まふまふ|シーンを揺るがす“何でも屋”の快進撃

結局はみんな同じ“終点”にたどり着く

──先ほど「『終点』はもともと作りたかった曲」とおっしゃっていましたが、「明日色ワールドエンド」というアルバムは「終点」で終わるという構想が最初からあったということですか?

「終点」という曲を書こうとは前から考えていたんですけど、実は最後を「終点」にするか、もう1つ作っていた曲「ワールドエンド」にするかで迷っていたんです。「ワールドエンド」って曲は「終点」よりもアップテンポで、ちょっとわかりやすく希望を描いた曲。ただ「終点」が自分の中でしっかり納得できる曲に仕上がったので、こっちを使いました。

──「終点」は先ほど話していた「人は死んだらどうなる?」という答え、つまりまふまふさんの死生観が表現された曲ですよね。

はい。死んでしまったら人間は何もかも手放さなきゃならないし、きっと自分が自分であることも忘れて消えていく、ただそれだけなんだってことを書きたくて。これって悲観的な意味だけじゃなくて、いろんなしがらみからの解放であると捉えれば肯定的な意味もあると思うんです。どんなにきれいに取り繕っていても、どんなにズルイことをしてお金を稼ごうとも、どんなに立派な大義名分で人を救おうとも、結局はみんな同じ“終点”にたどり着く。この曲を聴いて、少し “終点”のことについて考えてもらったら、例えば目くじらを立てて誰かを非難していたこととか、ズルをしてまで手にしようとしていたものとか、そういったものがどうでもよくなるかもしれない。一度肩の力を抜いてもらって、人生にはいろいろ多角的な見方があるんだってことを伝えたかったんです。

“旅番組”っぽい実写映像も

──アルバムの初回限定盤Aには「まふまふ一人旅~ぶらり温泉街を行く~」を収録したDVDが付属するとのことですが、これはどういった映像なんですか?

もう本当に僕がただ温泉に行くってだけの実写映像です(笑)。群馬にある伊香保っていう温泉街にロケで行ったんですけど、なんとナレーションとして声優の内山昂輝さんに参加していただいたんです。DVDでは僕のしゃべり相手として声を吹き込んでもらっていて、僕が歩いているだけの映像をちゃんと“旅番組”っぽく仕上げていただきました。あとこの映像を初回限定盤Aに付属するDVDにしたのにもこだわりがあって。

──どういうこだわりですか?

ミュージックビデオとかライブ映像をA盤に付属するDVDに収録して、B盤にはちょっとサブ的コンテンツが入るのが普通だと思うんですけど、あえて逆にしてみたんです。僕はA盤に旅の動画、B盤にMVとライブ映像を入れています。もし今回のアルバムがランキングの上位に食い込んだとして、初回限定盤Aが紹介されたらDVDの収録内容に「まふまふ一人旅~ぶらり温泉街を行く~」って出るわけじゃないですか。「え、何それ?」って思ってもらったら面白いかなって(笑)。

もっと大きなムーブメントに

──最後にAfter the Rainのまふまふとして成し遂げたいことと、ソロアーティスト・まふまふとして成し遂げたいことを伺えればと思います。

誰かと組む以上は常に化学変化を起こしていたいと思うんです。1+1が2だったら、それは想定内の結果に終わるだけだからやる必要がなくて。2人になることで普通じゃできなかったことを成し遂げたいし、ほかの人より3歩先くらいまで踏み込めんだことをやりたいですね。それとおこがましいことを言えばムーブメントを作りたいです。

──すでにムーブメントになっているとも思いますが。

After the Rainとして活動することで、1つ今までになかった道を歩けている感覚があります。整えられた歩道があればそこを歩くように、みんな誰かの作った道の上を歩こうとすると思うんです。でも実は横の森を抜けたらもっと近道かもしれないし、まだ見つけてないような世界がどこかにあるかもしれない。だから僕たちはもっともっと新しいことにチャレンジして、それを見た人たちも新しいことにチャレンジするような流れになっていけばいいなと思っています。まふまふ個人では成し遂げたい夢がたくさんあります。その夢を死ぬまでの間、どんなことだって叶えたいです。永遠の命を手に入れることだって、人間にだったらそのうちできてしまうと思っています。アーティストとして成し遂げたいことは、作りたい音楽を全て作ることです。言いたいこと、作りたいものがなくなったら音楽をやる意味がないのでやめることになると思いますが、数百年あっても足りないくらい作りたい音楽があるので、終わらないと思います。

──まふまふさんはボーカリストであり、作曲者であり、演奏者でもあるわけで。やりたいことは尽きなそうですね。

僕は”何でも屋さん”なので、みんなの予想できないことを何でもやっていきたいです。

まふまふ「明日色ワールドエンド」
2017年10月18日発売 / NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
まふまふ「明日色ワールドエンド」初回限定盤A

初回限定盤A [CD+DVD]
2700円 / GNCL-1274

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まふまふ「明日色ワールドエンド」初回限定盤B

初回限定盤B [CD+DVD]
2700円 / GNCL-1275

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まふまふ「明日色ワールドエンド」通常盤

通常盤 [CD]
2160円 / GNCL-1276

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CD収録曲
  1. [Nexus]
  2. 輪廻転生
  3. 立ち入り禁止
  4. 眠れる森のシンデレラ
  5. 水彩銀河のクロニクル
  6. 夢のまた夢
  7. ふたりぼっち
  8. [Anonymous]
  9. 罰ゲーム
  10. フューリー
  11. 悪魔の証明
  12. 恋と微炭酸ソーダ
  13. 常夜の国の遊びかた
  14. すーぱーぬこになりたい
  15. [Lycoris]
  16. 終点
初回限定盤A DVD収録内容
  • 「まふまふ一人旅~ぶらり温泉街を行く~」
初回限定盤B DVD収録内容
  • 「夢のまた夢」MV&メイキング(実写ver.)
  • 「輪廻転生」MV&メイキング(実写ver.)
  • 「ひきこもりでもLIVEがしたい!」@幕張メッセ ライブ映像(2曲収録予定)

ひきこもりでもLIVEがしたい!
~明日色ワールドエンド発売記念公演~

  • 2018年3月20日(火)千葉県 幕張メッセ国際展示場9~11ホール
  • 2018年3月21日(水・祝)千葉県 幕張メッセ国際展示場9~11ホール
まふまふ
まふまふ
2010年よりニコニコ動画をはじめとして動画共有サイトで“歌ってみた”動画の投稿者として活動を開始。2012年からは自身のオリジナル曲も公開しており、ボーカリストとしてだけでなく作曲家、作詞家、エンジニアとしても活動する。2016年にはそらるとのユニットAfter the Rainを結成。同年4月にはAfter the Rainとして1stアルバム「クロクレストストーリー」をリリースした。2017年1月には初のソロワンマンツアー「ひきこもりでもLIVEがしたい!」を実施。また同年5月には埼玉・さいたまスーパーアリーナで主催イベント「ひきこもりたちでもフェスがしたい!」を開催し、大きな注目を集めた。同年10月にはTwitterアカウント数のフォロワー数が100万人を超えたことを記念して24時間にわたる番組の生配信を実施。さらに10月18日、自身の誕生日にソロアルバム「明日色ワールドエンド」をリリースした。2018年3月20、21日には千葉・幕張メッセ9~11ホールにてライブイベント「ひきこもりでもLIVEがしたい!~明日色ワールドエンド発売記念公演~」を行う。