いぎなり東北産 特集|東北発“今最も対バンしたくないアイドル”の魅力を徹底解説 (2/2)

いぎなり東北産を形作る色鮮やかな楽曲たち

メンバーと同じく、東北産は楽曲も種々様々。ライブ会場をヒートアップさせる“アゲ曲”から、じっくり聴かせるバラードまで実に多彩だ。バラエティあふれる東北産の楽曲の中から、橘のコメントを交えていくつかピックアップしてみよう。

「天下一品~みちのく革命~」

2016年11月に初披露され、2017年3月に1st CDとして発売された、いぎなり東北産初のオリジナル曲。戦いに挑む熱い気持ちを歌ったこのアッパーチューンは、現在も彼女たちの代表曲として知られている。

「私たちにとっての最初の曲なんですけど、歌う時期によって歌詞に対する感じ方が変わったりするんです。メンバーと一緒に成長し続けてる曲ですね」

「I decided」

2021年10月に初披露されたのち、2022年3月発売の1stミニアルバム「武道館リハ」に収録され、グループの新境地を拓いたバラード曲。「固い決意で前に進んでいこう」という熱い気持ちを、9人が心を込めて歌っている。

「全員で心を合わせないと歌えない曲だなって、初めて感じた曲でした。ハモリもユニゾンもすごく難しかったですね。声をそろえて歌おう、心を合わせて歌おうと、みんなでがんばって練習した東北産のキーになっている曲です。この曲を通じて、メンバーの仲がより深まりました」

「わざとあざとエキスパート」

2023年8月9日リリースの3rdミニアルバム「THE 東北産」収録曲。“かわいい”に振り切った東北産を味わえるラブリー度マックスな1曲で、メンバーの狙い通り、TikTokでバズを起こした。

「この曲は、かわいくてTikTokでバズるような曲を作りたいというメンバー発信で制作された曲なんです。歌詞の意見を出したり、『振付師さんはこの方がいいよね』って話し合ったりしました。でも、メンバー発案で曲が制作されたものの、それまでかわいい表現をあまりしたことがなかったので、ほとんどのメンバーが振り入れなどで苦戦しました(笑)。そうやってできた曲が、TikTokでバズってたくさんの人に踊ってもらえてすごくうれしかったです。『天下一品』に加えて新たに代表曲ができました」

「負けないうた」

こちらも「THE 東北産」に収録される楽曲。グループのこれまでの歩みを振り返りつつ、靴紐を結び直してさらなる夢に向かって進んでいくという思いを歌ったダイナミックなナンバーだ。メンバー同士の絆、東北産と皆産の絆が描かれた歌はエモさたっぷり。

「東北産の過去から現在までのいろんなことが詰まった曲なんです。この曲を今年開催した『全国絶対に負けないツアー』で歌ったことで、みんなの気持ちがよりひとつになった感じがあります」

ちなみに、「THE 東北産」の個人的なオススメ曲を橘に聞くと、「東北産にはトンチキ曲がたくさんあって、そこが私の東北産の好きなところの1つなんです。最近はカッコいい曲やかわいい曲が増えてきましたけど、今回のミニアルバムでは『NIWAKA』というかなりトンチキっぽい曲ができました。東北産の原点を感じられると思います」という答えが返ってきた。逆に、今の東北産だからこそ歌えるようになった曲を尋ねると、「『Being』や『Chim Chim Chim Knee』、『I decided』『Symphony』とかの魅せる系ですかね。昔の東北産は全力の熱量だけで押し切っていたところがありましたけど、最近は熱量だけでは歌えない、魅せる技術が必要な曲に挑戦させていただいてるなと感じています」と語った。

武道館ライブを実現させるための進化

冒頭でも触れたが、初期の東北産のライブはとにかく全力感や“ワチャワチャ感”がみなぎっていた。そんな中でライブに変化が表れ、パワーで押すだけのスタイルから脱却し始めたのは、2020年10月にリリースされた楽曲「re;star」の頃だという。

「『re;star』のミュージックビデオから、メイクが解禁になり、衣装もTシャツ短パンのスタイルから変わって。すごく豪華なMVを撮っていただいたんです。その頃から、ステージでも“魅せる”ことを意識していくようになりました。『re;star』という曲名通り、まさに新たなスタートという感じでした。そこから次々に新たなことをやらせていただけていると思います」

そして2021年8月に結成6周年を迎えたタイミングで、9人は「日本武道館に立つ」という目標を全員で決めた。これからも長く東北産で活動を続けたい、そのためにはもっと大きくなっていかなければいけないと、グループとしての意思を固めた彼女たちは、コロナ禍の閉塞感を打破するように全国でライブを展開する。今年3月から開催された「全国絶対に負けないツアー」では全国11都市で21公演を行った。5月19、20日にLINE CUBE SHIBUYAでファイナルが開催され、大成功のうちにツアーが締めくくられた(参照:いぎなり東北産「絶対に負けないツアー」完走!ステージで出たものが全部本物)。新たな挑戦が詰まったこのツアーで、メンバーがどんなことを得たのかを橘に聞いてみよう。

「今まで大一番のライブのときは、自分たちの得意分野である“アガる”曲をたくさんやってたんですけど、今回のツアーではステージ上に配置されたボックスやLEDを使った演出に挑戦したりして、セットリストも大人っぽく魅せる曲が多かったんです。どうやってパフォーマンスを見せればいいのか、みんなで悩んで話し合って、ライブを重ねるごとに足し算と引き算をする感覚で調整していきました。今回のツアーを通じて、ただ盛り上げて全力でやればいいわけじゃないんだと改めて実感しました」

「いぎなり東北産 全国絶対に負けないツアー」ファイナル公演の様子。

「いぎなり東北産 全国絶対に負けないツアー」ファイナル公演の様子。

「いぎなり東北産 全国絶対に負けないツアー」ファイナル公演の様子。

「いぎなり東北産 全国絶対に負けないツアー」ファイナル公演の様子。

もちろん、初期からの東北産の持ち味であるライブでの“熱さ”と“楽しさ”も倍増している。華麗なパフォーマンスで観客を惹きつけたかと思えば、会場全体を巻き込んで汗だくにし、最後は感動させてしまうという、さまざまな感情が入り乱れる怒涛のライブは東北産ならではだ。

「やっぱり熱さも私たちのよさなんですよ。そこにいろんな曲が加わって、自分たちの見せ方の持ち札がグッと広がってるような感じがすごくあります。もっと磨きをかけて、どんな曲にでも対応できるようになりたいですね」

強力なライブを武器に皆産を増殖させているいぎなり東北産は、今年も数々の夏フェスにも出演。さまざまなアイドルグループのファンが集まる現場で、ファン層の広がりを実感するときがあるという。競演相手にとっては自分たちのファンを取られる可能性がある、“今最も対バンしたくないアイドル”と言えるかもしれない。

「TOKYO IDOL FESTIVAL 2023」でパフォーマンスするいぎなり東北産。

「TOKYO IDOL FESTIVAL 2023」でパフォーマンスするいぎなり東北産。

「フェスで『わざとあざとエキスパート』を歌うと、たくさんの方が踊ってくれるんです。そういう光景を見ると、東北産を知ってくれている人が増えているのかなって実感します。正直、今まではフェスに出るとアウェーな感じがあったんですけど、今年はそういう感覚がないんです。お客さんみんなが一緒になって盛り上がってくれてますね」

パシフィコ横浜での大一番に向けて

目標である日本武道館公演の実現に向け、日々ボルテージを高める東北産。これまで彼女たちは楽曲とライブを主軸に正攻法で前進してきた。1つひとつ壁を乗り越えていくという泥臭ささえ感じるストレートなスタイルに、東北産の実直さが表れている。そんな彼女たちにとって、武道館への重要な試金石となる大一番「いぎなり東北産 2023年大一番ライブ ~いぎなり伝説への幕開け~」が12月29日にパシフィコ横浜 国立大ホールで開催される。

「パシフィコ横浜は、東北産史上一番大きいライブ会場なんです。タイトルにあるように、『いぎなり伝説への幕開け』になるようなライブをしたいですね。やっぱり武道館公演を実現させるためには、目の前の1つひとつを全力で乗り越えていくしかないんです。パシフィコは大きな大きな壁なので、自分たちにできることをとことんがんばります。あと、いつも応援してくださる皆産に大きな会場でライブをしてる姿を見せられることがうれしいですね。『ここまで来れたよ!』『もっとがんばるよ!』という思いを伝えられるライブにできたらなと思います」

約5000人キャパという大会場のパシフィコ横浜で、彼女たちはどんなステージを見せようとしているのか。ライブの詳細が決まるのはまだ先のことだろうが、野望を橘に聞いてみた。

「もしできたらですけど、皆産の近くに行けたらいいなって思いますし、コロナ禍前のように皆産と大合唱ができたらなって思ってます。あとメンバーは『空を飛びたい』『火を出したい』とか好き勝手言ってますけど(笑)、とにかくいろんなことに挑戦できたらいいですね」

パシフィコ横浜公演は、メンバー9人と皆産が改めて団結し、目標の武道館に進んでいくための決起集会の場になりそうだ。年末の横浜で、東北産と皆産が作り上げる熱さに満ちたライブに期待しよう。

「最初にも言いましたけど、東北産はメンバーみんなが団結したときの力がすごいんです。ライブでみんなの心がひとつになった瞬間の爆発力や熱量は誰にも負けないと思います。そして応援してくださる皆産のことを、私たちは“チーム東北産”だと思ってるんです。『皆産と一緒に行くぞ!』という気持ちがとにかく強いです。パシフィコ横浜ではみんなで心をひとつにして、熱くて負けないライブをしたいと思います!」

ライブ情報

東京フリーイベント3DAYS

  • DAY1
    2023年8月14日(月)東京都内(※会場の確認が取れ次第発表)
    12:00 物販(屋外) / 16:00 ミニライブ(屋外) / 16:30 特典会(屋内)
  • DAY2
    2023年8月15日(火)東京都 錦糸町マルイ 8F すみだ産業会館
    13:00 物販 / 15:30 ミニライブ / 16:00 特典会
  • DAY3
    2023年8月16日(水)東京都 ららぽーと豊洲 シーサイドデッキ
    12:00 物販 / 16:00 ミニライブ / 16:30 特典会

いぎなり東北産 2023年大一番ライブ~いぎなり伝説への幕開け~

2023年12月29日(金)神奈川県 パシフィコ横浜 国立大ホール

プロフィール

いぎなり東北産(イギナリトウホクサン)

スターダストプロモーションの女性アイドルセクション・STARDUST PLANETに所属する9人組アイドルグループ。2015年8月に結成され、東京・日本武道館のステージに立つことを目標に東北地方を中心に活動している。愛称は東北産で、ファンの呼称は皆産。2017年3月に初のCD作品「天下一品~みちのく革命~ / ワンダフル東北」、2020年3月に1stアルバム「東北インバウンド」リリース。2023年3月より全国ツアー「いぎなり東北産 全国絶対に負けないツアー」を行い、東京・東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)でファイナルを迎えた。8月9日に3rdミニアルバム「THE 東北産」をリリースし、12月29日に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールでワンマンライブを開催する。