出会いも別れもすべて無意味なことはない
──今日のインタビュー冒頭の「約束」の話もそうですし、配信リリース済みの「運命」も9曲目に収録されていますが、本作にはMACOさんの“運命”を信じる気持ちを込めた歌詞も多い気がします。昨年、音楽ナタリーのRIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)さんの連載「音楽大陸」にゲストで登場されたときも「自分の運命は最初から最後まで決まっている」と持論を語られていました(参照:THE RAMPAGE RIKUの「音楽大陸」 Vol.8(前編))。
恋愛に限らず、日常のちょっとしたこともすべて運命で決まっているんだろうなって。えっと……たまにありません? 何も準備はしてないけど、このまま外に飛び出してあそこに行ってみようとか。そういうのを私は“お知らせ”だと思うんです。「ここに来て」って呼ばれてるような。ほかにも、その時間家にいたからこうだったとか、逆に外に出てたからこんなことがあったっていういろんなタイミングや巡り合わせも最初から決まっている運命。だから、初めにお話しした音楽で葛藤したこともこのアルバムを作るためには必要だったのかなって思えます。
──今となれば必然だったと。
そうです。そんなふうに考えるから、あのときああすればよかった、あっちを選んでいたら……ってみんなが何気なく考えるようなことも私は「それをしなくて正解だった」って。極論、出会いも別れもすべて無意味なことはないと思うんです。どんな道を選んでもいい悪いはなくて、それで、何のために生きてるんだろうって考えると……いろいろ許すためなんじゃないかってMACOは思います。
──うまくいかない期間が長くても、のちのちこっちの道に導かれるためだったんだとかパズルがカチッとハマる感覚ってありますよね。
何かがいいところまで進んでダメになってしまっても、きっとこうなるからだったんだ、この人に会うためだったんだって。去年はずっとそういうことを考えてる1年でしたね。
どんな人も、幸せになるのは“絶対”
──いつも芯のある返答をしてくれるMACOさんは、人から恋愛相談を受けることも多いのでしょうか?
友達は多くないですが、前よりは増えたかもしれない。さっき「End Love?」の話で出た相談者は「人に絶対言わないと決めていたけどMACOさんなら言ってもいいかなと思った」って言ってくれて。私が自分の運命論を織り交ぜて答えると泣いてましたね。「そういうことを言われたのは初めてだ」って。
──もしよければMACOさんが伝えた答えを教えてください。
運命っていうのはドカドカ音を立ててやってくるものではなくて、足音がすごい静かなの。日常の気付かない場面でもきっと触れていて、あとで考えればきっと「これも運命の道になってたんだ」って思えると思う。だから落ち込む気持ちもわかるんだけど、その状況は長く続かないよって。そう言ったら大号泣してました。
──相談した方は心がラクになったでしょうね。
そうだとうれしいです。「絶対幸せになるから大丈夫ってMACOは思う」とも伝えましたね。どんな人も幸せになるのは“絶対”なんです。幸せの色や形は違うかもしれないけど、1人ひとりを包み込む幸せは絶対にあると思います。
──ちなみに、今の年齢だからこそ変化した幸せの価値観はありますか?
うーん、誰とも結婚せずにずっと1人でもいいし、事実婚でも離婚してもなんでもいいと思うようになったことかな。自分がそうしたければそれが幸せだし、周りと比較して「人よりもっと」と考えなくていいのかなって。変な話、自分の心が健全な状態ならなんでもいいと思います(笑)。あと、無理したり焦ったりしても絶対いいことないですね。恋愛もなんでも。急いで彼氏を作ろうとすればするほど、結果的にうまくいかないんじゃないかと思います。
自分らしくいられてるMACOを見せたい
──2年ぶりのライブツアーのお話も最後に聞かせてください。5月1日の東京・日経ホールを皮切りに全国5カ所で行われるんですよね。
すごく楽しみです! 地方を回るのもひさしぶりですし、生でみんなに会えるのがとにかくうれしい。「We Promised.」を聴き込んで遊びに来てほしいです。
──5月10日は地元・北海道でのバースデーライブですね。
地元で誕生日を迎えるのはファンイベントで過去にあったんですけど、ツアーではたぶん初めて。4月にアルバムを出して5月にツアーをして、そこに自分の誕生日がある……というのも運命ですね(笑)。ワクワクしてます。
──MACOさんのひさびさの生ライブを心待ちにしているファンの方に、どんなステージを見せたいですか?
自分らしくいられてるMACO、かな。それがきっとうれしいと思うし、笑顔で歌っているほうがみんなも安心するかなって。これからも地に足をつけて、MACOらしく歌で思いを届ける活動を続けていきたいと思います。
ライブ情報
MACO We Promised. Tour 2022 ~ Acoustic & Pop ~
- 2022年5月1日(日)東京都 日経ホール
- 2022年5月8日(日)兵庫県 クラブ月世界
- 2022年5月10日(火)北海道 PENNY LANE24
- 2022年5月14日(土)愛知県 THE BOTTOM LINE
- 2022年5月15日(日)福岡県 久留米シティプラザ 久留米座
- 2022年5月29日(日)東京都 日経ホール
プロフィール
MACO(マコ)
1991年5月10日生まれ、北海道函館市出身のシンガーソングライター。2014年4月に1stミニアルバム「22」を発表。5月にテイラー・スウィフト「We Are Never Ever Getting Back Together」のカバー曲「We Are Never Ever Getting Back Together ~私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない(Japanese Ver.)」を配信リリースし、大きな話題を集める。7月にミニアルバム「23」でメジャーデビュー。2015年11月に1stアルバム「FIRST KISS」を発表した。2018年6月にはベストアルバム「BEST LOVE MACO」、12月に4thアルバム「交換日記」をリリース。2022年4月に5thアルバム「We Promised.」を発表した。