック
- PAC47
イベント情報
- 平成29年度 卒業パーティー
- 2018年3月31日(土)東京都 HARLEM
- MAGiC BOYZ(マジックボーイズ)
- 高校生MCのリュウト、トーマ、マヒロ、小学生DJのジョーからなる4人組ヒップホップユニット。2014年9月に結成が発表され、11月に初パフォーマンスを行う。3月に「MAGiC SPELL~かけちゃうぞ!ぴっぴっぴっ~」でCDデビューした。2016年2月には初主演映画「イカれてイル?」(竹内道宏監督)が公開になり、同作の主題歌を表題曲とした2ndシングル「ありのままでマジボ」を発表。3月にMCフウトとユウトがグループを卒業する。5月にはジョーとミロの加入が発表され、8月に3rdシングル「Do The D-D-T!!」をリリース。10月末にはミロが卒業し、11月よりZEN-LA-ROCKがMCとして加入、12月にシングル「Oh!!!受験☆Night Fever」を発売した。2017年3月には、TOKYO HEALTH CLUBからの提供曲をリードトラックとするシングル「3.141592」をリリース。また同じ月にZEN-LA-ROCKが自身の楽曲制作と婚活のため卒業した。6月からは毎月ツーマンライブを行う自主企画「カニへ西へ」がスタート。2018年3月にTVKのドラマ「また来てマチ子の、恋はもうたくさんよ」のエンディングテーマをタイトルトラックとする「ハッピーエンドマジック」を発表する。