リリスクの垢抜け曲

──今回のアルバムでは、BAD HOPやKANDYTOWNの楽曲も手がけるプロデューサーのKMさんが参加しているのが個人的に一番の驚きでしたし、後半でハイパーポップの要素も感じて好きでした。現行のヒップホップが好きなhimeさんもきっとうれしいだろうなと。

hime　もう聴く前から「絶対好きな曲になる」と確信してましたね（笑）。

──himeさんがKMさんに参加してもらうよう提案したんですか？

hime　KMさんのこの曲がヤバイみたいな話をしたことはあるかもですけど……いや言わないですよ、まさかKMさんがやってくださるとは思わなかったし。だから本当にビックリしました。

risano　キムさんもそう思ってたんだって。ダメ元でお願いしたら引き受けてくださったって。

──アイドルに楽曲を提供しているイメージはないですもんね。

hime　アイドルではないですけど、MANONちゃんのプロデュースもしているので、リリスクにもきっと合うだろうなとは思いました。

risano　垢抜け曲って感じだよね。hinakoのこんなにカッコいいところも見たことなかったし。

hinako　超難しかったです。いつも私はかわいく歌おうと意識してきたんですけど、この曲ではカッコよくってディレクションがあって。しかも私のパートに英語が入っているんですよ。まさか私が英語を歌う日が来るとはって（笑）。本当にできなくて「Area分けされたcity」という歌詞のAreaすら、なかなか曲に合った雰囲気で歌えなかったです。この曲は歌詞割りが最初になくて、メンバーそれぞれが全部歌ってから歌割りが分けられたんですよね。

risano　普段は最初から歌詞割りが決まってるんだけどね。

hime　やっぱり曲が変則的すぎるというか、今までのリリスクにない感じだから、想像が付かなかったんでしょうね。

──個々人のキャラクターを理解したうえで作り込むのもいいけど、それをあえてやらないという面白さもあるのかもしれないですね。

risano　思わぬ化学反応みたいな。むしろ私のパートに英語が全然なくて。てっきりhinakoのところだと思ったんですけど。

──リリスクで英語と言えば、帰国子女のrisanoさんのイメージがありますよね。

hinako　本当に「私ここ歌う!?」ってビックリしましたね。すごく大変だったんですけど、メンバーが助けてくれて。risanoが英語を教えてくれたし、minanちゃんにも「cityって発音ってこの感じで合ってる？」って聞いたり（笑）。だから私のフレーズは、もうメンバーが力を合わせた集大成です。

一同　ハハハ（笑）

hinako　もしくはテスト（笑）。メンバーが先生で。

──hinakoさんのパートについて言えば、今までにない低い声で歌っているのも驚きましたね。

minan　hinakoの低い声めっちゃいいよね。むしろメンバーの中で一番いい低音が出ると思う。

hinako　じゃあこれがきっかけでこれから低い声の曲が増えるかも。もちろん“かわいい”も出していくつもりだけど。

risano　何もしなくてもかわいいから大丈夫だよ（笑）。

──声の高低の話で言うと、himeさんは基本的に低音担当になっている感じがしますね。中学の頃からアイドルとしてラップをやっているから、年齢を重ねることで変化してきた部分もあるかなとは思うんですけど。

hime　無理するのをやめたんです。ライムベリー時代はかわいい担当で、ツインテールキャラだったんですけど、今のリリスクにはかわいいキャラがそろってるし、私が無理しなくてもいいんだと思って。それに私がかわいげのない感じでいけばいくほど、みんなのかわいさがより引き立つというか。誰かが別のことをやったときにほかのメンバーの個性がより際立つのがグループの強さということをエンジニアの方も話していたんですよね。だったら私はやりやすい形でやったほうがいいのかなと思ったんです。

アイドルは何にでも化けられる職業

──アルバムの発売に合わせて全国ツアーもスタートしましたが、2021年のリリスクはどんなふうになりそうですか？

hinako　どうなるんですかね……。

──コロナで先行きが不透明すぎて、目標を立てようにも立てられないところはありますよね。

hinako　でも去年よりは皆さんに会える機会も多いと思うし、リモートライブの経験も生かして、さらにパワーアップしたリリスクをアルバムの曲と一緒に見せていけたらなって思いますね。

minan　リモートライブも含めて配信でライブを何回かやる中で、映像だからこそできる見せ方がわかって、それが自分たちの強みにもなったので、今後もっと映像コンテンツを出していけたらいいなと思いつつ、ちゃんとリアルでも強いグループにしていきたいなと思います。

yuu　本当にその通り。

──もうアイドルシーンでの立ち位置はしっかり確立しているし、アルバムのリリースでより幅が広がったので、もっと別のところに出て行っても面白そうだと思いますね。パフォーマンスで引けを取ることはないと思いますし。

hime　ウチらって全部生歌なんですよ。

risano　毎回ステージングも違うし。ライブがちゃんとできる状況になったら、フェスに出たいし、野音でもやりたいなと思いますね。準備はできてるから、アルバムと一緒に見つかってほしいって感じです。

──別のジャンルのイベントといえば、himeさんとminanさんは、ナタリーのイベントで大喜利にも挑戦しますよね（参照：一番面白くてかわいいアイドルを決める大喜利大会「おもカワ」対戦カード決定）。

risano　絶対優勝すると思う。

──もともと大喜利が得意なんですか？

minan　いや……自分で強いですとは言えないですよ（笑）。

risano　頭の回転が速いんですよ。

hime　minanはリリスクで唯一ちゃんとしゃべれる人で、いつも的確なこと言うし、ユーモアもあるんです。一緒に出る私は初大喜利なんですけど。

risano　配信を観ながら勉強させてもらいます（笑）。

──いろんな分野で活躍していってほしいです。

minan　himeが前にTwitterでさ、「あんまアイドル舐めないでよ」みたいなこと言ってたじゃん。

risano　そんなこと言ってたっけ（笑）。カッコいい。

minan　アイドルってマジでなんでもできるし、なんでもできないとやれない。わりと馬鹿にされがちなポジションにいるけど、やってみろよと思っちゃう。

hime　仮にできなくても、できないって言っちゃいけないもんね。

risano　確かに自分がアイドルになってから、アイドルをすごく尊敬するようになった。

yuu　思ってたアイドルと実際のアイドルでイメージが全然違ったよね。

hime　私はアイドルっていろんなものに化けられる職業だと思っていて。今回のアルバムはそれが顕著に出ていると思います。

minan　とにかくメンバー5人がそれぞれの魅力をしっかり伸ばしてきたし、今はマジで五角形が整ってる。

──すべてのパラメータがマックスみたいな。五角形ってイメージしやすくていいワードですね。

hime　こういうのがパッと出てくるんですよね（笑）。大喜利もやれますよ！（※「ライブナタリー Presents『おもカワ ～アイドル大喜利タッグトーナメント～』」は3月23日に開催され、リリスクチームは本当に優勝を果たした。参照：笑いも悔し涙も！アイドルが大喜利で競い合った「おもカワ」で名回答＆名シーン続出）